栃木県・宇都宮市立西小学校5年

タイトル: おまわりさんから学んだこと
氏名: 岡村 琢磨
小学校名:栃木県 宇都宮市立西小学校 五年
ぼくが保育園の時のお話です。
母の実家の駐車場でチョロチョロ動き回る小さな生き物を見つけました。ハムスターで
す。近所に飼われているのだと思い、その日は実家で預かってもらい、飼いぬしさんが現
れるのを待ちました。でも、誰一人としてさわいでいる人はいませんでした。ぼくは生き
物が大好きなので家に連れて帰りたかったけれど、ぼくの家はマンションなので生き物が
飼えません。このまま逃がしたらのら猫に食べられてしまうそう思ったぼくは近くのこう
番に預けることにしました。こう番にはおまわりさんが一人いてぼくが事情を話すとやさ
しそうな笑顔でハムスターを抱っこしました。「困ったなぁ。」と苦笑いしながらも一晩預
かると言ってくれました。
次の日、ぼくはハムスターが心配になり、こう番へ行くともうハムスターはいませんで
した。
「逃げてしまったの?」とおそるおそるおまわりさんにたずねると、けい察署の人が
ハムスターの受け入れ先を探してくれたとのことでした。受け入れてくれたのは真岡市に
あるリス園でした。週末、ぼくは、お父さんとお母さんにお願いしてそのリス園に連れて
行ってもらいました。リスはたくさんいましたが、かんじんなハムスターがいません。し
ばらく歩くと小さな小屋があり、そこにハムスターのかごがいくつか置いてありました。
かごの前にはハムスター達がリス園にやってきた日にちが書いてあり、一匹のかごの前に
はぼくがおまわりさんにあずけた次の日の日にちが書いてありました。まちがいありませ
ん。ぼくが見つけたハムスターです。ケガもなく、元気に動き回っていました。次の日、
ぼくはおまわりさんにおれいを言いにこう番に行きましたが、その日は非番でいませんで
した。
あれから五年、今はそのこう番もなくなり、あの時のおまわりさんと会うこともできま
せん。あの時、もし、こう番にあずけず逃がしていたら、ぼくはずっとこうかいしたこと
でしょう。
おまわりさんはちいきの人達だけでなく、生き物にもあたたかい手をさしのべてくれた
のです。
ぼくは、あのおまわりさんから命の大切さを学びました。おまわりさんにあずけて本当
に良かったと思っています。
ぼくは、勉強がにが手なのでおまわりさんにはなれないけれど、あの時のおまわりさん
のようにちいきの人達だけでなく、小さな生き物にもやさしく接していこうと思います。