平成27年度 全国学力・学習状況調査 分析及び今後の取組

平成27年度
全国学力・学習状況調査 分析及び今後の取組
豊岡市立豊岡南中学校
【平成27度全国学力・学習状況調査(国語科)についての考察】
本年度の本校の結果については、どの領域も全国に比べて正答率は概ね近いものであった。ただ、個々
の問題においては以下のような傾向が見られた。
結果
良
い
悪
設
問
無
回
答
多
領域
問題形式
正答率(%)
本校
兵庫県
全国
9一3
文脈に即して漢字を正しく書く
(アマったお金を貯金する)
伝国
短答式
76.1
77.2
70.9
9三エ
語句の意味を理解し、文脈の中で適切に使う
(彼女は、学級の縁の下の力持ちという存在だ)
伝国
選択式
76.1
71.0
70.8
9三オ
語句の意味を理解し、文脈の中で適切に使う
(たなびく雲の間から、春の光がもれている)
伝国
選択式
56.0
55.0
49.0
9四①
単語の識別について理解する
(「青い」と「青さ」の品詞として適切なもの
を選択する)
伝国
選択式
52.2
67.7
62.3
9四②
単語の識別について理解する
(「青い」と「青さ」の品詞として適切なもの
を選択する)
伝国
選択式
23.4
40.2
33.7
9六
手紙の書き方を理解して書く
伝国
選択式
52.2
54.1
58.2
B3二
表現の工夫について自分の考えをもつ
読む
選択式
77.2
82.9
82.6
設問の概要
領域
問題形式
7二
伝えたい事柄が相手に効果的に伝わるように書
く
書く
短答式
15.8
8.3
8.6
9一2
文脈に即して漢字を正しく書く
(地図のシュクシャクを調べる)
伝国
記述式
15.2
8.6
10.1
B3三
文章の構成や展開などを踏まえ、根拠を明確に
して自分の考えを書く
書く
読む
記述式
19.0
12.6
11.2
い
結果
設問の概要
設
問
無回答率(%)
本校
兵庫県
全国
〇書くこと〇
正答率は、概ね全国と比べて近い結果となった。しかし、
「伝えたい事柄が相手に伝わるように書く」
「根拠を明確にして自分の考えを具体的に書く」については全国同様に課題があり、本校では特に無回
答者も多かった。
現在、昨年度の結果も踏まえ、無回答者を減らす取組として、1時間の授業が終わった後や単元が終
わった後に振り返りの時間として「考えをまとめる時間」を設けたり、「テーマや条件付きの短作文」
を授業やテストに取り入れたり、さらに4月からは新聞の記事やコラムを利用し、「自分の考え、感想
を書く」ことを行うなど、「書くこと」に対する抵抗を和らげようとしている。その成果として、無回
答者は減少傾向にあり、今後もこの取組を継続していきたい。
〇伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〇
「文脈に即しての漢字の読み書き」や、「語句の意味を理解し、文脈の中で適切に使うこと」につい
ては、正答率が全国を上回るものが多かった。このことについては、用例文を含む漢字練習、ことわざ
・慣用句の定期考査での出題などを1年次より継続して行ってき成果だと予想される。
ただ、全国的な傾向ではあるが、「単語の類別について理解すること」については課題があり、それ
が顕著であった。単に文法的な知識として学習するだけでなく、それぞれの単語が文の中でどのような
働きをしてるかも考えさえる必要がある。
また、語彙力の低下が日常的に感じられるので、授業での辞典活用や新聞を使った授業など、語彙を
増やす活動も積極的に今後も取り入れていきたい。
【平成27年度全国学力・学習状況調査(数学科)についての考察】
本年度の本校の結果については、数学A(知識・技能が身についているかどうかをみる問題)の正答率
は全国平均に近い結果だったが、数学B(知識・技能を活用することができるかどうかをみる問題)の正
答率は全国平均を下回っており、説明や判断する問題において課題がみられた。
結果
良
い
悪
い
結果
無
回
答
多
設
問
設問の概要
領域
問題形式
正答率(%)
本校
兵庫県
全国
A1(1)
比の意味を理解している
数と式
選択式
94.0
94.4
93.6
A3(3)
具体的な事象における数量の関係を捉え、連立
二元一次方程式をつくることができる
