0 資料2 完全自動運転実現への シナリオと制度的課題(案) 平成29年2⽉10⽇ 内閣官房IT総合戦略室 ⽬次 現状と今後の⽅向 定義と現状 これまでの進捗と今後の⽅向 完全⾃動運転実現に向けたシナリオ ⾃動運転により⽬指すべき社会 2025年を⾒据えたシナリオ (オーナーカー、物流、サービスカー) 市場化・サービス実現期待時期 今後取り組むべき課題 制度⾯ 技術⾯、社会受容⾯等 1 現状と今後の方向 □定義と現状 □これまでの進捗と今後の方向 ⾃動運転システムに係る定義(完全⾃動運転、無⼈、遠隔型) 3 SAE J3016の定義の採⽤を踏まえて、⾞両内に、ドライバーに相当する者が存在しな いものを「無⼈」とし、そのうち、L3以下のものを「遠隔型」と再定義する。 また、L4以上を「完全⾃動運転システム」と定義する(無⼈型と有⼈型を含む) 「無⼈⾃動運転システム」:⾞両内に、ドライバーに相当する者※が存在しない⾃動運転システ ムを指す。主に、外部の事業者によって運営される移動サービスに利⽤される(サービスカー型)。 ※必要に応じ、ドライバーとなるユーザーを含む。 「遠隔型」:「無⼈⾃動運転システム」であって、L3以下のもの(概ねL2〜L3)を指す。 ⾃動運転システム(ADS) 例:⼀般道ではドライバーが運転を⾏うが、 ⾼速道路では完全⾃動運転が可能なシス テム(望めばドライバーの運転が可能) 完全⾃動運転システム 主に所有型⾞両に利⽤される(オーナーカー: 事業者を含むオーナーが主なユーザー) 例:どこでも完全⾃動運転が可能であるが、 望めばドライバーの運転が可能なシステム。 主に事業型⾞両に利⽤される(サービスカー: 事業者が主な(遠隔)ユーザー) 無⼈⾃動運転システム (注)枠内の⾃動運転システムを指す 遠隔型⾃動運転システム <「無⼈」及び「遠隔型」の⾃動⾛⾏システムの定義の⾒直し(案)> 新定義(案) 現⾏RM2016における定義 遠隔型⾃ 動⾛⾏シ ステム ⾞両内にはドライバーは存在しないものの、⾞両外(遠隔) にドライバーに相当する者が存在し、その者の監視等に基づく ⾃動⾛⾏システム 遠隔型⾃ 動運転シ ステム ⾞両内にはドライバーは存在しないものの、⾞両外(遠隔)にドライバーに相当する 者が存在し、その者の監視等に基づく運転⾃動化システム。概ねL2〜L3に相当。 (L2の場合は1対1、L3の場合は1対Nが可能) 無⼈⾃動 ⾛⾏移動 サービス ⾞両内にドライバーが存在せず、遠隔(⾞両外)のドライ バーに相当する者を含む⾃動⾛⾏システム(遠隔型⾃動⾛ ⾏システム)による移動サービス、または、専⽤空間における 無⼈⾃動⾛⾏サービス(レベル4)等による移動サービス 無⼈⾃動 運転移動 サービス ⾞両内にドライバーに相当する者※が存在しない運転⾃動化システムによる移動サー ビス。遠隔型⾃動運転システムに加え、⾞両内にドライバーとなり得るユーザーが存在 しない完全⾃動運転システムによるサービスが含まれる。公道を⾛⾏する場合、公道 外を含む専⽤空間で⾛⾏する場合がある。 ⾃動運転の公道実証・実⾛⾏に係る制度環境(現状) 4 ⽇本における⾃動運転の公道実証・実⾛⾏環境は、世界に⽐して遜⾊のないレベル。 有⼈の公道実証には、許可不要。(海外では、概ね当局の許可必要) 無⼈(遠隔型)の公道実証を可能とすべく、世界同等の取組を推進中。 今後、道路交通条約や海外の制度整備の動向等を踏まえつつ、⽇本においても、L3以 上、無⼈型の⾃動運転に係る制度整備に向けた検討を進めていくことが必要ではないか。 市場化期待時期等を踏まえつつも、制度整備には時間を要することに留意。 <⾃動運転の公道実証・実⾛⾏に係る⽇本・海外の制度環境> 公道実証 L1, L2, L3, L4, L5 ⾞両内運転者有 国連:可 ⽇本:可(許可も不要)※ 海外:可(ただし、多くは許可制(⽶国では6〜7州のみ可能)) ⾞両内運転者無 (遠隔運転者を含む) 国連:遠隔運転者がいれば可(2016年3⽉) ⽇本:可能とすべく警察庁等が検討中(2017年) 海外:不可(⽶国加州で法制化を検討中) 実⾛⾏ L1, L2 ⾞両内運転者有 国連:条約上可 ⽇本:現⾏法上可・実⽤化済み 海外:概ね現⾏法上可・実⽤化済み ⾞両内運転者無 (遠隔運転者を含む) 国連:条約上不可(議論中) ⽇本:不可(今後の課題) 海外:不可(⽶国加州で検討中) L3, L4, L5 国連:条約上不可(議論中) ⽇本:不可(交通関連法規の⾒直しが必要) 海外:不可(⽶国加州で検討中) (注※)⽇本では、⾃動運転システムとしてL3〜L5あるいは無⼈型を⽬指した技術を実証するための実験についても、公道実証に当たってドライバーが⾞ 両内に乗り込み、監視及び緊急時等に必要な操作を⾏うことによって、現⾏法内で許可なく公道実証可能。 (参考)道路交通に関する条約を巡る動向 5 国連欧州経済委員会(UNECE)の道路交通安全作業部会(WP1)では、⾮公式 作業グループを中⼼に、「道路交通に関する条約」と⾃動運転との整合性等について、積 極的な議論が⾏われているところ。 <WP1:第72回会合> <WP1:第73回会合> (2016年3⽉31⽇〜4⽉1⽇) • ⾮公式作業Gの議⻑(フランス)が、WP1に対し、 活動の進捗状況を報告。 ⾮公式作業Gは3回実施、最初の会合で副議⻑(オラ ンダ)を選出し、OICAを事務局。 焦点は、道路交通、ドライバーの挙動及び混在交通(⾃ 動運転⾞・従来の⾃動⾞・他の道路利⽤者) 現在想定される⾃動運転⾞両の実験について、「⾞両の コントロールが可能な能⼒を有し、それが可能な状態にあ る者がいれば、その者が⾞両内にいるかどうかを問わず、現 ⾏条約の下で実験が可能」との協議結果を報告。 (→WP1は当該結果を了解) • WP1は、⾮公式作業Gに、以下のガイダンスを提⽰。 (i)⾃動運転⾞両の公道実験を促進するための条約改 定の可能性検討を中⽌ (ii)⾼度⾃動化⾞両に向けて条約改定その他の措置の 可能性の検討を継続 (iii)「driving」や「operating」の定義が必要となるであ ろう「遠隔駐⾞機能」等の⾃動システムについて、WP1に ガイダンスを提⽰すべく検討を開始すること。 (出典)WP1の議事録より。次回会合は、2017年3⽉。 (2016年9⽉19⽇〜22⽇) • • • • 「遠隔駐⾞機能」と条約との整合性(ドライバーは ⾞両の外側から⾞両制御を実⾏可能か否か)、及 びシステムによる運転中にドライバーが他の活動を実 ⾏可能か(第8条第5項)について、分析が必要。 完全⾃動運転に関する規定がどうあるべきかの分析 が必要。⼀⽅、完全⾃動運転に関する新しいプロト コル/合意の精密化について留保表明もあり。また、 ⾃動⾞産業界等に対し交通安全要件を明確化す るような、完全⾃動運転の新たな規制フレームワーク 策定について賛成の意⾒もあり。 WP1は、次回セッションでの検討に向け、条約(第 8条)で何が許され何が許されないかの共通解釈 について、⾮公式作業Gが草案作成の準備を⾏うよ う要求。 WP1は、⾃ら規制上の解決策を提案すべく、完全 ⾃動運転の道路交通安全要件に再度注⼒すること に合意。 これまでの取組の進捗(官⺠ITS構想ロードマップ2016) 6 官⺠ITS構想・ロードマップ2016では、⾼速道での⾃動⾛⾏、限定地域での無⼈⾃動 ⾛⾏サービスにつき、2020年までの市場化・サービス実現に向けた詳細な⼯程表を作成。 この中で記載された、2017年⽬途の公道実証の実施に向けて、現在、着実に準備が進 められているところであり、引き続きの取組が求められる。 <官⺠ITS構想・ロードマップ2016の進捗状況> 官⺠ITS構想・ロードマップの 記載(概要) ⾼速道で の⾃動⾛ ⾏ 限定地 域での無 ⼈⾃動 ⾛⾏移 動サービ ス • • • • 進捗状況 準⾃動パイロット(レベル 2)を2020年までに実現。 