ご参考資料 マーケットフォーカス(アジア市場) 2016年8月号 2016年8月10日 経 済 各国の消費者物価指数(前年同月比)の推移 各国の実質GDP成長率(前年同期比)の推移 (2013年4‐6月期~2016年4‐6月期、四半期) (%) 10 (2013年7月~2016年7月、月次) (%) 12 10 各国の政策金利の推移 インドネシア タイ マレーシア フィリピン シンガポール 中国 8 5 0 (%) 10 8 6 6 4 4 (2013年7月末~2016年7月末、月次) インドネシア マレーシア タイ 中国 フィリピン 2 インドネシア タイ ‐5 13/2Q 13/4Q 14/2Q マレーシア シンガポール 14/4Q 15/2Q フィリピン 中国 15/4Q 16/2Q 2 0 ‐2 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 (年/期) ※マレーシア、フィリピン、タイは2016年1‐3月期までのデータを使用 16/1 16/7 (年/月) ※マレーシア、シンガポール、中国は2016年6月までのデータを使用 【前月の市場概況】 中国の2016年4-6月期の実質GDP(国内総生産)成長率は、1-3月期と変わらず前年同期比+6.7%とな りました。成長率は4四半期ぶりに下げ止まりとなり、李克強首相は2016年通年の成長率目標(+6.5~ 7%)達成に自信を示しました。ただし、6月は鉱工業生産や小売売上高が持ち直した一方、民間投資の 低迷から固定資産投資は減速が続きました。また6月の製造業PMI(購買担当者指数)は政府発表分、民 間発表分ともに5月比で低下し、米ドル建の輸出入金額も前年割れが続きました。 アセアン主要国では、シ ンガポールの2016年4-6月期の実質GDP成長率が前年同期比+2.2%となりま した。依然として成長率は伸び悩んでいるものの、製造業の伸び率がプラスに転じました。一方、マ レー シ ア は景気減速が続きました。製造業PMIや自動車販売台数の低迷が続いているほか、5月の輸出金額 が4ヵ月ぶりに前年水準を下回りました。マレーシア中央銀行は7月13日、物価上昇や通貨安に一服感が 見られるなか、英国のEU(欧州連合)離脱問題など世界的な不確実性の高まりが成長見通しの重石にな るとし、7年5ヵ月ぶりに政策金利を引き下げました。 0 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7 (年/月) ※インドネシア:BI金利、マレーシア:翌日物政策金利、 フィリピン:翌日物借入金利、タイ:翌日物レポ金利、 中国:1年物貸出基準金利を使用 【今後の見通し】 中国では、7月の製造業PMIが政府発表分は5ヵ月ぶりに景気判断の分かれ目 となる50を下回った一方、民間発表分は1年5ヵ月ぶりに50超となるなど、まちまち の結果となりました。今後、鉄鋼や石炭など過剰設備の解消が進めば生産や雇 用に悪影響が及ぶと見られること、足もとの消費は自動車向けの減税措置など 政策効果で支えられている面が大きいことなどから、先行きも緩やかな景気減速 の継続が見込まれます。また中国・人民元が対米ドルで弱含む一方、中国の外 貨準備高は過去半年横ばい圏で推移しており、中国当局に対する追加利下げ期 待は根強いと見られます。 アセアン主要国では輸出が伸び悩む一方、個人消費やインフラ投資など底堅 い内需を背景に緩やかな景気回復が続きそうです。総じてインフレ率は沈静化し ており、金融緩和の継続や、さらなる緩和強化の動きが景気を下支えすると見込 まれます。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 1/5 ご参考資料 株 式 REIT 各国の株価指数の推移 各国のREIT指数の推移 (2013年7月末~2016年7月末、日次) 300 (2013年7月末~2016年7月末、月次) 180 インドネシア 260 マレーシア マレーシア シンガポール 香港 日本 160 フィリピン 220 タイ 140 シンガポール 180 中国 140 120 韓国 台湾 100 香港 60 13/7 インド 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7 100 80 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。使用している指数については4ページをご覧ください。 【前月の市場概況】 7月はマ レーシア を除き主要市場が一時年初来高値を更新するなど上昇しました。