マーケットフォーカス(アジア市場) - 三井住友トラスト・アセットマネジメント

ご参考資料
マーケットフォーカス(アジア市場) 2016年4月号
2016年4月12日
経 済
各国の消費者物価指数(前年同月比)の推移
各国の実質GDP成長率(前年同期比)の推移
(%)
(2012年10‐12月期~2015年10‐12月期、四半期)
20
(2013年3月~2016年3月、月次)
(%)
12
10
各国の政策金利の推移
インドネシア
タイ
シンガポール
マレーシア
フィリピン
中国
8
8
10
0
(%)
10
6
6
4
4
(2013年3月末~2016年3月末、月次)
インドネシア
マレーシア
タイ
中国
フィリピン
2
‐10
12/4Q
インドネシア
タイ
13/2Q
13/4Q
マレーシア
シンガポール
14/2Q
14/4Q
フィリピン
中国
15/2Q
2
0
15/4Q
‐2
13/3
13/9
14/3
14/9
15/3
(年/期)
15/9
16/3
(年/月)
※シンガポール、マレーシア、中国は2016年2月までのデータを使用
【前月の市場概況】
中国では2016年1-2月累計の鉱工業生産が前年同期比で+5.4%となり、2015年通年の前年比+6.1%
や2015年12月単月の前年同月比+5.9%から伸びが鈍化しました。1-2月は輸出も前年同期比で大幅に
落ち込んでおり、内外の需要低迷を背景とした製造業主導による景気減速が続きました。また1-2月は小
売売上高の伸び率も鈍化したほか、2月の自動車販売台数が半年ぶりに前年割れとなるなど、消費も低
調でした。一方、減速が続いていた固定資産投資は不動産投資の増加を主因として1-2月期は前年同
期比で伸び率が加速しました。大都市を中心に住宅市場が回復していることが背景で すが、一方では一
部の大都市の住宅価格高騰が懸念されました。
アセアン主要国では引き続き輸出の回復が遅れる中、消費や政府によるインフラ投資な ど内需主導に
よる緩やかな成長が続きました。イ ンドネシ ア ではインフレ率や通貨ルピアの落ち着きを背景に3ヵ月連
続で政策金利が引き下げられました。アジア内で相対的に景気が底堅く推移するフィリピン、通貨安によ
る物価上昇懸念がくすぶるマ レーシ ア では政策金利が据え置かれました。またタイ では中央銀行が輸
出減少を主因に2016年のGDP(国内総生産)成長率見通しを引き下げたものの、先行きの政策余地を確
保する観点から利下げを見送りとしました。
0
13/3
13/9
14/3
14/9
15/3
15/9
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(年/月)
※インドネシア:BI金利、マレーシア:翌日物政策金利、
フィリピン:翌日物借入金利、タイ:翌日物レポ金利、
中国:1年物貸出基準金利を使用
【今後の見通し】
中国では3月の製造業PMI(購買担当者指数)が政府発表分、民間発表分とも
市場予想以上の改善を示しました。これまでの金融緩和の効果や足もとの住宅
市場の回復に加えて、全国人民代表大会(全人代)で示された交通網整備を中
心とする大規模なインフラ投資計画など政策対応の動きが景況感の改善につな
がった模様です。鉄鋼、石炭など過剰設備を抱える「ゾンビ企業」の淘汰・再編な
ど構造改革の動きは景気回復の重石となるものの、先行きの中国景気は徐々に
安定化に向かうものと期待されます。
アセアン主要国では内需主導による緩やかなペースでの成長が続きそうです。
輸出の回復には時間を要しそうですが、低インフレ率や良好な雇用環境を背景
とした消費の伸びや各国政府による景気刺激策、公共投資が景気を下支えする
見込みです。
当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。
当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。
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株 式
REIT
各国の株価指数の推移
各国のREIT指数の推移
(2013年3月末~2016年3月末、日次)
260
(2013年3月末~2016年3月末、月次)
インドネシア
140
香港
シンガポール
