タイトル: おまわりさんとのふれあい体験 氏名: 藤原 久嘉 小学校名:兵庫県 小野市立中番小学校 六年 「あっー。 」 と思った時、ぼくは空中を一回転して車のボンネットの上に乗り、地面にたたきつけられ ていた。ほんの一しゅんの出来事だった。 今から三年前、ぼくが小学校三年生の時、自転車に乗っていて車と衝突した。 衝撃でヘルメットにひびが入り自転車のハンドルは曲がりチェーンは切れ事故の後に見 た時はびっくりした。 自転車に乗る時はいつも、お父さんが買ってくれた、黄色のヘルメットをかぶり、あご ひもはしっかりしめて乗っていたので少しのかすり傷ですんだのだろう。その夜、ぼくは 熱が出て家族はとても心配した様だ。CTも撮ってもらったが異常がないとの事だった。 しかし、一週間安静といわれ、外で遊べなくて落ちこんだのをいまもはっきりと覚えてい る。 翌日、お父さんと一緒に警察に行き事故の時の様子を聞かれた。家にもおまわりさんが 来られてあの時の事故について又聞かれた。こわれた自転車やヘルメットを見て 「良かったな、これぐらいですんで、自転車とヘルメットが衝撃を吸収してくれたんかな。 これからは気をつけよ。 」 と、やさしい口調で話してくれた。ぼくは、このおまわりさんがやり野さんという名前で 中番町のちゅう在さんで、ぼく達が登校する時に学校の前の道で毎日 「おはよう。 」 と声かけをして下さっていたので、顔と名前は知っていた。 「こわかったやろ。実はおまわりさんもな、小学校一年生の時、車にはねられてな、ピカ ピカのランドセルがドロドロになってん。でも、そのランドセルが衝撃を吸収してくれ て、おまわりさんはかすり傷ですんだんや。 」 と話してくれた。 ぼくは、おまわりさんも子どものころぼくと一緒やったんやなと思った。 「ヘルメットをかぶってなかったら大変な事になっとったかもわかれへんな。」 とやさしい目でぼくを見た。 あの日からぼくは、しっかり左右を確認して自転車に乗っている。 それから、一年後にやり野さんは転勤となって姿を見なくなった。でも、あの日ぼくに やさしく話しかけて下さった時のことは今も忘れません。 「やり野さん、あの時はありがとうございました。これからも体に気をつけて仕事をがん ばって下さい。 」
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