そのため、2017年⽬途にSIP ⾃動⾛⾏システムにて⼤規模 実証試験を実施。 • 遠隔型⾃動⾛⾏システムを想 定し、特区制度等の活⽤を 念頭に、2017年⽬途に公道 実証を実現。 公道実証の結果を踏まえ、安 全性を確保しつつ、2020年 までにサービス実現。 • 内閣府は、2016年11⽉、 2017年度からの⼤規模実証試 験の開始を発表。 ⼆つの⾃動⾛⾏システムを中⼼とする全体ロードマップ • 警察庁は、現在、検討会におい て、公道実証実施に向けた制度 整備の⽅策について検討中 (2017年5⽉⽬途に公表予 定)。 国⼟交通省においても、遠隔型 ⾃動⾛⾏システムを可能とする⾞ 両に係る制度を策定済み (2017年2⽉)。 今後の⽅向(⽇本再興戦略、官⺠ITS構想RM2016での記載) 7 ⼀⽅、その2020年までの⾼速道での⾃動運転、限定地域での無⼈移動⾛⾏サービ スの実現を経た上で、2020年以降、完全⾃動運転(L4)の実現(2025年⽬ 途)に向け、そのシナリオと対応⽅策等に係る検討(⼯程表の策定等)が必要。 <⽇本再興戦略2016> 「2020年以降、完全⾃動⾛⾏の実現を⽬指す⽅策等について、検討を⾏う。」 <官⺠ITS構想・ロードマップ2016> 「(レベル3の「⾃動パイロット」は、)今後、市場のニーズ、海外企業の動向、国際的検討状 況等を踏まえつつ、社会受容⾯の検討を含め、市場化に必要な制度改正の在り⽅について、 並⾏して調査・検討を開始し、2020年⽬途には市場化が可能となるよう取り組むものとする。」 「これらのシステムについては、2020年までの市場化、サービスの実現を達成するため、2017年 を⽬途に本格実証を⾏うとともに、その後、2025年⽬途での⾃動⾛⾏⾞・サービスの普及拡⼤ への道筋を描くことを念頭におく。 その際、(上記①と②の)2つの⾃動⾛⾏システムのいずれも、 ⼆つの⾃動⾛⾏システムを中⼼とする全体ロードマップ 将来的には、完全⾃動⾛⾏が可能な⾞(ドライバーが運転を 楽しむことも可能な⾞を含む)に近づくことを念頭においたもの であることを踏まえ、両アプローチに係る制度⾯での検討にあた っては、常に整合性を確保しつつ⾏うものとする。」 完全自動運転実現に向けたシナリオ □自動運転により目指すべき社会 □2025年を見据えたシナリオ □市場化・サービス実現期待時期 ⾃動運転により⽬指すべき社会(案) 9 特に⼈⼝減少・少⼦⾼齢化問題を抱え、地⽅創⽣が課題になっている我が国におい ては、これらの課題を解決する社会を⽬指すべく、以下の3項⽬を重点化する。 ⾃動運転⾞(オーナーカー)の更なる⾼度化 運転者不⾜に対応する⾰新的効率的な物流サービスの実現 地⽅、⾼齢者等向けの無⼈⾃動運転移動サービス実現(サービスカー) <⽬指すべき社会と達成すべき運転⾃動化システム> 項⽬ ⽬指す社会 実現すべき運転⾃動化システム ⾃動運転⾞(オーナー カー)の⾼度化 産業競争⼒の強化 交通事故の削減 ・⾼速道での完全⾃動運転(L4) ・⾼度安全運転⽀援⾞(仮称) 運転者不⾜に対応する⾰新 的効率的な物流サービス ⼈⼝減少時代に対応し た物流の⾰新的効率化 ・⾼速道での隊列⾛⾏トラック(L2以上) ・⾼速道での完全⾃動運転トラック(L4) 地⽅、⾼齢者等向けの無⼈ 移動サービス(サービスカー) 全国の各地域で⾼齢者等 が⾃由に移動できる社会 ・限定地域での無⼈⾃動運転移動サービ ス(L4)の全国普及 <官⺠ITS構想RM2016の⼆つのシステムとの関係> ※官⺠ITS構想・ロードマップ2016で記載された「⾼速道(L2)」「限 定地域(L4相当)」(いずれも、2020年⽬途)の延⻑に加え、 2025年⽬途の完全⾃動運転等の実⽤化を⾒据えて、以下を追加。 ・「⾼速道での完全⾃動運転(L4)」 ・「⾼度安全運転⽀援⾞(仮称)」 ・物流(「⾼速道(隊列⾛⾏、L4等)」) 順次型 L4型 ヒト ⾼速道L2⇒L4 ⾼度安全運転⽀援 限定地域公共交通 モノ (物流) トラック (⾼速道) 限定地域トラック 2025年を⾒据えたシナリオ(案) 10 前述の⾃動運転による交通事故の削減、産業競争⼒の向上、物流の⾰新的効率化、 全国の地域、⾼齢者等が⾃由に移動できる社会の実現に向け、2025年⽬途に⾼速道 での完全⾃動運転の市場化と⾼度安全運転⽀援⾞(仮称)の普及、物流での⾃動運 転の導⼊普及、限定地域での無⼈⾃動運転移動サービス(L4)の全国普及を⽬指す。 <2025年完全⾃動運転を⾒据えたシナリオ(案)> <オーナーカー> 開発・実証 開発・実証 開発 ⼀般道での⾃動運転 <L2> ⾼速道での⾃動運転 <L2> ⾼度安全運転⽀援⾞ (仮称) 開発・実証 ⾼速道での隊列⾛⾏ トラック<L2以上> 限定地域での無⼈⾃動 運転配送サービス<L4> <サービスカー> 限定地域での無⼈⾃動 運転移動サービス<L4> 普及 交通事故の削減 産業競争⼒の向上 普及・拡⼤ ⾼速道での⾃動運転 <L3> <物流(トラック)> 開発・実証 2025年⽬途 2020年代前半 2020年まで 普及・拡⼤ ⾼速道での完全⾃動 運転⾞<L4>※ ⾼速道での完全⾃動運 転トラック<L4>※ (実現時期については要検討) 普及 限定地域での無⼈⾃動運 転移動サービス<L4> ※対象地域・ODD、サー ビス内容・範囲の拡⼤ (注)関係省庁は、⺠間と連携して、⺠間の具体的な開発状況、ビジネスモデル(事業計画を含む)に応じて、上記スケジュールに 沿った施策を推進する。その際、官⺠で情報共有を進め、必要に応じて、関係省庁はアドバイスや制度・インフラ⾯の検討を⾏う。 ⼈⼝減少時代に対応 した物流の⾰新的効 率化 全国の各地域で⾼齢者 等が⾃由に移動できる 社会 ※⾼速道での⾃動運転L3として設計しているが、 リスク最少化移⾏技術を付加したシステムを含める。 2025年に向けたシナリオ①(オーナーカー) 11 ⾃動⾞メーカー主導による⾃動運転⾞の開発としては、2025年⽬途に、⾼速道での 完全⾃動運転⾞(L4)と、「⾼度安全運転⽀援⾞(仮称)」の実現を⽬指すことに より、交通事故の削減と産業の競争⼒強化を実現。 このためには、2020年⽬途までのL3以上に係る制度整備、リスク最少化移⾏等に係 る技術の確⽴が鍵となる。 ⾼速道での完全⾃動運転⾞(L4)の実現 2020年までに⾼速道での準⾃動パイロット(L2)の市場化 2025年⽬途に、⾼速道での完全⾃動運転⾞(L4)※の市場化 ⾼速道の⼊⼝から出⼝まで、完全⾃動運転が可能であり、ドライバーは必要に応じ、⾃ら運転すること も、システムに運転を任せることも可能。⾃動的なリスク最少化移⾏が機能。 ※ ただし⾼速道での⾃動運転L3として設計しているが、リスク最少化移⾏技術を付加したシステム も含む。 その際、2020年以降に、⾼速道での⾃動運転⾞(L3)の実現を想定。 2025年までに、⽇本企業が世界でのL4の市場において優位に⽴つことを⽬標。 制度⾯では2020年頃までのL3、L4に係る実⾛⾏環境の整備、技術⾯ではリスク最少化が課題。 「⾼度安全運転⽀援⾞(仮称)」の実現、普及 事故のほとんど起きない「⾼度安全運転⽀援⾞(仮称)」の機能拡充・強化。 より⾼度な被害軽減ブレーキや、異常時対応システムなどのリスク最少化移⾏に係る技術の確⽴。 これにより世界⼀安全・安⼼な⾃動運転⾞の技術⼒、提供⼒を確保、維持する。 2025年までに、⽇本企業による最も安全・安⼼な⾃動⾞の競争⼒実現を⽬標。 (参考)「⾼度安全運転⽀援⾞(仮称)」のイメージ 12 ⾼齢者等を含め運転者による運転を原則としつつも、⾼度な⾃動運転技術(L4を含 む)等を積極的に活⽤し、世界⼀安全・安⼼な⾃動運転⾞(「⾼度安全運転⾞(仮 称)」)の開発、競争⼒維持を⽬指す。 <「⾼度安全運転⽀援⾞(仮称)」の具体的要素技術(イメージ)> 例えば、以下のような個別⾃動運転技術の⾼度化を図るとともに、⼈⼯知能(AI)や HMI技術を含め、これらの技術を統合的にシステム化。 被害軽減ブレーキ(⾃動ブレーキ)の更なる⾼度化 被害軽減ブレーキ(⾃動ブレーキ)の対象となる障害物の範囲、速度等などの抜本的拡⼤ ペダル踏み間違い時加速抑制装置(※)との連携によるフェールセーフ機能の抜本的強化 など (※⾞載のレーダー等が壁や⾞両を検知している状態でアクセルを踏み込んだ場合には、エンジン 出⼒を抑える等により、急加速を防⽌する装置。) ドライバー異常時対応システムの⾼度化(リスク最少化移⾏技術を含む) 国⼟交通省は、2016年3⽉、「ドライバー異常時対応システム」のガイドラインを世界で初めて発表。 押しボタン式から、⾃動検知型へ、また、単純/⾞線内停⽌型から、路肩停⽌型への開発の推進。 その他(レーンキープアシストその他) (注1)官⺠ITS構想・ロードマップ2016:「被害軽減ブレーキ、ドライバー異常時対応システムについては、今後、更なる技術の 発展により、通常はドライバーが運転しつつも、システムによって事故が⾃動的に回避されるようなタイプの⾃動運転システムに発展す る可能性があることに留意しつつ推進するものとする。(p35)」 (注2)ガーディアンエンジェル(トヨタ)、⼈⾺⼀体型(マツダ)などの概念をもとに、イメージ。 (注3)なお、政府においては、2017年1⽉から、⾼齢運転者の交通事故防⽌対策の⼀環として、「安全運転サポート⾞」の普 及啓発に関する関係省庁副⼤⾂等会議を開催中(2017年3⽉末までに、中間とりまとめを予定。)。 2025年に向けたシナリオ②(物流) 13 ⾼速道での物流に関しては、トラックの隊列⾛⾏、完全⾃動運転(L4)の両⽅のメ リット・デメリットを踏まえつつ、物流での⾰新的効率化を推進。地域内での配送に関し ては、限定地域での無⼈⾃動運転サービスを活⽤した配送サービスを実現。 これらを通じて、⼈⼝減少時代に対応した⾰新的・効率的物流を実現。 ⾼速道路での隊列⾛⾏トラックの実現 2017〜18年:公道実証開始 (2017年〜CACC技術、2018年〜電⼦牽引技術) ※⾞間距離に関連した事項の検討、社会受容性の確認など ※電⼦牽引の要件等の検討など 2020年頃:後続無⼈隊列の実現 <⾼速道路でのトラック⾃動運転技術⽐較> 隊列⾛⾏ 完全⾃動運転 運転者数 削減効果 1/2〜2/3 ※2〜3台の隊列を想定。 〜100% ※遠隔オペレータは、別途要。 技術⾯ • 既にテスト実証済技術あ り(エネルギーITS) • 今後リスク最少化移⾏技 術の確⽴が不可⽋。 • まだ現時点では技術的 ハードルはかなり⾼い。 • 今後、乗⽤⾞での技術発 展の活⽤を想定。 制度⾯ • 隊列⾛⾏特有の制度整 備が必要。 • ⾃動運転L4に係る⼀般 的制度整備が必要。 ※リスク最少化移⾏技術の実証など 2022年以降:商業運⾏の実現 ※各技術や実証実験の成果等に応じて、⾛⾏⽅法に係る 制度整備や、インフラ⾯等の整備を検討 インフラ⾯ ⾼速道路での完全⾃動運転トラック*の実現 • 各技術等に応じて、インフラ⾯等の事業環境の検討が必 要。 (2025年頃):市場化、サービス実現 (実現時期については要検討) *ただし、⾼速道での⾃動運転L3として設計しているが、リスク最少化移⾏技術を付加したシステムも含む。 ※乗⽤⾞でのL4に必要な制度整備と併せて、制度整備。 限定地域での無⼈⾃動運転配送サービスの実現 2020年以降:サービス実現、サービス対象拡⼤ ※例えば、過疎地域での中⼼地から集落拠点への往復輸送、集落内における個別宅周回配送サービスなど (注)官⺠ITS構想・ロードマップ2016:「なお、⾼速道路におけるトラックの隊列⾛⾏の検討にあたっては、物理的に連結された⻑⼤フルトレーラー等(更 なる⾞両⻑の緩和を推進)の⾛⾏データや⾼速道路における⾃動パイロット技術のトラックへの応⽤など、複数の技術を検討しながら進めるものとする。」 