マレーシア
日本
マレーシア
220
韓国
120
台湾
180
中国
100
インド
140
フィリピン
80
タイ
100
シンガポール
香港
60
13/3
14/3
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13/9
14/3
14/9
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※グラフ開始日を100として指数化。使用している指数については4ページをご覧ください。
【前月の市場概況】
3月は全面高の展開となりました。2月末の預金準備率引き下げ発表や全国人民代表大会
を控えた政策期待を背景に中国株式が月初から上昇したこと、増産凍結への期待から原油
先物が反発したこと、米国の先行き利上げペースが緩やかのと見方が強まったことから、総
じて市場心理が改善しました。政府系資金の流入観測が強まった上海総合指数、財政改革
を意識した政府予算案を背景に利下げ期待が高まったイ ンド、5月の大統領選挙にかかる不
透明感が和らいだフィリピンなどの上げ幅が大きくなりました。イ ンド ネシ ア は一時約8ヵ月
ぶり高値をつけたものの、昨年12月以降上昇傾向であったため、利益確定目的の売りが重
石となりました。
【今後の見通し】
アジア株式市場は、もみ合い推移が見込まれます。
アジア新興国の景気、インフレの動向は総じて落ち着いているものの、株式市場は引き続
き原油先物の動向や米国の利上げ観測など、外部要因によるリスク選好の動きに左右され
ると見られます。また3月は韓国、台湾、アセアン主要国が一時年初来高値を更新しており、
利益確定目的の売りが上値を抑えそうです。
16/3
(年/月)
16/3
(年/月)
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※グラフ開始日を100として指数化。各国・地域のREIT指数は、S&PグローバルREIT指数(現地
通貨ベース、配当込み)の各国・地域のインデックスを使用。
【前月の市場概況】
3月のアジアREIT市場は、総じて上昇しました。原油価格が持ち直したことで投資家心理が
改善したこと、FOMC(米連邦公開市場委員会)声明を受けて米国の先行き利上げペースが
緩やかなものになるとの見方が強まったことなどから、シンガポール、香港ともに上昇しまし
た。国別では、中国の追加金融緩和の実施などを背景に香 港の上昇率が相対的に高くなり
ました。
【今後の見通し】
中国の景気鈍化や米国の追加利上げに対する懸念は残るものの、中国をはじめとするア
ジア各国の緩和的な金融政策の維持が市場の下支えになると期待されます。また、ア ジア
REITの業績自体は概ね堅調であることから、REIT配当利回り、長期金利との利回り格差とも
に魅力的な水準にあります。今後も短期的にはグローバルな株式市場や長期金利の動向、
各国の政策の動きに左右されやすい展開が見込まれますが、中期的には堅調な業績動向
が評価され上昇する展開を予想します。
当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。
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ご参考資料
債 券
為 替
各国の国債利回りの推移
各国の為替の推移(対円)
(2013年3月末~2016年3月末、日次)
(%)
(2013年3月末~2016年3月末、日次)
12
10
インドネシア
マレーシア
タイ
シンガポール
140
フィリピン
インドネシア・ルピア
タイ・バーツ
8
シンガポール・ドル
120
マレーシア・リンギット
6
中国・人民元
4
100
香港ドル
インド・ルピー
2
0
13/3
フィリピン・ペソ
80
13/9
14/3
14/9
15/3
15/9
16/3
13/3
13/9
14/3
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※10年国債の利回り。
【前月の市場概況】
3月の国債利回りは概ね低下しました。多くの先進国の国債市場で利回りがマイ ナス圏に
沈む中、新興国内で相対的に景気、インフレの動向が落ち着いているア ジア 国債市場への
