2016年12月21日 J-REITを取り巻く環境 ~2018年以降、東京でオフィス供給の増加が見込まれるも、 東京五輪等が需要を喚起~ 2020年に向けての東京23区のオフィス需給の⾒通し 足もと、東京ビジネス地区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)のオフィス空室率は3%台で推移しており、需 給均衡の目安といわれる5%を下回る貸し手優位の状況が続いています。しかし、2018年以降、大手町をはじめとする 都心部の大規模オフィスビルが竣工予定であり、オフィス需給を懸念する声も一部では聞こえています。 (図1)東京23区の⼤規模オフィス新規供給量の推移 東京23区の⼤規模オフィス供給について 東京23区の過去の大規模オフィス新規供給量を見 て み る と 、 2003 年 の 216 万 ㎡ 、 2006 年 の 154 万 ㎡ 、 2012年の175万㎡の大量供給もありましたが、平均供 給量(1986年~2015年)は、103万㎡という水準でした。 2018年以降3年間の供給量は130万㎡前後と過去の 平均供給量を上回る水準が2018年以降3年継続する と見込まれています。 ⽇本不動産研究所による市況予測について 不動産シンクタンク、日本不動産研究所による東京ビ ジネス地区の空室率と賃料指数予測によると、2017年ま では空室率は低下傾向、賃料は上昇傾向が続きます。 2018年以降、空室率は若干上昇するものの、需給均衡 の目安といわれる5%を下回る状況が続き、賃料はやや 下落するものの、2020年の水準は115ポイントと2016年 の111ポイントを上回る水準で推移すると予測されており、 良好な状況が続くという見通しとなっています。 今後のオフィス需要増加期待とJ-REIT 2018年以降のオフィス新規供給量の増加には留意す る必要があるものの、一方でオフィス需要の増加も期待 されます。世界の都市総合力ランキングにおけるランク アップでも裏付けられる通り、現在の東京は五輪開催を 控え様々なインフラ整備が進み、国内外からの人の流入 も活発です。また、小池都知事は公約のなかで、東京を アジアナンバーワンの国際金融市場として復活させるこ とを掲げており、こうした構想の実現により東京における さらなる雇用増、人口流入に繋がる可能性があります。 J-REITの主要投資先である東京オフィス市場は、今後 供給面だけでなく需要面でも変化が見込まれます。良好 な需要が続くこととなれば、足もとのJ-REITの増益基調 が続き、市場を下支えすることが期待されます。 (2000年~2020年、年次) (万m2) 250 216 ■供給量(実績) ■供給量(予定) 1986~2015年の平均 供給量103万㎡/年 200 2016年以降の平均 供給量114万㎡/年 175 154 150 125 121 119 117 109 102 91 100 72 86 85 77 139 137 124 87 65 69 58 50 0 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 (年) (出所)森ビルのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成 (図2)東京ビジネス地区の空室率と賃料指数の推移 (2010年~2020年、年次) (%) 10 予測値 117 117 116 115 8 111 120 空室率(右軸) 110 8.9 9.0 8.7 賃料指数(左軸) 7.3 100 100 100 90 92 95 104 6 5.5 92 4.0 ※賃料指数は2010年を100で指数化 3.7 3.6 16 17 4.0 4.4 80 10 11 12 13 14 15 18 19 4.6 4 2 20 (年) (出所)日本不動産研究所のデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成 (図3)世界の都市総合⼒ランキングの総合順位 (2016年版) 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 カッコ内は2015年版の総合順位 (1位) ロンドン (2位) ニューヨーク (4位) 東京 (3位) パリ (5位) シンガポール (6位) ソウル (7位) 香港 (9位) アムステルダム (8位) ベルリン (10位) ウィーン (出所)森記念財団都市戦略研究所のデータを基に三井住友トラスト・アセット マネジメント作成 ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料は、三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的とした 1/4 ものでもありません。当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 1/2 【 ご留意事項 】 ●当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したもので あり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断 ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価 額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益は 全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではあり ません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するもので はありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示 唆あるいは保証するものではありません。 ●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発 元もしくは公表元に帰属します。 当資料は、三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引 の勧誘を目的としたものでもありません。 2/4 2/2
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