ご参考資料 マーケットフォーカス(アジア市場) 2015年3月号 2015年3月11日 経 済 各国の消費者物価指数上昇率(前年同月比)の推移 各国の実質GDP成長率(前年同期比)の推移 (%) (2011年10‐12月期~2014年10‐12月期、四半期) 20 (2012年2月~2015年2月、月次) (%) 12 10 インドネシア マレーシア タイ フィリピン シンガポール 中国 8 10 0 ‐10 11/4Q インドネシア フィリピン シンガポール 12/2Q 12/4Q 13/2Q 13/4Q マレーシア タイ 中国 14/2Q 14/4Q 各国の政策金利の推移 (%) 10 8 6 6 4 4 (2012年2月~2015年2月、月次) インドネシア マレーシア タイ 中国 フィリピン 2 2 0 ‐2 12/2 12/8 13/2 13/8 14/2 (年/期) 14/8 15/2 (年/月) ※シンガポール、マレーシア、中国は2015年1月までのデータを 使用 【前月の市場概況】 中国では、引き続き景気指標が景気減速を示唆しました。2月の政府発表の製造業PMI(購買担当者 指数)は2ヵ月連続で景気判断の分かれ目となる50を下回りました。1月の貿易統計では輸出・輸入ともに 前年水準を下回ったほか、消費者物価指数は前年同月比で5年2ヵ月ぶりの低い伸びとなりました。中国 人民銀行は2月4日に約2年9ヵ月ぶりとなる銀行の預金準備率引き下げを決定、28日には約3ヵ月ぶりに 追加利下げを決定しました。 アセアン主要国の2014年10-12月期の実質GDP(国内総生産)成長率はまちまちとなりました。イ ンド ネシ アは2014年通年で+5.02%と5年ぶりの低成長となり、タイ では消費や輸出の回復の遅れから、2014 年通年の成長率は+0.7%と大洪水による被害が拡大した2011年以来の低い伸びとなりました。一方、マ レーシ ア は10-12月期に民間の消費・投資が予想以上に加速し2014年通年で+6.0%と4年ぶりの高成長 となりました。 こうしたなか、イ ンドネシ ア では、原油安による先行きのインフレ沈静化を見越し、予想外の利下げが 実施されました。 0 12/2 12/8 13/2 13/8 14/2 14/8 15/2 (年/月) ※インドネシア:BI金利、マレーシア:翌日物政策金利、 フィリピン:翌日物借入金利、タイ:翌日物レポ金利、 中国:1年物貸出基準金利を使用 【今後の見通し】 中国では3月5日に国会に相当する全人代(全国人民代表大会)が開催され、 2015年のGDP成長率目標が前年までの7.5%から7%前後に引き下げられまし た。習近平政権が成長率の鈍化を「新常態」として容認しており、先行きも小刻み に景気刺激策や金融緩和を行うことで構造改革と景気安定の両立を目指す方針 と見られることから、中国では緩やかな景気減速が続きそうです。 他のアジア新興国では、引き続きフィリピン、イ ン ドでは相対的に景気が底堅 く推移する見込みです。イ ンドネシ ア では原油安によるインフレ沈静化や貿易収 支の改善、タ イ では政府によるイ ンフラ投資の進捗などから、徐々に景気回復 ペースが速まるものと期待されます。一方、マレーシ アは原油安による歳入の減 少や4月からの物品・サービス税の導入が景気の重石となりそうです。韓 国 、台 湾、シンガポールなど輸出依存度の高い国では緩やかな景気回復が続く見通 しです。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 1/5 ご参考資料 株 式 REIT 各国の株価指数の推移 各国のREIT指数の推移 (2012年2月末~2015年2月末、日次) 180 (2012年2月末~2015年2月末、月次) インドネシア 140 100 マレーシア 220 韓国 200 台湾 180 中国 160 インド 140 フィリピン 120 タイ 100 シンガポール 香港 60 12/2 240 香港 80 12/2 12/8 シンガポール 13/2 マレーシア 13/8 日本 14/2 14/8 15/2 (年/月) 13/2 14/2 15/2 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。使用している指数については4ページをご覧ください。 【前月の市場概況】 2月のアジア株式市場は全面高となりました。 