ご参考資料 マーケットフォーカス(アジア市場) 2015年4月号 2015年4月10日 経 済 各国の消費者物価指数上昇率(前年同月比)の推移 各国の実質GDP成長率(前年同期比)の推移 (%) (2011年10‐12月期~2014年10‐12月期、四半期) 20 (2012年3月~2015年3月、月次) (%) 12 10 インドネシア マレーシア タイ フィリピン シンガポール 中国 8 10 0 ‐10 11/4Q インドネシア フィリピン シンガポール 12/2Q 12/4Q 13/2Q 13/4Q マレーシア タイ 中国 14/2Q 14/4Q 各国の政策金利の推移 (%) 10 8 6 6 4 4 (2012年3月~2015年3月、月次) インドネシア マレーシア タイ 中国 フィリピン 2 2 0 ‐2 12/3 12/9 13/3 13/9 14/3 (年/期) 14/9 15/3 (年/月) ※シンガポール、マレーシア、中国は2015年2月までのデータを 使用 【前月の市場概況】 中国の2015年1-2月累計の景気指標では、輸出は底堅く伸びたものの鉱工業生産・小売売上高・固定 資産投資などは前年同期比で伸び率が鈍化しました。また、輸入の大幅な減少や卸売物価の下落から、 内需の減速感やデフレ懸念が強まりました。全人代(全国人民代表大会、国会に相当)では市場予想ど おり、2015年のGDP(国内総生産)成長率目標が前年までの7.5%から7%前後に引き下げられ、李克強 首相は会見で「新たな成長率目標の達成は容易ではない」とする一方、「政策余地は比較的大きく、多く の手段が残されている」と強気の姿勢を示しました。中国では2月も新築住宅価格の下落が続きました が、下旬にかけては住宅売却時の税制の緩和や住宅ローン規制の緩和が相次いで発表され、当局が不 動産市況のてこ入れに動いたとの見方が強まりました。 他の国では、タイ やシ ンガポールの2月の消費者物価上昇率が前年同月比で続落するなど、原油の ほか商品市況の低迷を背景にインフレ率は概ね落ち着いて推移しました。こうしたなか、2月の中国、イ ンドネシアに続いて、3月はイ ンド、タイ 、韓国で政策金利が引き下げられました。各国とも個人消費や 設備投資など内需の回復遅れなどへの懸念から、中央銀行が先手を打って景気の下支えに動いた模様 です。 0 12/3 12/9 13/3 13/9 14/3 14/9 15/3 (年/月) ※インドネシア:BI金利、マレーシア:翌日物政策金利、 フィリピン:翌日物借入金利、タイ:翌日物レポ金利、 中国:1年物貸出基準金利を使用 【今後の見通し】 中国では緩やかな景気減速が続くものの、政府や中国人民銀行による政策対 応が下支えとなり、景気が大きく失速する懸念は小さい見込みです。金融市場で は2015年4-6月期中にも追加の金融緩和が見込まれているほか、先行きは「一 帯一路構想(現代版シルクロード構想)」など巨額のインフラ投資への期待も高 まっています。 他のアジア新興国の景気回復ペースは、まちまちとなりそうです。フィリピンは 消費が底堅く推移し、イ ンドでは生産や自動車販売など持ち直しが続いており、 当面はこの2国の成長率が相対的に高い状況が続く見込みです。一方、タイ は 軍事政権が戒厳令を解除したことは観光業にとってプラスとなるものの、消費や 投資の回復には時間を要しそうです。また、イ ンドネシ ア はガソリン価格の引き 上げが、マレーシ ア では物品・サービス税の導入が、消費回復の重石となりそう です。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 1/5 ご参考資料 株 式 REIT 各国の株価指数の推移 各国のREIT指数の推移 (2012年3月末~2015年3月末、日次) 180 (2012年3月末~2015年3月末、月次) インドネシア 140 マレーシア 220 韓国 200 台湾 180 中国 160 インド 140 フィリピン 100 タイ シンガポール 香港 60 12/3 13/3 14/3 240 香港 シンガポール マレーシア 日本 120 100 80 12/3 12/9 13/3 13/9 14/3 ※グラフ開始日を100として指数化。使用している指数については4ページをご覧ください。 【前月の市場概況】 3月の株式市場は、まちまちの展開となりました。 中国では追加金融緩和や大規模なインフラ整備などの政策期待に加え、地方政府債務の 地方債への借り換え容認や一連の不動産市況対策で市場心理が改善し、上海総合指数は 約7年ぶりの高値圏で引けました。