資金流入が続いた模様です。イ ンドネシ ア の10年国債利回りは、3ヵ月連続の政策金利引き
下げを背景に昨年4月以来の低水準となる7.6%台まで低下しました。タ イ では中央銀行が
2016年のGDP成長率見通しを引き下げており、先行きの利下げ期待が後押しとなったと見ら
れます。
【今後の見通し】
アジア国債の利回りは、引き続き安定した推移が見込まれます。
原油ほか商品市況の低迷などを背景にアジア各国のインフレ率は総じて落ち着いた状況
が続きそうです。また日本やユーロ圏でのマイナス金利政策や、FRB(米連邦準備理事会)
の追加利上げに対する慎重姿勢などを背景に先進国の国債利回りは低位での推移が続く見
通しです。こうしたなか、引き続き海外投資家による資金流入がアジ ア国債市場の下支え要
因となる見込みです。
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16/3
(年/月)
(年/月)
※グラフ開始日を100として指数化。
【前月の市場概況】
3月のアジア通貨は対円で概ね上昇したものの、通貨間での強弱は分かれました。
原油先物の反発や米国の先行き利上げペースが緩やかとの見方を背景に為替市場でリス
ク選好の動きが強まり、アジア通貨への買いが加速しました。原油先物の反発から産油国通
貨であるマ レーシ ア ・リンギ ットが大幅上昇となりました。昨年12月以降で相対的に下落幅
が大きかったイ ンド・ルピー、フィリピン・ペソは、株式市場への資金流入も追い風となり、反
発が目立ちました。一方、イ ンドネシ ア ・ ルピ ア は利益確定目的の売りが重石となり、前月
比横ばいにどとまりました。
【今後の見通し】
アジア通貨は、もみ合い推移が見込まれます。
アジア各国のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は総じて安定しており、海外からの
株式市場や債券市場への資金流入がアジア通貨の下支えとなりそうです。一方、足もとでは
米国の早期利上げ観測の後退を背景とした円買いの動きが活発化しており、対円でのアジ
ア通貨の上昇余地も限られそうです。フィリピン・ペ ソは5月9日の大統領選挙の動向なども
影響されそうです。
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アジア市場の主な指標(2016年2月末~2016年3月末、月次)
【株式・REIT】
【国債利回り】
国
2 月末
前月末比
指数名
中国
上海総合指数
11.75%
インドネシア
7.668%
8.263%
▲0.595
香港
ハンセンH株指数
13.73%
マレーシア
3.802%
3.930%
▲0.128
台湾
加権指数
3.97%
フィリピン
4.690%
3.828%
0.862
韓国
韓国総合株価指数
4.13%
タイ
1.687%
2.105%
▲0.418
インド
ムンバイSENSEX指数
10.17%
シンガポール
1.838%
2.276%
▲0.438
シンガポール
ストレートタイムズ指数
6.54%
マレーシア
FTSEブルサマレーシア KLCI指数
3.80%
インドネシア
ジャカルタ総合指数
1.56%
タイ
SET指数
5.65%
通貨( 単位: 円)
フィリピン
フィリピン総合指数
8.86%
中国・人民元
17.42
17.38
0.23%
香港
S&P香港REIT指数
4.54%
香港ドル
14.53
14.62
▲0.62%
シンガポール
S&PシンガポールREIT指数
0.49%
インド・ルピー
1.70
1.65
3.03%
マレーシア
S&PマレーシアREIT指数
0.76%
インドネシア・ルピア
0.85
0.85
0.00%
シンガポール・ドル
83.31
80.60
3.36%
マレーシア・リンギット
28.66
26.93
6.42%
タイ・バーツ
3.20
3.18
0.63%
フィリピン・ペソ
2.45
2.39
2.51%
※S&PグローバルREIT指数は現地通貨ベース、配当なしを使用
月間騰落率
3 月末
国
※10年国債の利回りを使用
【為替】
2 月末
3 月末
月間騰落率
※インドネシア・ルピアは100ルピア当たりのデータ
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