拡大するJ-REIT市場~高まる存在感、時価総額、物件用途の広がり

2015年4月2日
拡大するJ-REIT市場
~ 高まる存在感、時価総額、物件用途の広がり ~
J-REITは、2001年9月に2銘柄(時価総額0.26兆円)が上場しスタートしました。その後、市場は大きく拡大し、
2015年2月末時点の時価総額は10.8兆円となっています(図1)。昨年12月末の時価総額は、オーストラリアREIT
を市場発足以来初めて上回りました。従来、市場規模が小さいことが投資の難点との指摘もあったJ-REIT市場
も、今や米国に次ぐ世界2位の規模となり、存在感を高めています(図2)。
(図1)J-REITの銘柄数と時価総額の推移
12
10
(2001年9月末~2015年2月末、月次) (銘柄)
(兆円)
約13年間で時価総額10.8兆円
50銘柄まで拡大(2015年2月末現在)
(2015年2月末現在)
60
フランス
4.8%
その他
英国
8.9%
6.3%
オーストラリア
7.6%
50
40
8
6
(図2)先進国REIT指数の時価総額構成比率
銘柄数(右軸)
30
20
4
2
時価総額(左軸)
10
日本が
日本がオーストラリ
オーストラリアを
アを抜き、REIT第2
抜き、REIT第2位の
位の市場規模に
日本
7.7%
米国
64.7%
市場規模に
0
0
01/9
03/9
05/9
07/9
09/9
11/9
13/9(年/月)
(出所)東京証券取引所および一般社団法人不動産証券化協会のデータを基に
三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
※構成比率は端数処理の関係で合計値が100%とならない場合があります。
(出所)S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのデータを基に三井住友トラスト・
アセットマネジメント作成
J-REITの上場銘柄数は、42銘柄まで増加した後、リーマンショック等の影響により一時33銘柄まで減少しまし
たが、市場環境が回復してきた2012年からの新規上場、公募増資により急成長を遂げ、2015年2月末時点で、
50銘柄となっています。
従来、J-REITが保有する物件はオフィス、賃貸住宅、商業施設が中心でしたが、近年、物流体制の効率化やコ
スト削減を目的とした物流アウトソーシング需要の拡大から物流施設を投資対象とするJ-REITが複数上場し存
在感を高めました。また、高齢化社会に対応したヘルスケア施設を主要投資対象とするヘルスケアREITが新規
上場するなど、投資物件も時代の変化を反映し多様化しています(図3)。
J-REITが保有する物件は約13兆円(2015年2月末時点、取得価格)に上りますが、その所在地は主に東京、大
阪、名古屋などの三大都市圏に立地しています。特に東京都心主要5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋
谷区)に所在する物件はJ-REIT全体の約4割程度を占めており(図4)、個人では投資が難しい好立地の不動産
をJ-REITを通じて保有できることも、J-REIT投資の魅力の一つになっています。
(図3)J-REIT保有物件の用途別構成比(取得価格ベース)(図4)J-REIT保有物件の地域別構成比(取得価格ベース)
ヘルスケア
0.3%
ホテル
3.4%
物流
その他
3.1%
(2015年2月末現在)
10.0%
物流をはじめ、
ホテル、ヘルスケア
など多様化
住居
17.3%
商業施設
18.7%
オフィス
47.2%
北海道・
東北地方
2.8%
九州地方
3.9%
北陸・中部
近畿地方
地方
13.0%
4.5%
東京23区
18.2%
(2015年2月末現在)
中国・四国
地方
1.1%
東京都心
主要5区
37.5%
関東地方
19.0%
千代田区(大手町
等)、中央区(銀座、日
本橋等)など都心5区
の物件を中心に保有
※東京都心主要5区:千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区
※東京23区:都心主要5区以外
(出所)三井住友トラスト基礎研究所のデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
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