グリーンの公式の応用

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グリーンの公式 の応用
調和関数
電通大数学:山田
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空間内で,点 P(p, q, r) として
√
−
→
rP = kPXk = (x − p)2 + (y − q)2 + (z − r)2
とおくと,
1
rP
は 点 P 以外で定義された 調和関数である.
∇
2
∇
−1
rP
1
rP
=0
∇2 ϕ = div ∇ϕ
1 −
→
=
PX の面積分は「点 P を中心とした立体角」である.
3
rP
・点 P を中心とする半径 ε の球を Bε とすると
∫
−1 −
→
· dS = 4π
∇
rP
∂Bε
∂Bε は半径 ε の球面 3/5
連続関数 ϕ について,
ε がじゅうぶん小さいと,点 x が Bε で動いても ϕ(x) の ϕ(P) からの誤差は小
さいはず.すると
∫
−1 −
→
lim
ϕ(x)∇
· dS =
ε→0 ∂B
rP
ε
∫
−1 −
→
ϕ(P)∇
· dS
rP
∂Bε
= 4π ϕ(P)
一方,点 P を含まない閉領域 V では,発散定理により
∫
∫
−1 −
→
2 1
∇
dv = 0
· dS =
−∇
rP
rP
∂V
V
V
この積分に ϕ を挿み込む.
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よって(説明が厳密ではないが),一般の閉領域 V で

∫
4πϕ(P) P ∈ intV
1
−ϕ∇2 dv =
0
rP
V
P が V の外
グリーンの(大)公式の1つ
∫
∫
)
(
ψ∇2 ϕ − ϕ∇2 ψ dv =
V
( −
)
→
→
−
ψ n (ϕ) − ϕ n (ψ) dS
∂V
→
−
n は境界 ∂V の外向き単位法ベクトル
でψ=
1
rP
とおき,ϕ を調和関数(∇2 ϕ ≡ 0)とすると
P ∈ intV のとき
(
∫
4πϕ(P) =
∂V
)
1
1→
→
−
−
n (ϕ) − ϕ n ( ) dS
rP
rP
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調和関数は
領域 V の 中の点 P での値が 境界 ∂V の観測だけで決まる!
!