ご参考資料 マーケットフォーカス(アジア市場) 2016年2月号 2016年2月10日 経 済 各国の消費者物価指数(前年同月比)の推移 各国の実質GDP成長率(前年同期比)の推移 (%) (2012年10‐12月期~2015年10‐12月期、四半期) 20 (2013年1月~2016年1月、月次) (%) 12 10 各国の政策金利の推移 インドネシア マレーシア タイ フィリピン シンガポール 中国 8 10 0 (%) 10 8 6 6 4 4 (2013年1月~2016年1月、月次) インドネシア マレーシア タイ 中国 フィリピン 2 ‐10 12/4Q インドネシア タイ 13/2Q 13/4Q マレーシア シンガポール 14/2Q 14/4Q フィリピン 中国 15/2Q 2 0 15/4Q ‐2 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 (年/期) ※マレーシア、タイは2015年7-9月期までのデータを使用 15/7 16/1 (年/月) ※シンガポール、マレーシア、中国は2015年12月までのデータを使用 【前月の市場概況】 中国では2015年10-12月期の実質GDP(国内総生産)成長率が前年同月比+6.8%となり、7-9月期の 同+6.9%から減速しました。12月分の指標では民間発表分の製造業PMI(購買担当者指数)が前月比で 低下し、鉱工業生産や小売売上高も単月の伸びが鈍化するなど、依然として景気は減速基調にある模 様です。1月7日には中国人民銀行が対米ドルの人民元基準値を約4年9ヵ月ぶりの元安水準に設定した ことで、「中国当局が元安誘導をはかっている」「中国からの資金流出が加速している」といった不安が金 融市場で高まる場面もありました。 アセアン主要国ではフ ィリ ピン、シ ン ガ ポー ルの2015年10-12月期実質GDP成長率が発表されまし た。フィリピンはサービス業が底堅く推移したほか旺盛な個人消費が支えとなり、前年同期比+6.3%と1 年ぶりの高成長となりました。シ ンガポールは同+2.0%と前期の同+1.8%から小幅に伸びが加速しまし た。電子機器やリグ(石油掘削装置)など製造業は不振が続いたものの、建設業が堅調に推移しました。 各国ともインフレ率は総じて落ち着いた状況が続きました。イ ン ドネ シ ア は12月の消費者物価指数の 伸び率が前年同月比で6年ぶりの低い伸びとなり、インドネシア中央銀行は政策金利を11ヵ月ぶりに引き 下げました。 0 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 (年/月) ※インドネシア:BI金利、マレーシア:翌日物政策金利、 フィリピン:翌日物借入金利、タイ:翌日物レポ金利、 中国:1年物貸出基準金利を使用 【今後の見通し】 中国の1月の製造業PMIは政府発表分が3年5ヵ月ぶりの低水準に下落しまし た。民間発表分は前月比で上昇したものの、11ヵ月連続で景気判断の分かれ目 となる50を下回りました。全体として鉄鋼など重厚長大産業を中心に製造業の減 速が続く状況に変化は見られない模様です。先行きはリストラの動きなども懸念 されるものの、足もとでは賃金上昇が続いており、個人消費は底堅い推移が見 込まれます。生産や固定資産投資などの主要統計は、春節(旧正月)休暇による 振れを勘案して1-2月分累計で3月に発表されるため、足もとの景気の見極めに は時間を要しそうです。 アセアン主要国は中国の景気減速や商品市況の低迷が輸出の重石となるも のの、低インフレ率などを背景とした底堅い個人消費、また政府による公共投資 などを中心に内需が景気回復を下支えする見込みです。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 1/5 ご参考資料 株 式 REIT 各国の株価指数の推移 各国のREIT指数の推移 (2013年1月末~2016年1月末、日次) 220 (2013年1月末~2016年1月末、月次) インドネシア マレーシア 韓国 180 台湾 中国 140 インド フィリピン タイ 100 シンガポール 香港 60 13/1 14/1 15/1 180 香港 シンガポール マレーシア 日本 160 140 120 100 80 60 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 ※グラフ開始日を100として指数化。使用している指数については4ページをご覧ください。 【前月の市場概況】 1月のアジア株式市場は、先行きの中国経済への不安や原油価格底割れへの懸念からリ スク回避志向が強まり、一時全面安の展開となりました。