米景気 の失速懸念が後退した一方、米当局が追加利上げに慎重との見方が強まったことで市場心 理が好転し、アジア市場への資金流入が加速しました。内需主導による景気回復期待からタ イ の上昇率が大きくなったほか、イ ンドネシ ア では租税特赦法の効果や新財務相の手腕へ の期待、イ ンドでは経済構造改革の進展への期待が株価を押し上げました。台 湾は米株高 を背景に主力ハイテク株が市場を牽引しました。上海総合指数は、証券会社や上場企業へ の監督を強化するとの中国当局の方針が嫌気されたものの、月間では上昇しました。一方、 マ レ ーシ ア は政府系投資会社による不正資金提供問題の再燃が市場心理を冷やした結 果、株価は横ばい圏にとどまりました。 【今後の見通し】 アジア株式市場は、もみ合い推移が見込まれます。 米国の早期利上げ観測の後退や米国株式の底堅い推移、ア ジア各国での金融緩和の継 続が株価の下支え要因となりそうです。多くの市場が年初来の高値圏にあるため、利益確定 目的の売りが重石となるものの、アジア各国の景気が総じて安定していること、ア ジア 経済 に対する英国のEU離脱問題の直接的な影響は小さいと見られることから、もみ合い推移が 続きそうです。 16/1 16/7 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。各国・地域のREIT指数は、S&PグローバルREIT指数(現地 通貨ベース、配当なし)の各国・地域のインデックスを使用。 【前月の市場概況】 7月のアジアREIT市場は上昇しました。欧米株式市場の上昇による投資家心理の改善など を受けて、シンガポール、香港ともに堅調な動きとなりました。国別では、中国の2016年4-6 月期の実質GDP成長率が市場予想を上回り景気減速懸念が後退したことなどを好感し、香 港の上昇率が相対的に大きくなりました。 【今後の見通し】 英国のEU離脱問題などを受けて世界的な景気不透明感が高まっているものの、アジ ア各 国での金融緩和の継続や景気の安定に加えて、世界的な低金利環境を背景とした高利回り 選好の動きがアジアREIT市場の下支えになると見込まれます。また、引き続きア ジア REITの 配当利回り、長期金利との利回り格差はともに魅力的な水準にあります。今後も短期的には グローバルな株式市場や長期金利の動向、各国の金融政策の動きに左右されやすい展開 が見込まれますが、中期的には底堅い業績動向などが評価され上昇する展開を予想しま す。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 2/5 ご参考資料 債 券 為 替 各国の為替の推移(対円) 各国の国債利回りの推移 (2013年7月末~2016年7月末、日次) (%) 12 (2013年7月末~2016年7月末、日次) 130 10 インドネシア マレーシア タイ シンガポール インドネシア・ルピア フィリピン マレーシア・リンギット 115 フィリピン・ペソ 8 タイ・バーツ 6 100 シンガポール・ドル 4 中国・人民元 85 香港ドル 2 0 13/7 インド・ルピー 70 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7 (年/月) ※10年国債の利回りを使用。 13/7 14/1 14/7 15/1 ※グラフ開始日を100として指数化。 15/7 16/1 16/7 (年/月) 【前月の市場概況】 7月のアジア債券市場は、イ ンドネシア 、マ レ ー シ ア 、シ ン ガ ポー ルなど多くの市場で国 債利回りの低下(価格は上昇)が続きました。一方、タイ では利益確定の動きと見られる外国 人投資家の売りで利回りが上昇しました。 月前半は英国のEU離脱問題を背景に欧米の長期金利が一段の低下となり、アジア国債の 利回りも欧米金利に連動する形で低下しました。その後も米当局が追加利上げに慎重との 見方が強まったことから、相対的に金利水準が高いアジア国債への買いが続いた模様です。 インフレ率の沈静化で先行きの追加利下げ観測が根強いイ ン ドネ シ ア の10年国債利回り は、月末にかけて2013年10月以来となる6%台に低下しました。 【前月の市場概況】 7月のアジア通貨は対円で全面高となりました。 米当局が追加利上げに慎重との見方が強まったことがア ジア通貨の買い材料とみなされ たほか、アジアの株式や債券市場への資金流入が続いたことがアジア通貨の下支え要因と なりました。タイ ・バーツやイ ン ド・ ルピ ーなど相対的に株価が堅調となった国の通貨は上 昇幅が大きくなりました。