期末試験の解答例

 平成 26 年度
システム解析学及び演習
期末試験
解答の概略 【1】 (1) (a) −1, −4 (b) −2 (c) 2 (d) 1
(2) ステップ応答を y(t) とすると,そのラプラス変換は
Y (s) = G(s)
1
s+2
1 1 1
1
1
1
=
= · − ·
− ·
.
s
s(s + 1)(s + 4)
2 s 3 s+1 6 s+4
1 1 −t 1 −4t
− e − e .
2 3
6
jω + 2
2+j
11 − 7j
(3) ω = 1 とすると G(jω) =
=
=
.
(jω + 1)(jω + 4)
(1 + j)(4 + j)
34
5
7
, tan θ = tan G(jω) = − .
A = |G(jω)| =
34
11
よって y(t) =
【2】 (1) 二次遅れ系の標準形 G(s) =
a
.
8
はζ =
Kωn2
より,固有角周波数は ωn = 4, 2ζ · 4 = a より減衰係数
s2 + 2ζωn s + ωn2
(2) 題意より 0 < ζ < 1, すなわち 0 < a < 8. また,Kωn2 = 1 より,ステップ応答が収束するのは K =
(最終値の定理を用いても同様となる.
)
【3】 (1) ブロック線図において,R(s) = 0 として D(s) と Y (s) の関係を求めると,
KI
Y (s) = P (s) D(s) − KP +
Y (s)
s
P (s)
s
= 2
.
s + 2s2 + (KP − 1)s + KI
KI
1 + P (s) KP +
s
KI
(2) ラウス表は以下のようになる.安定となるための条件は KP − 1 −
> 0, KI > 0.
2
より Y (s) =
s4
s
⎡
s2
s1
(3) D(s) =
KP − 1
1
3
−
1
1
det ⎣
2
2
1
−
KP − 1 −
KI
2
2
KP − 1
KI
⎡
det ⎣
KI
⎤
⎦ = KP − 1 − KI
2
KI
2
KP − 1 −
KI
2
0
⎤
⎦ = KI
1
s
1
1
である. lim y(t) = lim sY (s) = lim s · 2
· 2 =
2
2
t→∞
s→0
s→0
s
s + 2s + (KP − 1)s + KI s
KI
1
.
16
【4】(図は例として (a, b, c) = (6, 4, 2) として描いている.
)
• ボード線図を用いる場合:図Aに示すように,P (s) のボード線図はゲイン・位相ともに単調減少であり,位
相は ω → ∞ で −270◦ に近づく.K が正の定数であるから,一巡伝達関数のゲインは 20 log10 K|P (jω)|[dB],
位相は P (s) と同じで P (jω) ×
180 ◦
π [ ]
であり,ボード線図より位相が −180◦ となる位相交点が存在す
る.位相交差周波数を ωp とすると,
– K|P (jωp )| < 1 すなわち (0 <)K < 1/|P (jωp)| のときフィードバック系は安定,
– K|P (jωp )| ≥ 1 すなわち K ≥ 1/|P (jωp)| のときフィードバック系は不安定
となることがわかる.
• 根軌跡を用いる場合:根軌跡を図Bに示す.極は実軸の負の部分にある.よって,十分小さな K に対
して根軌跡は複素平面の虚軸を含まない左半平面にあるから,フィードバック系は安定である.次に,
−a − b − c
P (s) には零点がないので,3 本の根軌跡は無限遠点に向かう.根軌跡の漸近線の交点は
,実
3
◦
◦
◦
軸との角度は 60 , 180 , 300 となる.このうち,後者の 2 本の漸近線は右半平面を通って無限遠点へ
向かうので,根軌跡のうちこれらに漸近する 2 本は K を大きくすると右半平面に入る.よって,K を
大きくしてゆくとフィードバック制御系は不安定になる.
Gain [dB]
0
−100
−1
0
10
10
ω [rad/s]
1
2
10
10
0
−90
−180
−270
−2
−1
10
0
10
10
ω [rad/s]
1
2
10
10
図A
10
5
Imag
Phase [deg]
−200 −2
10
0
−5
−10
−8
−6
−4
−2
Real
図B
0
2