ご参考資料【臨時レポート】 2016年1月18日 マニュライフ・インベストメンツ・ジャパン株式会社 台湾総統選挙の結果と台湾株式市場について ◆ 事前予想通りの結果 1月16日に、民主進歩党(以下、民進党)の蔡英文主席、中国国民党(以下、国民党)の朱立倫主席、親民 党の宋楚瑜主席で争われた台湾総統選は、台湾独立志向の最大野党・民進党の蔡英文主席が勝利し、8年 ぶりに国民党から政権を奪い返す結果となりました。 現・馬英九政権が、経済政策において『成長率6%以上、失業率3%以下』などの公約を実現できなかった ことや、候補者選びで党内の分裂を引き起こしたこと、中国との結びつきを強めてきたこと等から、選挙戦に 入ってから与党・国民党は終始、民進党にリードを許していたこともあり、この結果は概ね予想通りであった といえます。 ◆ 気になる対中政策 新政権を担う民進党は中国からの独立を志向する政党ですが、蔡英文主席はおおむね現状維持を望むと しており、「民意や過去二十数年の融和の成果に基づいて両岸関係を処理する」や、「中国と建設的な対話 を推進する一方、そのプロセスは民主的で透明なものであると確約する。経済的恩恵は公平に共有される」 等と発言しています。したがって、現時点で中台関係が不安定になることはないと思われます。 国民党政権では中国と良好な関係を築きつつも、具体的な経済的恩恵を獲得しておらず、蔡氏の交渉力 に期待する声があります。また、総統選前の討論会では、競争の激化しているIT産業などについて、「産業を レベルアップさせる必要がある」と答え、対策チームの創設についても打ち出しており、今後の経済の立て直 しに期待する声も聞かれます。現時点で、中国と台湾の関係が緊迫化することはないものと思われます。 ◆ 台湾の経済と株式市場 昨年の台湾経済は、4-6月期のGDP成長率が前年同期比+0.6%と6四半期続いた+3∼4%台の成長から急 減速し、7-9月期には前年同期比▲0.6%と6年ぶりにマイナス成長に陥りました。主要因は、台湾のGDPの7 割を占めている輸出の不振です。成長の急減速による株式市場の下落は消費の鈍化を誘引し、影響は内 需にも波及してきています。最大の貿易相手国である中国の成長鈍化が懸念されていることから、輸出の不 振が長期化する恐れもあります。 台湾株式市場においては、加権指数が昨年1年間で▲10.4%下落し、現状の予想PERは11.4倍(直近の ピークは2012年12月の18.6倍)の水準にまで調整されています。今後、新総統となる蔡氏の発言や新政権に おける経済政策を注視することが必要です。 当資料に関する留意事項 l 当資料は、マニュライフ・インベストメンツ・ジャパン株式会社(以下「当社」といいます)が、投資判断の参考となる情報提供を目的として 作成したものであり、特定の投資商品の推奨を目的としたものではありません。 l 当資料記載のデータや見通し等は、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。 l 当資料は、信頼できると考えられる情報をもとに作成しておりますが、正確性、適時性を保証するものではありません。 l 当資料の内容およびコメントは資料作成時点における経済・市場環境等について当社の見解を記載したもので当該見解は予告なく変更 される場合があり、将来の経済・市場環境の変動等を保証するものではありません。 l 各指数に関する著作権等の知的財産、その他一切の権利は、各々の開発元または公表元に帰属します。 l 投資信託のお申込みの際は、必ず最新の投資信託説明書(交付目論見書)で商品内容をご確認の上、ご自身で投資のご判断をお願い いたします。 l 当資料に関する一切の権利は、引用部分を除き当社に属し、いかなる目的であれ当資料の一部または全部の無断での使用・複製はで きません。 マニュライフ・インベストメンツ・ジャパン株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第1985号 加入協会:一般社団法人投資信託協会 1
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