一方、マレーシ ア・リンギ ットは政府系投資会社による不正資金提 供問題への懸念に加え、下旬以降原油先物が弱含んだことが重石となりました。中国・ 人民 元は、中国当局が対米ドルの基準値を一時約5年9ヵ月ぶりの安値に設定するなど元安容認 姿勢を示唆したことから、対円では小幅の上昇にとどまりました。 【今後の見通し】 アジア債券市場は、底堅い推移が見込まれます。 日本、欧州など先進国の国債市場でマイナス金利が定着しているなか、米国では早期の 利上げ観測が後退しており、利回り水準が高くかつ新興国の中で相対的にファ ンダメンタル ズ(経済の基礎的条件)が安定しているアジ ア国債市場には、海外からの一定の資金流入 が続くと期待されます。 【今後の見通し】 7月28-29日の日銀金融政策決定会合でマイナス金利幅の拡大や国債買い入れの増額が 見送られたことで、日銀の追加金融緩和余地が乏しいとの見方が強まっており、ア ジア 通貨 は対円で上値の重い展開が見込まれます。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 3/5 ご参考資料 アジア市場の主な指標(2016年6月末~2016年7末、月次) 【株式・REIT】 【国債利回り】 国 指数名 中国 上海総合指数 1.70% インドネシア 6.935% 7.453% ▲0.518 香港 ハンセンH株指数 2.82% マレーシア 3.586% 3.744% ▲0.158 台湾 加権指数 3.67% フィリピン 3.340% 4.218% ▲0.879 韓国 韓国総合株価指数 2.33% タイ 2.057% 1.950% 0.107 インド ムンバイSENSEX指数 3.90% シンガポール 1.806% 1.910% ▲0.104 シンガポール ストレートタイムズ指数 0.98% マレーシア FTSEブルサマレーシア KLCI指数 インドネシア ジャカルタ総合指数 3.97% タイ SET指数 5.47% 通貨( 単位: 円) フィリピン フィリピン総合指数 2.14% 中国・人民元 15.67 15.51 1.03% 香港 S&P香港REIT指数 8.65% 香港ドル 13.46 13.26 1.51% シンガポール S&PシンガポールREIT指数 1.89% インド・ルピー 1.56 1.53 1.96% マレーシア S&PマレーシアREIT指数 1.61% インドネシア・ルピア 0.80 0.79 1.27% シンガポール・ドル 77.33 76.41 1.20% マレーシア・リンギット 25.73 25.61 0.47% タイ・バーツ 2.99 2.92 2.40% フィリピン・ペソ 2.21 2.19 0.91% ※S&PグローバルREIT指数は現地通貨ベース、配当なしを使用 月間騰落率 国 7 月末 6 月末 前月末比 ※10年国債の利回りを使用 ▲0.05% 【為替】 6 月末 7 月末 月間騰落率 ※為替は本邦営業日ベース、インドネシア・ルピアは100ルピア当たりのデータ 【当資料の掲載内容について】 ※当資料に掲載している表やグラフは、信頼できると判断したデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成しています。 ※当資料に掲載している見通しは、レポート作成時点における三井住友トラスト・アセットマネジメントの見通しであり、将来の運用成果を保証するものではありません。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 4/5 ご参考資料 【ご留意事項】 ●当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるもの ではありません。ファンドの運用による損益は全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではありません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保 護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示唆あるいは保証するものではありません。 ●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発元もしくは公表元に帰属します。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 5/5
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