基礎物理学演習 (後期 第6回) 担当:岡林潤 1. (1) 半径 a の円形コイルの中に、長さ 2a 、断面積 S (<< πa 2 ) 、単位長さあた りの巻き数 N 0 の細い円筒型ソレノイドがある。円形コイルとソレノイドの 中心軸が共通しているときの相互インダクタンスを求めよ。 (2) 半径 b の薄い円筒導体と、半径 a (< b) の円筒導体(中心軸は共通)から なる同軸ケーブルがある。これらの導体表面に、一様な表面電流 i が逆方向 に流れるとき、長さ l あたりの自己インダクタンスを求めよ。 2. 抵抗 R 、自己インダクタンス L 、起電力 V の電池が、図の ように直列につないである。 (1)スイッチ S を A 側に倒した後の回路に流れる電流 i の 時間変化を調べよ。 (2)回路に流れる電流が I 0 = V / R に達した後、スイッチ S をすみやかに B 側につないだ。回路に流れる電流が 1 / e になるまでの時間を求めよ。 3. 図の回路に、電源( V (t ) = V0 cos ωt )の角振動数 ω と同じ角振動数を持つ電流が流れている。 I1 , I 2 を 求めよ。また、電流の比 r12 = I 2 / I1 の角振動数の依 存性を調べよ。 R i V L B A S L L I1 I2 C 4. 電荷保存則(連続の式) G ∂ρ divj + =0 ∂t G G G と、Gauss の定理 divD = ρ から、アンペールの法則 rotH = j を修正して、変 位電流を考慮した式 G G G ∂D を導け。 rotH = j + ∂t 5. 半 径 a の 極 板 が 、 間 隔 d 離 れ た 平 行 版 コ ン デ ン サ ( 誘 電 率 ε 0 ) に 、 V (t ) = V0 sin ωt の交流電圧を加えた。極板間に生じる変位電流と磁束密度を求 めよ。 6. (1) 真空中での 4 つの Maxwell 方程式から、波動方程式 G G G 2 G 1 ∂2E G 2 G 1 ∂2B を導け。 ∇ E= 2 2 , ∇ B= 2 2 c ∂t c ∂t (2) 誘電率 ε 、透磁率 μ 、電気伝導率 σ が一様で、電荷のない媒質中を伝わ る電磁波が満たす微分方程式を導け。 (3) z 方向に進む電磁波について、 E x = g x ( z − ct ) + hx ( z + ct ) , E y = g y ( z − ct ) + hy ( z + ct ) が、それぞれ、波動方程式 ∂ 2 Ex 1 ∂ 2 Ex , = 2 ∂z 2 c ∂t 2 ∂2Ey ∂z 2 2 1 ∂ Ey = 2 c ∂t 2 を満たすことを確かめよ。このとき、 Bx , B y を求めよ。 G G GG G (4) 平面電磁波の電場を複素数表示にて E = E0 ei ( k ⋅r −ωt ) ( E0 :定ベクトル)と G 表すとき、 divE = 0 より電場ベクトルは横波であることを示せ。 レポート問題 6-1 図の回路にて、スイッチ S を A 側に倒した後のコンデンサ に蓄えられる電荷 Q の時間変化を求め、グラフにせよ。た だし、最初にコンデンサに電荷は蓄えられていないものと する。その後、スイッチを B に倒した際の振る舞いも調べ よ。 R i V レポート問題 6-2 図の回路に、電源( V (t ) = V0 cos ωt )の角振動数 ω と 同じ角振動数を持つ電流が流れている。I1 , I 2 を求めよ。 C B A S C C I1 I2 L また、電流の比 r12 = I 2 / I1 の角振動数の依存性を調べ よ。 レポート問題 6-3 図のような、無限に長い直線状の導線 l と、辺の長さが a , b の長方形の回路 ABCD が同じ平面状に置かれている。相互イン ダクタンス M を求めよ。ただし、長さ a の辺 AB は l に平行で あり、 l から x の距離にあるとする。 A B a x D b C l レポート問題 6-4 今までの演習問題で、理解できなかった部分を具体的に挙げてください。 (次回の演習で解説します。)
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