特別支援学校中学部自閉症児が 集団場面で 教員の話をメモにとるための指導 1、対象生徒について ・対象生徒→中2 女子 自閉症 ・S-M社会能力検査(H22,6,17) 社会生活年齢(S-A)6歳3ヶ月 社会生活指数(SQ)50 2、指導計画について (長期目標) 教員の話をメモ(選択式)にとり、メモを活用することができる。 (短期目標) 教員の話をメモ(選択式)にとり、教員の質問に答えることがで きる。 (標的行動) 教員の話をメモ(選択式)にとり、教員の質問に答えることがで きる。 2 3、方法 ベースライン メモ導入 教員の話 選択式のメモ 教員の話 聞く 聞く 4つの質問・指示 メモしていない メモ指さし メモの記入 4つの質問 正答率で評価 3 4、ベースラインの記録からの考察 (日常生活の指導で、1対1で) ・課題設定により、「(話を聞いて)指示に従う」という行動が強 化され、「話を聞く行動」が強化されている。 (美術・職業家庭科・生活単元学習) ・注意喚起あり・なし、板書あり・なし、話の内容(自分に関す ること、他人に関すること)等は正答率にほぼ影響がなかっ た。 ・自分の興味関心のある話(買い物)に関しては、聞いている 様子がみられる。 4 5、指導を行っての気づき ・教員がしている話の内容は、子どもが聞いていなくても困らな いものが多い。 ・指導を行って、教員の話のスピードが変化した。 ・子どもが理解しにくい言葉を使っている場合がある。 「子どもが話を聞けていない」のは教員の「伝え方」や「伝える 内容」に問題があるのかもしれない。 教員の行動に変化 6 正 答 率 ( % ) 日付 正答率 7 メ モ を と っ た 割 合 ( % ) 日付 メモをとった割合 6、結果と考察 (結果) ・メモ導入によって、教員の話を聞いていないと回答できないことに 答えられるようになった。 ・多層ベースライン法を取り入れることによって、メモ導入の有効 性が確認された。 ・指導を行っている際、「髪を触る」「時計を見る」「机にふせる」 という行動は見られなくなった。 ・教員の話すスピードを遅くしたり、話の内容を絞ったりしても、 メモなしでは質問に答えることが難しかった。 ・メモ導入によって、他の場面での行動に変化は見られなかった。 (考察) ・メモをとることで、話を聞くポイントが本人にとってわかりやすくなっ た。 ・メモにとった内容を暗記して遂行する様子が見られるようになった。 ・メモをとることで、指示された内容をメモで確認しながら遂行す ることができるようになってきている。 9
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