直近の低調な米国雇用統計がFRBの利上げに 与える影響

ご参考資料
(投資環境レポート)
2016年6月10日
マニュライフ・インベストメンツ・ジャパン株式会社
直近の低調な米国雇用統計がFRBの利上げに
与える影響
FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げに関するマニュライフ・アセット・マネジメントのレポート(2016年6月8
日現在)をご紹介します。
マニュライフ・アセット・マネジメントは、カナダ・トロントを本拠地とする総合金融グループのマニュライフ・
ファイナンシャル社の運用部門です。
5月の米国雇用統計は、あらゆる分野において低調な結果となり、マニュライフ・アセット・マネジメント
のチーフ・エコノミストであるミーガン・グリーンは、FRBの次回利上げ時期に関する十分な示唆があっ
たと考えています。同氏は、FRBの6月の利上げの可能性は殆どないと予想しています。また、FRBは
利上げを12月まで待たざるをえない可能性が高くなっており、最終的には米ドルが強くなると考えてい
ます。
5月の米国雇用統計を一言で表すと、「痛恨」となります。本統計はあらゆる分野において明らかに不冴な
ものでした。非農業部門雇用者数は、前月比でわずか3.8万人増にとどまりました1。通常は見出しを見るこ
とにしていますが、今回は非常に低調であったため、13.8万人(それ自体でも低調ですが)の間違いではな
いかと確かめるために見直してしまいました。基礎データが良くありませんでした。この雇用統計から離れて
も、 6月の利上げは遠のいたと考えられます。今後1ヵ月半のデータが強く、コア個人消費支出(PCE)デフ
レーターが堅調であれば、FRBが7月に利上げを実施する可能性もありますが、より現実的なのは12月に1
度だけ0.25%引き上げるということを想定しています。
あらゆる分野で悪いデータ
5月の軟調な雇用統計に加えて、4月のデータも下方修正されました。4月の総労働時間や給与は比較的
堅調でしたが、双方ともに下方修正されてしまいました。5月の数字は3.5万人の新規雇用を消失させた
ベライゾン社のストライキが要因の一部となっていますが、これが無かったとしても、とても弱いものでした。
5月の失業率は5%から4.7%に低下しましたが、これは多くの人が職探しをあきらめ、労働力として計上され
なくなったことによるものです。結果として、就労率は最近の上昇傾向が反転して62.8%から62.6%へ低下し
ました。
5月の新規雇用の構成をみると、3.8万人の新規雇用のうち3.1万人は低賃金のレジャー、小売、生活支援
分野となっています。5月の平均時給は、ほぼ横ばいで前月比0.2%の上昇でした。一方、パートタイム労働
者数は46.8万人と大きく増加しました。
出所: 1アメリカ合衆国労務省労働統計局「労働統計概要」(2016年6月3日)
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ご参考資料
(投資環境レポート)
次回利上げは12月の可能性
イギリスのEU離脱に関する国民投票(6月23日)の世論調査が賛否拮抗していることに加えて、5月の低調
な雇用統計を受けて、FRBが次回会合(6月15日)において、私どもがこれまで予想してきた利上げを見送る
公算が高くなっています。雇用統計につながるデータはまちまちで、製造業の業績は軟調ですが、個人
消費は引き続き堅調です。もし、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までに経済指標が強くなり、コアPCE
デフレーターがFRBの2%目標を上回れば、FRBが7月に利上げを実施する可能性は残っていますが、堅調
な指標が期待できる材料が乏しいことに加えて、記者会見の伴わないFOMCでの利上げには消極的である
と考えられることから、あまり可能性は高いとは言えません。
より可能性の高いと考えられるケースは、FRBが12月まで利上げを待つということです。6月以降で記者会
見を伴うFOMCは9月に開催されますが、米国大統領選挙の直前月ということで利上げを控えるのではな
いかと考えられます。私どもは、従来、年内2回の利上げを予想していましたが、現時点では12月に1回の
利上げ実施に予想を修正しています。
FRBが7月あるいは12月のいずれに利上げを実施しようと、私どもは、最終的には米ドルが強くなると予想
しています。5月の雇用統計結果を受けて6月の利上げ可能性が急低下したため、大きく米ドル安となりまし
た。人民元は米ドル相場に概ね固定されていることから、人民元も弱含む一方で、円とユーロに上昇圧力
がかかりました。米ドルと人民元が下落した状態が続けば、日本銀行および欧州中央銀行(ECB)は自国
通貨安を図るために、更なる金融緩和を実施する可能性があります。相対的に強い米ドルは米国の成長に
は重荷となり、FRBが金融政策の正常化を図ることへの逆風となるでしょう。
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株式会社と合併し、商号等を変更する予定です。くわしくは下記変更点をご覧ください。
1.変更日
2016年7月1日
2.変更点
項目
変更後
変更前
商号
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マニュライフ・インベストメンツ・ジャパン株式会社
登録番号
関東財務局長(金商)第433号
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