ウクライナの停戦合意、ギリシャの金融支援延長合意や欧米株式の高値更新などで市場 心理が改善したほか、原油安を背景とした景気回復期待も市場を下支えしました。利上げ観 測が後退したフィリピン、予想外の利下げが実施されたイ ンド ネシ ア が連日で史上最高値 を更新し、台湾は主力ハイテク株が牽引し一時約7年4ヵ月ぶりの高値をつけました。上 海総 合指数は売り先行となったものの、中国当局による金融緩和や構造改革への期待から上昇 に転じました。イ ン ドは銀行の不良債権増加や地方選挙での与党敗退が嫌気されたもの の、月末発表の新年度予算案で経済構造改革が進捗するとの期待から反発しました。 【今後の見通し】 アジア株式市場は底堅い推移が見込まれます。 各国市場とも高値警戒感は根強いものの、3月はECB(欧州中央銀行)による量的金融緩 和の拡大が開始され、市場でのリスク志向が強まりやすく、3月17-18日のFOMC(米連邦公 開市場委員会)で過度に米国の利上げ観測が高まらなければ底堅い推移が期待できそうで す。中国では引き続き追加金融緩和を含む政策期待が株価を下支えするものと見込まれま す。 ※グラフ開始日を100として指数化。各国・地域のREIT指数は、S&P REIT指数(現地通貨建て、 配当なしベース)の各国・地域のインデックスを使用。 【前月の市場概況】 2月のアジアREIT市場はまちまちとなりました。 香港、シンガポール市場では米金利上昇の影響を受けて長期金利が上昇傾向となったこと から、ともに不安定な動きとなりました。香港市場は下落したものの、シ ンガ ポー ル市 場で は賃料の市況改善などから上昇しました。 【今後の見通し】 アジア各国の長期金利は、先進国各国およびアジア域内の金融緩和政策維持を背景に、 大幅に上昇する可能性は低いと考えられます。アジ アREITの配当利回り水準と長期金利の 利回り格差は引き続き魅力的な水準にあります。短期的な市場の動きは長期金利の動向に 左右されると予想されますが、中長期的にはアジア経済の成長を背景として、ア ジアREIT市 場は上昇すると期待されます。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 2/5 ご参考資料 債 券 為 替 各国の国債利回りの推移 各国の為替の推移(対円) (2012年2月末~2015年2月末、日次) (%) 12 インドネシア タイ 10 マレーシア シンガポール (2012年2月末~2015年2月末、日次) フィリピン 180 インドネシア・ルピア 160 タイ・バーツ シンガポール・ドル 8 6 4 140 マレーシア・リンギット 120 中国・人民元 香港ドル 2 0 12/2 12/8 13/2 13/8 14/2 14/8 15/2 (年/月) ※10年国債の利回り。 100 インド・ルピー 80 フィリピン・ペソ 12/2 12/8 13/2 13/8 14/2 14/8 15/2 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。 【前月の市場概況】 2月のアセアン主要国の国債利回りはまちまちとなりました。 原油安によるインフレ沈静化を受けて利上げ観測が後退したフ ィリ ピンや、予想外の利下 げが実施されたイ ンドネシ ア の利回りが低下(価格は上昇)しました。一方、マ レ ーシ ア で は1月のインフレ率が大きく減速したものの、2014年10-12月期の実質GDP成長率が市場予 想を上回ったこともあり、利回りは小幅上昇しました。シ ン ガポ ールは米長期金利の動向の 影響が強く、月後半に利回りが大幅に上昇しました。 【前月の市場概況】 2月のアジア通貨は対円ではインドネシア・ルピアを除いて上昇しました。 1月の米雇用統計の改善を受けて先行きの米国の利上げが意識され、低金利通貨である 円に対してアジア通貨が総じて底堅い推移となりました。こうしたなか、イ ンドネシ アが予想 外に政策金利を引き下げたことでイ ンドネシ ア ・ルピアへの売りが加速しました。イ ンドネシ ア中央銀行が「経済成長を優先させて、一定の通貨安は容認する方針」との見方が広がりま した。 【今後の見通し】 アセアン主要国の国債市場はもみ合い推移が見込まれます。 