基礎物理学演習 (後期 第5回) 担当:岡林潤 G G 1. マグネトロン内では、電子は E = ( − ax,− ay ,2az ) ( a > 0 ), B = (0,0, B0 ) の電磁 場内を運動している。電子の運動を求めよ。ただし、電子の質量を m 、電荷を − e とし、 B02 > 4ma / e とせよ。 2. 長さ l の 2 本の同一の小磁石を磁気モーメント m ( m = Qml )の向きをそろえて r ( r >> l ) の距離を隔てて置く。各磁気双極子の中点を結ぶ直線と m が同一のと き、両者が及ぼしあう力を求めよ。また、各磁気双極子の中点を結ぶ直線と m が 直交する場合、両者が及ぼしあう力を求めよ。 G G 3. 磁気モーメント m ( m = Qml ) の小磁石の中心を原点、磁軸( m の方向)を x 軸とするとき、原点からの極座標表示 (r ,θ ) で表される点における磁場 H r , H θ を求めよ。また、磁場の x 成分がゼロとなる θ を求めよ。 4. 長さ l , 質量 M の棒磁石をその S 極を回転軸として、回転軸に直交する一様 な磁束密度の磁場(磁束密度の水平成分を Br , 垂直成分を Bv とする)の中に置 いた。この棒磁石が鉛直に対して θ の角度でつり合ったときの、棒磁石の磁気モ ーメントを求めよ。ただし、磁石の磁荷は ± Qm 、重力加速度を g とせよ。 5. 半径 a 、比透磁率 μ r の磁性体球が一様な磁場 H 0 の中に置かれている。磁性 体球が磁化されることにより、球内部には一様な磁場 H が生じるものとする。 また、球外の磁場は、外部磁場 H 0 と球の中心にある磁気モーメント m の磁気双 極子による磁場の和として扱うことができるとする。磁性体の境界面での境界 条件から、 H と m の大きさを求めよ。 6. 半径 a 、長さ l の導体円柱の側面に電荷 − Q が一様に帯電している。円柱が中 心軸の周りに一定の角速度 ω で回転するときの磁気モーメントの大きさを求め よ。半径 a の球を回転させた場合の磁気モーメントも求めよ。 7. (1) 半径 a , 長さ l の円筒を、軸に直角な磁束密度 B の一様磁場内で、軸の周り に角速度 ω で回転させた。円周上の長さ l 方向の両端に発生する誘導起電力 を求めよ。 (2) 磁束密度 B の一様な磁場の中に、回転軸が磁場と直角になるように長方形 コイルが置かれている。このコイルを一定の角速度 ω で回転するとき、コイ ルに発生する誘導起電力を求めよ。ただし、コイルの面積を S 、巻き数を N とする。 (3) 磁束密度 B の一様な磁場中に、半径 a の円板がその面と磁場が直交するよう に置かれ、中心軸の周りに角速度 ω で回転している。発生する誘導起電力を 求めよ。 (4) 軸対称な磁束密度 B の磁場を時間 t と共に増加させるとき、誘導起電力によ って電子を半径 r が一定の状態のまま加速するための条件を求めよ。 レポート問題 5-1 磁束密度 B の一様な磁場に、初速度 v 、質量 m 、電荷 − e の電子が磁場と垂直に 入射した。電子の運動を調べよ(円運動することを示し、中心座標、半径、周 波数、周期を求めよ)。 レポート問題 5-2 G 電場 E = ( ax, ay ,0) a > 0 の場の中で電子が引力を受けて xy 面内で単振動をして G いる。これに外部から磁束密度 B = (0,0, B0 ) の磁場をかけたとき、振動が 2 つに 分離することを示せ。 レポート問題 5-3 磁束密度 B0 の一様な磁場の中に、透磁率 μ の無限に広 い厚さの平板を、その法線が B0 と θ 0 の角度をなすよう に置いた。磁性体中の磁場の強さを求めよ。 θ0 B0 μ0 μ レポート問題 5-4 磁束密度 B の一様な磁場中に、磁気モーメント m の棒磁石を水平になるように 糸でつるし、糸のまわりに微小振動させるときの周期を求めよ。ただし、磁石 の回転軸のまわりの慣性モーメントを I とする。 レポート問題 5-5 磁束密度が B = B0 cos ωt で時間的に変化し、空間的には一様な磁場がある。この 中で、面積 S の一巻きコイルを、磁場に垂直な軸の周りに磁場の変化と等しい角 速度で回転するとき、コイルに発生する誘導起電力を求めよ。
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