数と式
選択式
56.5
50.1
44.9
A5(1)
空間における直線と平面の垂直について理解し
ている
図形
短答式
51.1
50.3
47.4
B1(1)
与えられた情報から必要な情報を選択し、的確
に処理することができる
関数
短答式
21.7
33.2
29.3
B2(2)
事柄が成り立つ理由を、構想を立てて説明する
ことができる
数と式
記述式
33.7
47.5
43.1
B6(1)
与えられた式を基に、事象における2つの数量
の関係が比例であることを判断できる
関数
選択式
32.1
45.1
46.5
設問の概要
領域
問題形式
B1(1)
与えられた情報から必要な情報を選択し、
的確に処理することができる
関数
短答式
35.9
21.0
21.1
B3(2)
図形に着目して考察した結果を基に、問題
解決の方法を図形の性質を用いて説明する
ことができる
図形
記述式
60.9
50.3
48.2
B5(2)
資料の傾向を的確に捉え、判断の理由を数
学的な表現を用いて説明することができる
資料の
活用
記述式
43.5
30.4
29.7
設
問
無回答率(%)
本校
兵庫県
全国
○数量や図形などについての知識・理解○
比の意味、等式の性質の用い方、同位角、三角形の合同条件などの理解はできていた。課題点は、文
字を用いた式で数量の関係を説明するための構想を理解できていないなどで、授業で具体的な数や言葉
を使った式を利用したり、数量を図に表わしたりして関係を捉える活動を工夫していく必要がある。
○数学的な技能○
正負の数の計算、連立方程式の立式、空間図形の読み取り、一次関数の表の読み取りの技能は身につ
いていた。課題点は、与えられたグラフから に対応する の変域を求めるなどで、授業でグラフを用
いて変域を視覚的に捉える活動を工夫していく必要がある。
○数学的な見方・考え方○
課題点は、目的に応じて必要な情報を選択し、的確に処理することや、問題解決の方法や手順を、数
学的な表現を用いて的確に説明できるようにするなどがある。授業で実生活の場面での問題を解決する
活動や、実際に図形をかいたり、立体を作ったりしながら図形の性質に着目していく活動を工夫してい
く必要がある。
【平成27年度全国学力・学習状況調査(理科)についての考察】
本年度の本校の結果については、全国平均を下回っており多くの課題がみられた。
結果
良
い
設
問
領域
問題形式
8(1)
背骨のある動物を、セキツイ動物と表すこ
とができる。
生物
短答式
60.9
56.4
63.9
2(1)
天気の記号から風向を読み取り、風向計を
使って風向を観測することができる。
地学
短答式
46.7
48.0
48.6
6(2)
音の高さは、「空気の部分の長さ」に関係
していることを確かめる実験を計画するこ
とができる.
物理
選択式
28.3
31.1
29.9
1(1)
特定の質量パーセント濃度の水溶液の溶質
と水のそれぞれの質量を求めることができ
る。
化学
短答式
38.0
46.6
45.0
5(1)
オームの法則を使って、抵抗値を求めるこ
とができる。
物理
短答式
41.8
62.3
59.6
8(3)
他者の考察を検討して改善し、課題に対し
て適切な考察を記述することができる。
生物
記述式
41.8
46.1
47.4
設問の概要
領域
問題形式
1(1)
特定の質量パーセント濃度の水溶液の溶質
と水のそれぞれの質量を求めることができ
る。
化学
短答式
25.0
17.4
17.6
5(1)
オームの法則を使って、抵抗値を求めるこ
とができる。
物理
短答式
24.5
14.6
15.6
8(3)
他者の考察を検討して改善し、課題に対し
て適切な考察を記述することができる。
生物
記述式
32.1
26.1
25.5
悪
い
結果
無
回
答
多
正答率(%)
本校
兵庫県
全国
設問の概要
設
問
無回答率(%)
本校
兵庫県
全国
○科学的な思考・表現について○
実験の結果を数値で表した表を分析して解釈し、規則性を見いだすことに課題がある。観察・実験の結果を分析し
て解釈できるようにするために、観察・実験の結果を予想や仮説と比較したり、理科で学習した知識・技能と関連付
けたりする視点を示したい。今後、実験・観察など生徒が主体的に活動できる機会を増やしていくことを検討したい。