また、底堅い経済成長の続くフィリピンは連日史上最高値 を更新しました。一方、イ ンドでは株価の割高感、タ イ では景気回復の遅れが懸念され、共 に下落しました。台湾は米株式市場に連動する展開となり、一時昨年来高値を更新したもの の、月間では小幅安となりました。他の市場は米利上げ観測が重石となったものの、米国の 利上げペースが緩やかになるとの見方が強まり、月後半は総じて持ち直しました。 【今後の見通し】 4月の株式市場は、底堅い推移が見込まれます。 3月の米雇用統計が低調となり、米国の早期利上げ観測が後退したことが株価の下支え要 因となりそうです。一方、企業業績の悪化などから米株式が調整色を強める場合は、総じて 株価が高値圏にあるアジア市場でも利益確定の売りが強まりそうです。4月はIMF(国際通貨 基金)の世界経済見通しの改訂が予定されており、ア ジア 新興国景気の底堅い見通しが確 認されれば、株価の押し上げ要因となる見込みです。 15/3 (年/月) 15/3 (年/月) 14/9 ※グラフ開始日を100として指数化。各国・地域のREIT指数は、S&P REIT指数(現地通貨建て、 配当なしベース)の各国・地域のインデックスを使用。 【前月の市場概況】 3月のアジアREIT市場は、まちまちとなりました。 香港市場は月前半、米国の早期利上げ観測が高まったことなどによって下落しました。月 後半は中国の追加金融緩和期待が高まった一方、香港の小売売上高の低迷などが重石と なり、低調な推移が続きました。シ ンガポール市場は月前半は下落したものの、月後半はシ ンガポールの消費者物価上昇率の低下などを背景に追加金融緩和期待が高まったことなど から反発しました。 【今後の見通し】 アジアの主要都市では、不動産需要が安定的に増える一方で供給量は少ないため、先行 きも安定的な賃料収入が得られる状況が続く見通しです。現状のアジアREITの配当利回りと 長期金利の利回り格差は魅力的な水準にあります。またア ジア 各国では金融緩和政策を維 持しており、長期金利が大幅に上昇する可能性も低いと見られます。短期的には長期金利の 動向や各国政策の動きに左右されると予想されるものの、中長期的にはアジ ア不動産市場 の成長を背景として、アジアREIT市場は上昇すると期待されます。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 2/5 ご参考資料 債 券 為 替 各国の国債利回りの推移 各国の為替の推移(対円) (2012年3月末~2015年3月末、日次) (%) (2012年3月末~2015年3月末、日次) 12 10 インドネシア マレーシア タイ シンガポール フィリピン 180 インドネシア・ルピア 160 タイ・バーツ シンガポール・ドル 8 6 4 140 マレーシア・リンギット 120 中国・人民元 香港ドル 2 0 12/3 12/9 13/3 13/9 14/3 14/9 15/3 (年/月) ※10年国債の利回り。 100 インド・ルピー 80 フィリピン・ペソ 12/3 12/9 13/3 13/9 14/3 14/9 15/3 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。 【前月の市場概況】 3月のアセアン主要国の国債利回りは、総じて上昇しました。 2月の米雇用統計の大幅改善を受けて、米国の長期金利が上昇したことが影響しました。 イ ンドネシ ア の10年国債利回りは一時7.8%台まで上昇し、1月中旬以来の高水準となりまし た。インドネシア・ルピアが対米ドルで、アジア通貨危機時の1998年8月以来の安値に下落し た場面で外国人投資家の売りが強まった模様です。シンガポールやタ イ の10年国債利回り は、米国の利上げペースが緩やかになるとの見方から、月末にかけて上昇幅を縮小しまし た。 【前月の市場概況】 3月のアジア通貨は、対円では弱含んだ通貨が多くなりました。 米国の早期利上げが意識されたことが、総じて各通貨の重石となりました。マ レー シ ア ・リ ンギ ットは原油先物が反落したこと、イ ンドネシ ア ・ル ピア は2月の輸出入の減少が懸念さ れたことで、比較的に下げ幅が大きくなりました。シ ンガポール・ドルは4月に金融政策が緩 和方向で見直されるとの観測が高まり、下落しました。フィリピン・ペソは昨年来、対米ドルで 底堅く推移していた反動から一時的に売りが強まった模様です。一方、米ドルとの連動性が 高い中国・人民元、香港ドルは上昇しました。 