2025年に向けたシナリオ③(サービスカー) 14 限定地域における無⼈⾃動運転移動サービスについては、2017年から、遠隔型として1 対1、1対Nの公道実証を逐次実施し、その後、2020年までに、L4の無⼈⾃動運転 移動サービスを実現する(ただし、ジュネーブ条約との整合性が前提。) その後、技術レベルの向上(ODDの拡⼤を含む)・サービス内容の拡⼤を図りつつ、当 該サービスを全国に展開を進め、2025年⽬途に全国の各地域で⾼齢者等が⾃由に移 動できる社会を実現。 無⼈⾃動運転移動サービス(地域公共交通等)の実現 2017年:公道実証開始(遠隔型L2段階:1対1) ※まずは、⼀⼈の遠隔ドライバーによる⼀⾞両(1対1)の監視、制御。 ※公道における遠隔型の実証に向けた制度整備について現在検討中。 2018〜19年:公道実証(遠隔型L3段階:1対N) ※⼀⼈の遠隔ドライバーによる複数⾞両(1対N)の監視、制御。リスク最少化移⾏技術の確⽴が前提。 2020年まで:無⼈⾃動運転移動サービス(L4)の実現 ※オペレーター(遠隔)によるシステムを通じた多数の⾞両の監視。リスク最少化移⾏技術の確⽴が前提。 ※ジュネーブ条約との整合性を前提に、交通関連法規の⼤幅⾒直しが必要。 2025年⽬途:技術・内容の拡充、サービス(L4)の全国展開。 市場化・サービス実現期待時期の⾒直し(案) 15 以上のシナリオを踏まえ、2025年までを⾒据えた市場化等期待時期等を新たに再設定。 その際、オーナーカー、物流(トラック)、サービスカーに分けて整理。 官⺠ITS構想・ロードマップ2016の市場化等期待時期 「準⾃動パイロット」 ・⾼速道路での⾃動⾛⾏モード機能(⼊⼝ランプウェイから出⼝ランプウェイまで。合流、⾞線 変更、⾞線・⾞間維持、分流など)を有するシステム。 ・⾃動⾛⾏モード中も原則ドライバー責任であるが、⾛⾏状況等について、システムからの通知 機能あり。 「⾃動パイロット」 ・⾼速道路等⼀定条件下での⾃動⾛⾏モード機能を有するシステム。 ・⾃動⾛⾏モード中は原則システム責任であるが、システムからの要請に応じ、ドライバーが対応。 市場化等期待時期の⾒直し(案) SAEレベル定義採⽤による置き換え(前回資料) レベル SAEレベル 2 実現が⾒込まれる技術 (例) 市場化等 期待時期 ⾃動レーン変更 2017年 「準⾃動パイロット」 2020年まで 無⼈⾃動運転移動サービス (遠隔型・限定地域) 2020年まで SAEレベル 3 「⾃動パイロット」 2020年⽬ 途※ SAEレベル 4・5 無⼈⾃動運転移動サービス (専⽤空間・限定地域) 完全⾃動運転システム 2020年まで ※ 2025年⽬ 途 レベル 実現が⾒込まれる技術(例) 市場化等 期待時期 ⾃動運転技術の⾼度化 オーナーカー 物流(トラック) サービスカー SAEレベル2 「準⾃動パイロット」 2020年まで SAEレベル3 「⾃動パイロット」 2020年⽬途※ SAEレベル4 ⾼速道路での完全⾃動運転 2025年⽬途※ SAEレベル2以上 ⾼速道路でのトラックの隊列⾛⾏ 2022年以降 SAEレベル4 ⾼速道路でのトラックの完全⾃動運転 (2025年⽬途※) SAEレベル4 限定地域での無⼈⾃動運転移動サービス(L4) 2020年まで 運転⽀援技術の⾼度化 ⾼度安全運転⽀援システム(仮称) ※民間企業による市場化が可能となるよう、政府が目指すべき努力目標の時期として設定。 (要調整) 今後取り組むべき課題 □制度面 □技術面、社会受容面ほか 今後取り組むべき課題(制度⾯) 17 前述ロードマップ(シナリオ)を実現するにあたっては、完全⾃動運転を含むL3以上の⾃ 動運転システムの市場化・サービス化を可能とするために必要な交通関連法規の⾒直し を含む制度整備を、2020年の前までに⾏うことが必要。 これらの制度整備に係る検討範囲は多岐にわたることから、まずは2017年度中⽬途まで に、政府全体として制度整備に係る⽅針(⼤綱)をまとめるべきではないか。 <完全⾃動運転等の実現に向けた政府全体の制度整備の⽅針に係る考え⽅(案)> 官⺠ITS構想RM2016発表以降、警察庁(道交法等)、国⼟交通省(⾃賠責等)、 経済産業省(⺠事責任)等において、個別論点整理が開始。 L3を超えると、「ドライバーによる運転」を前提としたこれまでの交通関連法規の全⾯的な ⾒直しが必要となり、その範囲は多岐にわたり、また、相互に関連。 「システムによる運転」に係る⾃動運転⾞両・システムの特定と安全基準の在り⽅ 「システムによる運転」の場合における道路交通法等におけるルールの在り⽅ 「システムによる運転」の場合における保険を含む責任関係の明確化 など このため、特に以下の事情を考慮し、また、これまでの各省庁での検討等を踏まえつつ、まず は、基本戦略も含む政府全体の制度整備に係る⽅針をまとめるべきではないか。 これらに向けた制度整備については、世界的な関⼼事項であるものの、海外においても 試⾏錯誤中であり、また、現時点では道路交通条約上も認められていないこと。 特にL3以上の⾃動運転技術は、現時点で確⽴したものはなく、今後様々な技術が 出てくることが想定される中で、国際的な技術基準策定には時間を要すること。 (参考)官⺠ITS構想ロードマップ2016における制度⾯等に係る記載18 <⾃動⾛⾏システムに係る制度設計に係る基本的スタンス(例)> ①⾃動⾛⾏システムの導⼊による巨⼤な社会的利益を認識する。 通常の⼈間で⽣じるミスを極⼒排除することにより、交通安全の抜本的向上が期待されること。 その他にも、交通の円滑化と省エネルギー、⾼齢者等の移動の円滑化とドライバーの負担軽減、産業競争⼒の向上と 新たな産業の創出など、多くの社会的利益が期待されること。 など ②安全の確保を前提とし、⾃動運転システムの導⼊によるリスクの低減を促進する。 現在の交通安全に係るリスク全体が低減する前提で、⾃動⾛⾏システムの導⼊を推進する。 ⾃動⾛⾏システムの導⼊を通じた安全⾯でのイノベーションの促進等により、交通安全に係るリスクが更に低減するような 制度設計を⾏う。 など ③⾃動⾛⾏システムのイノベーションを阻害せず、促進するような制度設計を⾏う。 技術的な中⽴性を保ちつつ、多様なイノベーションに係る取組が認められるような制度設計を⾏う。 保険制度を含め、製造者等によるイノベーションが進むような制度設計を⾏う。 新たな技術的進展が、既存のシステムに反映されるような仕組みを考慮する。 など <⾃動パイロット(レベル3)の市場化にあたっての検討論点(例)> ①特定の⾃動⾛⾏⾞両におけるセカンドタスクの容認 道路交通法等の⾒直し(第70条:安全運転義務、第71条第5号の5:運転中の携帯電話使⽤、画像表⽰⽤装置注視の禁⽌ 等) ただし、道路交通に関する条約(以下、ジュネーブ条約(1949年作成:⽇本締結)との整合性の確保が前提。 ②当該セカンドタスクを容認する特定の⾃動⾛⾏⾞両の定義と要件の明確化(関係法令等の⾒直し) 現⾏法の「運転免許保有者は運転できる」との体系を踏まえた、新たな規制体系の検討。 ⼀定程度の公道実証データ等も踏まえた基準の策定(例えば、通常の⼈間では必ず起きるミス(誤認、誤操作)を極⼒排除し、⾛⾏環 境に応じた交通安全のルールを確実に順守しているか、など) ③製造事業者等による⾃動⾛⾏システムのイノベーションを促進する観点からの制度設計 ⾃動⾛⾏システムは社会的に望ましいものの、事故のシステム責任とすると、製造者の技術開発インセンティブが低下するとの指摘あり。 