ECBによる量的金融緩和の拡大が開始されることは、欧州と比べて相対的に利回り水準の 高いアセアン主要国の国債市場にとっても下支え要因となる一方、米国の長期金利が上昇 する局面では利回りは上振れしやすいものと見られます。イ ンド ネシ ア は原油安を受けて2 月のインフレ率が一段と鈍化したものの、通貨安傾向を背景に追加利下げ観測がやや後退 しており、国債利回りは横ばい圏での推移が続きそうです。 【今後の見通し】 アジア通貨は対円でもみ合い推移が見込まれます。 3月17-18日開催のFOMCで米国のフォワード・ガイダンス(将来の金融政策指針)が変更さ れるのか注目されます。米国の利上げ観測が過度に高まらない場合は、ECBの量的金融緩 和の拡大が開始されるなか為替市場でもリスク志向が強まりやすいため、アジア通貨が上昇 する場面も予想されます。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 3/5 ご参考資料 アジア市場の主な指標(2015年1月末~2015年2月末、月次) 【株式・REIT】 【国債利回り】 国 1 月末 前月末比 指数名 中国 上海総合指数 3.11% インドネシア 7.062% 7.168% ▲0.106 香港 ハンセンH株指数 3.97% マレーシア 3.869% 3.831% 0.038 台湾 加権指数 2.78% フィリピン 3.955% 4.034% ▲0.080 韓国 韓国総合株価指数 1.87% タイ 2.651% 2.616% 0.035 インド ムンバイSENSEX指数 0.13% シンガポール 2.235% 1.880% 0.355 シンガポール ストレートタイムズ指数 0.34% マレーシア FTSEブルサマレーシア KLCI指数 2.24% インドネシア ジャカルタ総合指数 3.04% タイ SET指数 0.36% 通貨( 単位: 円) フィリピン フィリピン総合指数 0.53% 中国・人民元 19.07 18.93 0.74% 香港 S&P香港REIT指数 ▲3.79% 香港ドル 15.38 15.25 0.85% シンガポール S&PシンガポールREIT指数 0.93% インド・ルピー 1.95 1.93 1.04% マレーシア S&PマレーシアREIT指数 1.67% インドネシア・ルピア 0.93 0.95 ▲2.11% シンガポール・ドル 87.85 87.45 0.46% マレーシア・リンギット 33.11 32.59 1.60% タイ・バーツ 3.68 3.61 1.94% フィリピン・ペソ 2.71 2.68 1.12% ※S&P REIT指数は現地通貨建て、配当なしベースを使用 月間騰落率 2 月末 国 ※10年国債の利回りを使用 【為替】 2 月末 1 月末 月間騰落率 ※インドネシア・ルピアは100ルピア当たりのデータ 【当資料の掲載内容について】 ※当資料に掲載している表やグラフは、信頼できると判断したデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成しています。 ※当資料に掲載している見通しは、レポート作成時点における三井住友トラスト・アセットマネジメントの見通しであり、将来の運用成果を保証するものではありません。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 4/5 ご参考資料 【ご留意事項】 ●当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるもの ではありません。ファンドの運用による損益は全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではありません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保 護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示唆あるいは保証するものではありません。 ●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発元もしくは公表元に帰属します。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 5/5
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