—2次の相転移— 41. 最近接相互作用を持つイジング模型 H = −J ∑ Si Sj (42) (ij) をブラッグ-ウイリアムズ近似を用いて取り扱う。ただし、i 格子のスピンを Si = ±1、 最近接格子点の数を z 、全格子点の数を N とする。 (a) 格子点あたりの磁化を m として、エントロピー S とエネルギー E を求めよ。 (b) ヘルムホルツの自由エネルギー F を求め、それを用いて熱平衡状態での m を 決定する式を得よ。 (c) 臨界温度 Tc と T ≤ Tc および T ≪ Tc での m を求めよ。 42. 最近接相互作用を持つイジング模型 H = −J ∑ Si Sj − h (ij) N ∑ Si (43) i=1 の平均場近似での取扱いを以下のような定式化で行う。ただし、Si = ±1 とする。 (a) i ばんめのサイトのスピン変数を Si = m + δmi (44) と書く。ここで m は i ばんめのサイトのスピン変数の期待値 ⟨Si ⟩ であり、δmi は期待値からのずれ Si − m を表す。ずれの2次の項を落としたハミルトニア ン HM F が以下のように与えられることを示せ。 HM F = ∑ Jm2 N z − (Jzm + h) Si 2 i (45) (b) 格子点あたりの磁化 m を求める式を導出し、h = 0 の場合は上式を一致するこ とを示せ。 (c) 磁化率 χ と h = 0 における比熱 C 求めよ。 18 43. スピン S のハイゼンベルク模型 H = −K ∑ Si Sj − h ∑ Siz (46) i (i,j) を平均場近似で取扱い、以下の問いに答えよ。 (a) 磁化を決定する式を導出せよ。 (b) 臨界温度 Tc を求めよ。また、T ≤ Tc および T ≪ Tc における自発磁化の温度 依存性について論ぜよ。 (c) T > Tc における磁化率を求めよ。 44. 1次元イジング模型 H = −J N ∑ Si S1+1 (47) i=1 は分配関数 ZN の正確な値を求めることができる。以下の手順にしたがって、正確 な分配関数を求めよう。 (a) 周期境界条件 SN +1 = S1 の場合、分配関数 ZN は以下のように書けることを 示せ。 ZN = TrT N ( ) eK e−K T = e−K eK (48) (49) ここで、K = J/kB T である。 (b) T の固有値と固有ベクトルを求めよ。 (c) ヘルムホルツの自由エネルギー F を求めよ。特に N ≫ 1 の場合はどうなるか。 (d) エネルギー E および比熱 C を求め、その概形をグラフに描け。 45. 前問を自由境界条件とした場合、分配関数と自由エネルギーはどうなるか? 46. 2次相転移を記述するランダウの自由エネルギーは以下のように与えられる。 F = F0 + a(T − Tc )m2 + bm4 − hm (50) ここで、m は秩序変数(磁化)、T は温度、Tc は臨界温度、h は外部磁場である。ま た、定数 a、b は正の定数である。以下の問いに答えよ。 19 (a) h = 0 の場合を考える。磁化 m の温度依存性を求めよ。また、臨界温度近傍で のエントロピーと比熱を求めよ。 (b) 磁化率を求めよ。また、T > Tc 、T = Tc および T < Tc における磁化曲線 (m − h 曲線)の概形を描け。 47. ランダウの自由エネルギー a b c F = m2 + m2 + m6 − hm 2 4 6 (51) によって記述される状態に関して、以下の問いに答えよ。ただし、c > 0 である。 (a) h = 0 の場合を考える。準安定状態が現れるための条件を求めよ。 (b) h = 0 の相図が以下のようになっていることを示せ。 a a= 3b2 16c 1次転移 m=0 2次転移 b 0 m 6= 0 (c) b = 0 における自発磁化および磁化率を求めよ。ただし、a = k(T − Tc )(k > 0) とせよ。また、臨界温度近傍の比熱に関して論ぜよ。 48. 強磁性イジング模型の分配関数 ∑∑∑ ∑ Z= · · · exp(K0 si si+1 ) s1 s2 s3 において、偶数サイトのスピンについて和をとると、 ∑∑∑ ∑ Z= · · · exp(K1 si si+2 + C) s1 s3 s5 (52) i (53) i となることを示し、K0 と K1 との間の関係を求めよ。ただし C は定数である。ま た、この操作を無限に繰り返すとパラメータはどうなるか。 20
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