下旬は原油先物の反発や日欧の 金融緩和の動きから総じて下げ幅を縮小しました。 中国では人民元安を背景とした根強い資金流出懸念や、金融緩和期待の後退から個人投 資家の見切り売りが加速し、上海総合 指数は一時約1年2ヵ月ぶりの安値をつけました。他 の市場では、リグ関連銘柄株や香港財閥系銘柄が軟調に推移したシ ン ガポ ールの下げ幅 が大きくなりました。一方、利下げが好感されたイ ンドネシ ア 、消費マインドなど景気回復の 兆しが見られるタイ は月間で小幅上昇しました。 【今後の見通し】 アジア株式市場は、まちまちの動きとなりそうです。 米国では足もとの経済指標が低調である一方追加利上げ観測がくすぶっており、中国経済 の状況にも目立った変化が無いことなどから、アジア株式全般に水準を切り上げる展開は期 待しづらい見込みです。各国毎のファンダメンタルズ (経済の基礎的条件)やセクター間、銘 柄間での跛行色が強まると見られます。 16/1 (年/月) 16/1 (年/月) 15/7 ※グラフ開始日を100として指数化。各国・地域のREIT指数は、S&PグローバルREIT指数(現地 通貨ベース、配当込み)の各国・地域のインデックスを使用。 【前月の市場概況】 1月のアジアREIT市場では、シ ンガポール、香港が下落しました。 中国・人民元安など先行きの中国経済への不安や原油価格底割れへの懸念からリスク回 避志向が強まり、REIT市場でも売りが優勢となりました。シ ンガポールは一部のREITの決算 内容が良好であったことから月後半に買戻しの動きが広がり、相対的に小幅な下落となりま した。 【今後の見通し】 中国の景気減速への懸念に加えて、米国の追加利上げ観測がくすぶる一方、ア ジア 各国 で緩和的な金融政策が維持されることは、市場の下支えとなる見込みです。アジアREITの業 績自体は堅調に推移しており、REIT配当利回り、長期金利との利回り格差ともに魅力的な水 準にあります。先行きもグローバルな株式、債券市場の動向、各国の政策動向などによって 値動きの荒い展開が見込まれますが、中期的には堅調な業績動向が評価され上昇する展開 を予想します。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 2/5 ご参考資料 債 券 為 替 各国の国債利回りの推移 (2013年1月末~2016年1月末、日次) (%) 12 インドネシア タイ 10 各国の為替の推移(対円) マレーシア シンガポール (2013年1月末~2016年1月末、日次) 140 フィリピン インドネシア・ルピア タイ・バーツ 8 シンガポール・ドル 120 マレーシア・リンギット 6 中国・人民元 4 100 香港ドル 2 インド・ルピー 0 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 (年/月) ※10年国債の利回り。 【前月の市場概況】 1月のアジア債券市場では、概ね国債利回りが低下(価格は上昇)しました。 世界的な株安傾向が続くなか、ECB(欧州中央銀行)による追加金融緩和の示唆や日銀に よるマイナス金利の導入決定を背景に、アジア国債市場への資金流入が続きました。またイ ンドネシ ア では11ヵ月ぶりに追加利下げが実施されたこと、マ レー シ ア では中央銀行が市 中銀行の準備預金の法定準備率引き下げを決定したことが買い材料視されました。一方、 フィリピンは国債利回りが上昇(価格は下落)しました。同国では中央銀行総裁が金融政策 の維持を表明しているなか、通貨安を背景に外国人投資家などの国債売りが強まった模様 です。 【今後の見通し】 アジア国債利回りは、やや低下方向での推移が見込まれます。 原油ほか資源価格の低迷などを背景に各国ともイ ンフレ率は総じて落ち着いていること、 ユーロ圏での追加金融緩和観測や日銀のマイナス金利導入を背景に先進国の国債利回り が低位で推移していることなどから、アジ ア国債も利回りが上昇しづらい環境が続きそうで す。一方、各国の中央銀行が一段の利下げに慎重な構えを見せることは、利回り低下の重 石となりそうです。 フィリピン・ペソ 80 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。 【前月の市場概況】 1月のアジア通貨は、対円でまちまちの動きとなりました。 中国・人民元の先安観測の高まりがアジア通貨全般に重石となったほか、世界的な株価 下落や原油価格の底割れへの懸念から、低リスク通貨とされる円への買いが先行したもの の、月末には日銀によるマイナス金利導入の決定を受けて総じて反発しました。