○観察・実験の技能について○
天気の記号から風向を読み取り、風向計を使って風向を観測する問題に関しては、概ね正答率は全国と比べて近い
結果となっている。一方で特定の質量パーセント濃度の水溶液の溶質と水のそれぞれの質量を求める問題では、正答
率が低く、無回答率が高い。振り返りの時間等に基礎的・基本的な計算問題を解く時間を設定して、計算能力を向上
させる指導が必要である。
○自然事象についての知識・理解について○
基礎的・基本的な知識理解が身についているかどうかをみる問題において正答率は全国に比べて低
く、無回答率が高い。知識を持っている生徒とそうでない生徒の二極化が見られる。全体のレベルを
上げるために、日々の復習を確実に行い、課題をやりきる力をつけさせたい。アンケートの結果から、
理科に対して必要性を感じていない生徒の割合が高いので、授業の中で身近な物との関わりや、関連
性をとり入れながら授業を行うことも今後の課題である。
【平成27年度
全国学力学習状況調査
生徒質問用紙 分析(一部)】
【生活習慣について】
○朝食を食べることや起床・就寝時間など、基本的生活習慣は身についている生徒が多く見られる。
○物事に意欲的に取り組もうとする態度が身についておらず、自尊感情が低い傾向に見られる。
○家庭では、学校での出来事について話をしたりすることが比較的多い。
【学習について】
○平日・土日を問わず、3年生の学習目標時間以上に学習時間を割いている生徒は比較的少ない。
○「総合的な学習の時間」において、自分で課題を立てて取り組めていると感じられている生徒の割合
が少ない。
○授業での話し合い活動が少なかったと感じている生徒の割合が多い。
○自分の考えをまとめて文章にしたり、1200字程度の文章を書くことが苦手と感じている。
○授業で分からないことを先生に聞こうとする生徒より、塾で聞いたりそのまま放っておく生徒の割合
が多く見られた。
○授業のはじめに、「めあて」が示されていると感じている生徒が、非常に多い。
【教科について】
○各教科とも「好き」と感じている生徒は、全国の割合と比べると低い傾向にある。
○国語や数学については勉強が大切であると感じ、将来に役立つと思っている生徒が多い。また、分か
るようになりたいと感じている生徒も比較的多く見られる。その一方で、理科においては大切である
と感じている生徒が少なく、将来の役立つと思っている生徒は少ない。
○理科では、観察・実験の回数が少ない傾向にある。また、計画を立てて実験をしたり考察を行うこと
が少なく、全体の振り返りができていないと感じている生徒が多い。
学
校
全
体
に つ い
て
1
本校が推進している「夢実現力 行動プラン」に基づき、継続して学力を高める授業を実践する。
・「本時の目標(めあて・ねらい)」を明示し、「振り返りの時間」を確保することで、学習内容の定
着を図る。
・小グループによる話し合い活動や、課題に対して「自分の考えを書く」、「発表する場面」の設定に
より思考力・判断力・表現力を育む。
2
「自分の考えを書く、まとめる力」を高める実践を行う。
・どの教科でも行われる「振り返りの時間」なども利用し、文字数や使用キーワードなどを指定した
条件付きの短作文を書く機会を増やす。
・総合的な学習の時間に「はがき新聞」を活用し、限られた字数で、自分の考えを、根拠を明らかに
して、相手にわかるように書く力を身につけるトレーニングを行う。
・生活ノートの日記部分の記入など、授業だけでなく日常の様々な「書く場面」を通して「書く力」
の育成を図る。
3
「発表する場面」では「伝える力」の向上につながる実践を行う。
・どの教科でも行われる意見や考え、思いを伝える場面において以下の視点を念頭に置き「伝えさせ
ること」を指導する。
○順序立てて
○理由をつけて
○視点を変えて
4
○対比させて
○例を挙げて
○要約して
○関係づけて
○何かにたとえて ○立場を置き換えて
○六感でとらえて(視・聴・触・嗅・味・直感)
… 伝える
各個人の一層の学力の向上を図る。
・学習の内容を身近な事柄と関連づけることで興味・関心を引き出し、学習意欲を高める。
・理解度に応じた課題の導入や自主学習課題への積極的な取り組みにより、それぞれのレベルアップ
を図る。