これらに対応するための保険体制(⽀払体制を含む)の制度設計。 今後取り組むべき課題(技術⾯、社会受容⾯等) 19 今後、完全⾃動運転(L4)や、⾼度安全運転⽀援システム(仮称)等を実現するた めには、通常時における⾃動運転技術の⾼度化だけではなく、異常時等の問題発⽣時に おいて、⾃動的に安全に停⽌するなどの「リスク最少化移⾏技術」の開発、搭載が必要。 また、⾃動運転の普及を図っていくためには、社会受容性確保のための取組等が必要。 <技術⾯での課題> これまで、例えば、SIPでは、ダイナミックマップ、HMI、セキュリティなどの協調分野における研究開発を推 進しており、今後とも、これらの技術の社会実装に向けた取組は重要。またスムースな⾃動運転の実現に 向けた無線通信ネットワークに係る取組も重要。 ⼀⽅で、このような通常時の⾃動運転に必要な技術に加え、異常時等において最少リスク条件 (minimal risk condition)に⾃動的に安全に移⾏する技術(「リスク最少化移⾏技術」)は、完 全⾃動運転システムに必須であるだけでなく、 「⾼度安全運転⽀援⾞(仮称)」においても不可⽋。 <「リスク最少化移⾏技術」の位置づけ> これらの技術の国際基準については、現在国連の 通常時における 完全⾃動運転システム 場で取り組んでおり、引き続き我が国として主導 ⾃動運転技術 (L4以上) 的に検討していく。 異常時等における <社会受容⾯等での課題> ⾃動運転システム等 リスク最少化移⾏技術 (L3以下) 今後、⾃動運転システムの普及に向 けて、国⺠における社会受容⾯での確保や ⾼度安全運転⽀援⾞ 運転者 (仮称) 中⼩企業・地域における産業創出が重要。 ※太線は特に重要となるところ。 このため、引き続き、⾃動運転に係るインパク ト調査を推進するとともに、安全性に係るデータを含む各種情報共有を推進していくべきではないか。 (参考)⾃動運転レベルのシステムの技術的要件 20 L4に求められる技術的な要件は、全てのDDTを実⾏するだけでなく、⾃動的に「最少リスク 条件」(Minimal Risk Condition:MRC)に移⾏できることがポイント。 L4の市場化を進めるにあたっては、最少リスク条件に移⾏する技術の確⽴が必要。(逆に、 最少リスク条件に移⾏する技術を備えた⾃動運転システムは、SAE L4とみなされる。) <SAE J3016における各⾃動運転レベルにおける技術的要件> レベル2 ⾮機能時 機能時 実施内容 介⼊要請 最少リスク 条件 機能解 除 機能解除 要請による 解除 • レベル3 レベル4 (運転⾃動化システム) (⾃動運転システム:ADS) - • ODD内にあるときのみ、機能化 を許可。 • ODD内にあるときのみ、機能化を許可。 • 全てのDDTを実施する。 • 全てのDDTを実施する。 • ODDの限界を超えそうかを判断 し、その場合、DDTフォールバッ クユーザーに介⼊要請を発する。 • 介⼊の要請を発しても良い。 前後、左右の両⽅に係るサ ブタスクを実⾏することにより、 DDTの⼀部を実施する。 - (⾃動運転システムADS) • 次の場合に、DDTフォールバックを実⾏し、⾃動 的に最少リスク条件に移⾏する。 システム失敗が⽣じた場合、 ユーザーが介⼊要請に反応しない場合、 ユーザーが最少リスク条件を求めた場合 - - - • 介⼊要請を発した後、適切な時 間後に機能解除がなされる。 • 適切であれば、次の場合のみ機能解除する。 最少リスク条件が達成した場合 ドライバーがDDTを実施する場合 • ドライバーの要請により速やかに 機能解除する。 • ドライバーの要請により速やかに 機能解除する。 • ユーザー要請による機能解除を遅らせても良い。
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