マ レ ーシ ア ・リンギ ットは政府が財政目標を赤字に維持したことや原油先物の反発を受けて、下旬に 買い戻しが加速しました。一方、比較的景気が底堅く推移してきたイ ン ド・ ルピ ーやフ ィ リピ ン・ペソは、外国人投資家による株式市場からの資金流出を背景に下落しました。中 国 ・人 民元は中国当局が過度な元安を抑制する姿勢を強めたことから、月後半は対米ドルで概ね 横ばい推移となりました。 【今後の見通し】 アジア通貨は、対円で上値の重い展開が見込まれます。 米国の先行きの景気や金融政策の動向に関して不透明感が強く、当面は積極的な円売り・ アジア通貨買いの動きは期待しづらい状況となりそうです。一方、足もとでは経済成長率に 持ち直しの兆しが見えたイ ンドネシ ア ・ ルピ ア や、原油価格次第では下げ幅が大きかった マ レーシ ア ・リンギ ットなどは反発する場面もありそうです。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 3/5 ご参考資料 アジア市場の主な指標(2015年12月末~2016年1月末、月次) 【株式・REIT】 【国債利回り】 国 1 2 月末 前月末比 指数名 中国 上海総合指数 ▲22.65% インドネシア 8.260% 8.745% ▲0.485 香港 ハンセンH株指数 ▲14.69% マレーシア 3.850% 4.186% ▲0.336 台湾 加権指数 ▲3.09% フィリピン 4.207% 4.100% 0.107 韓国 韓国総合株価指数 ▲2.51% タイ 2.420% 2.500% ▲0.080 インド ムンバイSENSEX指数 ▲4.77% シンガポール 2.259% 2.598% ▲0.339 シンガポール ストレートタイムズ指数 ▲8.80% マレーシア FTSEブルサマレーシア KLCI指数 ▲1.46% インドネシア ジャカルタ総合指数 0.48% タイ SET指数 1.01% フィリピン フィリピン総合指数 ▲3.80% 中国・人民元 18.39 18.59 ▲1.08% 香港 S&P香港REIT指数 ▲4.30% 香港ドル 15.51 15.56 ▲0.32% シンガポール S&PシンガポールREIT指数 ▲1.14% インド・ルピー 1.78 1.82 ▲2.20% マレーシア S&PマレーシアREIT指数 インドネシア・ルピア 0.87 0.88 ▲1.14% シンガポール・ドル 84.71 85.39 ▲0.80% マレーシア・リンギット 29.02 28.13 3.16% タイ・バーツ 3.37 3.34 0.90% フィリピン・ペソ 2.53 2.56 ▲1.17% ※S&PグローバルREIT指数は現地通貨ベース、配当なしを使用 月間騰落率 1 月末 国 1.60% ※10年国債の利回りを使用 【為替】 通貨( 単位: 円) 1 月末 1 2 月末 月間騰落率 ※インドネシア・ルピアは100ルピア当たりのデータ 【当資料の掲載内容について】 ※当資料に掲載している表やグラフは、信頼できると判断したデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成しています。 ※当資料に掲載している見通しは、レポート作成時点における三井住友トラスト・アセットマネジメントの見通しであり、将来の運用成果を保証するものではありません。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 4/5 ご参考資料 【ご留意事項】 ●当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるもの ではありません。ファンドの運用による損益は全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではありません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保 護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示唆あるいは保証するものではありません。 ●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発元もしくは公表元に帰属します。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 5/5
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