【今後の見通し】 4月のアセアン主要国の国債市場は、もみ合い推移が見込まれます。 3月の米雇用統計が低調となり、米国の早期利上げ観測が後退したことから、アセア ン主 要国の国債についても買い戻しの動きが先行する見込みです。ただし、依然として今年中に は米国が利上げを実施するとの見方は根強いため、国債利回りの低下余地も限られそうで す。イ ンドネシ アでは、ガソリン価格の引き上げにより先行きは消費者物価上昇率の加速が 見込まれ、国債市場の重石となりそうです。 【今後の見通し】 4月のアジア通貨は、対円でもみ合い推移が見込まれます。 3月の米雇用統計が低調となり、米国の早期利上げ観測が後退したことを受けてアジ ア通 貨にも買いが先行しそうです。一方、依然として今年中には米国が利上げを実施するとの見 方は根強いことが重石となるほか、米株式が調整色を強めるケースではリスク回避の動きか ら一時的に円買い・アジア通貨売りとなる場面も見込まれます。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 3/5 ご参考資料 アジア市場の主な指標(2015年2月末~2015年3月末、月次) 【株式・REIT】 【国債利回り】 国 2 月末 前月末比 指数名 中国 上海総合指数 13.22% インドネシア 7.439% 7.062% 0.377 香港 ハンセンH株指数 1.31% マレーシア 3.894% 3.869% 0.025 台湾 加権指数 ▲0.37% フィリピン 4.061% 3.955% 0.107 韓国 韓国総合株価指数 タイ 2.681% 2.651% 0.030 インド ムンバイSENSEX指数 ▲4.32% シンガポール 2.274% 2.235% 0.040 シンガポール ストレートタイムズ指数 1.30% マレーシア FTSEブルサマレーシア KLCI指数 0.53% インドネシア ジャカルタ総合指数 1.25% タイ SET指数 フィリピン フィリピン総合指数 2.72% 香港 S&P香港REIT指数 ▲3.63% シンガポール S&PシンガポールREIT指数 マレーシア S&PマレーシアREIT指数 ※S&P REIT指数は現地通貨建て、配当なしベースを使用 月間騰落率 3 月末 国 2.78% ▲5.11% 0.30% ▲1.19% ※10年国債の利回りを使用 【為替】 通貨( 単位: 円) 3 月末 2 月末 月間騰落率 中国・人民元 19.39 19.07 1.68% 香港ドル 15.50 15.38 0.78% インド・ルピー 1.94 1.95 ▲0.51% インドネシア・ルピア 0.92 0.93 ▲1.08% シンガポール・ドル 87.35 87.85 ▲0.57% マレーシア・リンギット 32.46 33.11 ▲1.96% タイ・バーツ 3.69 3.68 0.27% フィリピン・ペソ 2.69 2.71 ▲0.74% ※インドネシア・ルピアは100ルピア当たりのデータ 【当資料の掲載内容について】 ※当資料に掲載している表やグラフは、信頼できると判断したデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成しています。 ※当資料に掲載している見通しは、レポート作成時点における三井住友トラスト・アセットマネジメントの見通しであり、将来の運用成果を保証するものではありません。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 4/5 ご参考資料 【ご留意事項】 ●当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるもの ではありません。ファンドの運用による損益は全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではありません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保 護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示唆あるいは保証するものではありません。 ●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発元もしくは公表元に帰属します。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 5/5
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