情報提供資料 マーケットレポート 2014年4月18日作成 J-REIT市場の今後の見通しについて ∼不動産市況、GPIF∼ 今回のポイント オフィス仲介大手発表の市況データによると、賃料底入れの兆しが見られています。地区によってば らつきがみられ、都心全体でみると底入れに向けての足固めの時期とみられます。NISA(少額投資 非課税制度)をきっかけに、投資口の小口化が進む中、不動産市況の好転とあいまって、J-REIT市 場への資金流入は当面堅調に推移すると考えられます。 4月4日、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が国内株式運用部分の見直しに伴い、J-REIT (不動産投資信託)も投資対象に加えることを発表しました。日銀の買入れに続き、年金資金による J-REIT投資が拡大した場合には長期的には大きな意味を持つと考えられます。 東京都心5区 オフィス平均賃料と空室率 オフィス賃料が本格改善の兆し (2009年1月∼2014年3月) 4月10日、オフィス仲介大手の三鬼商事が発表 したデータによると、オフィスビルの賃料水準の 改善が見られはじめています。 東京(都心5区)の3月末の平均オフィス空室率 は6.7%(前月比-0.31%)、平均賃料は16,325円 (前月比+75円)と3カ月連続で改善しています。 27,000 【賃料】 (円/坪) 25,000 千代田区 渋谷区 23,000 港区 中央区 新宿区 21,000 東京都心5区の中でも著しい改善を見せている 渋谷区では、空室率が3月末で4.21%となり、賃 料の反転上昇への目安とされる5%を下回りまし た。また、千代田区も3月末の空室率は5.41%と なり、5%割れまでもう一息というところまで順調に 改善しています。渋谷区、千代田区といった人気 エリアのオフィスビルでは、賃料の引き上げ交渉 を始めたところもある模様で、今後改善基調はよ り鮮明になってくると期待されます。しかし、一方 で、港区の空室率は8.11%にとどまるなど、同じ 都心に位置するオフィスビルといえども改善には ばらつきがみられ、都心全体でみると底入れに 向けての足固めの時期とみています。 19,000 2014年1月より始まったNISAをきっかけに、投資 口の小口化が進む中、個人投資家の投資機運 が高まりやすい状況と不動産市況の好転があい まって、J-REIT市場への資金流入は当面堅調に 推移していくと考えられます。 4 17,000 15,000 13,000 09/1 14 10/1 11/1 12/1 13/1 【空室率】 (%) 14/1 (年/月) 12 10 8 6 2 港区 中央区 新宿区 千代田区 渋谷区 0 09/1 10/1 11/1 12/1 13/1 14/1 (年/月) ※東京都心5区は、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区。 (出所:三鬼商事のデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成) ※上記は、将来の市場動向を示唆・保証するものではありません。※巻末のご注意事項等を必ずご確認ください。 商 号 等 / DIAMアセットマネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 1/3 140418情報J-REIT市場-1 情報提供資料 マーケットレポート GPIFがJ-REITを投資対象に GPIFの運用資産額と構成割合 (2013年12月末時点) 4月4日に、公的年金を運用管理するGPIFが国 内株式運用部分の見直しに伴い、新たなインデッ クス(指数)の追加を行いました。インデックス運用 の多様化を通じ「(運用における)質的な変革を目 指す」としています。そして、インデックスの追加を 通じて「パッシブ運用」ならびに「アクティブ運用」 での投資対象にJ-REITが含まれると発表しまし た。日銀黒田総裁が2%の物価目標を掲げたこと で、デフレ脱却とともに将来的な金利上昇が見込 まれる中、GPIFは国内債券の比率の引き下げと 収益の向上を求められており、今回の追加もこう いった動きに対応したものとみられます。 今回のパッシブ運用における採用インデックス 見直しでは、従来から採用されている「TOPIX(東 証株価指数)」に加え、「JPX日経インデックス400」、 「MSCI Japanインデックス」、「Russell/Nomura Primeインデックス」を追加しています。 短期資産, 1.8% ,2.3兆円 外国株式, 15.2% 19.5兆円 外国債券, 10.6% 13.6兆円 合計 128.6兆円 国内株式, 17.2% 22.1兆円 (出所:GPIF発表資料をもとにDIAMアセットマネジメント作成) 運用構成変更のイメージ図 【従来】 JPX日経400 TOPIX MSCI Japan パッシブ運用 パッシブ運用 (TOPIX) 【2014年4月4日発表】 インデックス運用 Russell Nomura Prime 伝統的アク ティブ運用 スマートベータ型アクティブ運用 伝統的アクティブ運用 アクティブ運用 J-REIT市場への影響については、GPIFの投資 開始時期、金額規模などが不明であり、すぐに大 きな影響はないとみられます。しかし、今回採用さ れた運用の中には構成銘柄にJ-REITが含まれる インデックスを運用目標にしているものもあるとみ られ、仮に今回のGPIFの動きに年金基金が追随 し、年金資金によるJ-REIT投資が拡大した場合に は日銀によるJ-REIT買入れと同様に大きな意味 を持つと考えられます。 国内債券, 55.2% 71.0兆円 (出所:GPIF発表資料をもとにDIAMアセットマネジメント作成) ※上記は、将来の市場動向を示唆・保証するものではありません。※巻末のご注意事項等を必ずご確認ください。 2/3 情報提供資料 マーケットレポート 3/3
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