ご参考資料 マーケットフォーカス(アジア市場) 2016年5月号 2016年5月16日 経 済 各国の消費者物価指数(前年同月比)の推移 各国の実質GDP成長率(前年同期比)の推移 (2013年1‐3月期~2016年1‐3月期、四半期) (%) 10 各国の政策金利の推移 (2013年4月~2016年4月、月次) (%) 12 10 インドネシア タイ マレーシア シンガポール フィリピン 中国 8 8 5 0 (%) 10 6 6 4 4 (2013年4月末~2016年4月末、月次) インドネシア マレーシア タイ 中国 フィリピン 2 インドネシア タイ ‐5 13/1Q 13/3Q 14/1Q マレーシア シンガポール 14/3Q 15/1Q フィリピン 中国 15/3Q 16/1Q 2 0 ‐2 13/4 13/10 14/4 14/10 15/4 (年/期) ※マレーシア、フィリピン、タイは15/4Qまでのデータを使用 15/10 16/4 (年/月) ※マレーシア、シンガポールは2016年3月までのデータを使用 【前月の市場概況】 中 国では2016年1-3月期の実質GDP(国内総生産)成長率が前四半期から▲0.1%の前年同期比 +6.7%となり、3四半期連続で伸びが鈍化しました。一方、3月分の景気指標を見ると、輸出金額が9ヵ月 ぶりに前年水準を上回ったほか、鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資の伸び率はいずれも1-2月累 計と比べて改善を示し、金融市場では中国の景気減速ペースが一先ず和らいだとの見方が強まりまし た。 アセアン主要国の景気動向はややバラツキが目立ちました。シ ンガ ポー ルでは2016年1-3月期実質 GDP成長率が前期比でゼロ成長となり、金融通貨庁が従来の緩やかな通貨高を誘導する政策を修正し ました。イ ンドネシ ア は3月の製造業PMI(購買担当者指数)が1年半ぶりに景気判断の分かれ目となる 50を上回った一方、マ レーシア の同指数は50を下回る推移が続きました。タ イ では好調な観光業や政 府支出の増加が引き続き景気を牽引した一方、干ばつによる農村部の所得減少などが消費回復の重石 となり消費者マインドが低下しています。フィリピンは5月の大統領選挙など国政選挙にかかる一時的な 需要の増加に加え、雇用や物価の安定を背景に消費者マインドが堅調に推移しました。 0 13/4 13/10 14/4 14/10 15/4 15/10 16/4 (年/月) ※インドネシア:BI金利、マレーシア:翌日物政策金利、 フィリピン:翌日物借入金利、タイ:翌日物レポ金利、 中国:1年物貸出基準金利を使用 【今後の見通し】 中国では金融緩和やインフラ投資などの政策効果を背景に経済活動が持ち直 しつつある一方、今後は製造業の過剰設備の縮小が進むと見られるほか、地方 での住宅在庫の積み上がりといった景気減速につながる要因が残存していま す。中国政府は5月から税制改革による大規模な企業減税を打ち出すなど、財政 面での景気下支えを継続する方針と見られますが、中国景気が安定化するには しばらく時間を要しそうです。 アセアン主要国では外需回復が遅れる中、内需主導による緩やかな成長が続 きそうです。フィリピンでは5月に選出された新大統領が従来の経済成長路線を 引き継げるのか注目されます。イ ンドネシア は中央銀行が政策金利の指標の変 更を決定(8月から実施)しました。銀行の貸出金利の低下を促す狙いと見られて おり、自動車販売など先行きの消費回復につながるものと期待されます。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 1/5 ご参考資料 株 式 REIT 各国の株価指数の推移 各国のREIT指数の推移 (2013年4月末~2016年4月末、日次) 260 (2013年4月末~2016年4月末、月次) インドネシア 140 マレーシア シンガポール 香港 日本 マレーシア 220 フィリピン 120 タイ 180 シンガポール 中国 140 100 韓国 台湾 100 80 香港 60 13/4 インド 13/10 14/4 14/10 15/4 15/10 16/4 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。使用している指数については4ページをご覧ください。 【前月の市場概況】 4月は米国株式や原油先物の上昇を背景に韓 国・タ イ ・シ ン ガ ポ ールなどが一時年初来 高値をつけたものの、月間では多くの市場が下落しました。スマートフォン関連など主力ハイ テク銘柄が売られた台湾、政府系投資ファンドの不透明な資金問題が嫌気されたマ レ ーシ ア 、5月の大統領選挙巡る不透明感が高まったフィリ ピンなどの下げ幅が大きくなりました。 上海総合指数は国有企業改革への期待や景気指標の改善を背景に一時約3ヵ月ぶり高値 をつけたものの、上値の重さや先行きの株式需給の緩みが懸念され下落に転じました。一 方、イ ンドはインフレ率鈍化や降雨量予想の改善を背景に景気回復や追加利下げへの期待 が高まり、上昇しました。 【今後の見通し】 アジア株式市場は、上値の重い展開が見込まれます。 引き続き米国の景気指標や原油先物の動向など外部環境に左右されやすい展開が見込 まれます。また6月にはFOMC(米連邦公開市場委員会)、英国でのEU(欧州連合)離脱を問う 国民投票など重要イベントを控えており、徐々に上値は重くなりそうです。 60 13/4 13/10 14/4 14/10 15/4 15/10 16/4 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。各国・地域のREIT指数は、S&PグローバルREIT指数(現地 通貨ベース、配当込み)の各国・地域のインデックスを使用。 【前月の市場概況】 4月のアジアREIT市場は、総じて上昇しました。景気指標の改善を受けて中国景気が安定 化するとの期待が高まったことや、シンガポールの金融通貨庁が従来の緩やかな通貨高を 誘導する政策を修正したことが好感されたことから、シ ンガ ポー ル、香 港ともに上昇しまし た。 【今後の見通し】 アジ ア各国の緩和的な金融政策と景気の安定化、米国での緩やかな利上げペースなど が、市場の下支えになると期待されます。また、アジアREITの業績自体は概ね堅調であるこ とが確認されており、REIT配当利回り、長期金利との利回り格差ともに魅力的な水準にありま す。今後も短期的にはグローバルな株式市場や長期金利の動向、各国の政策の動きなど外 部環境に左右される展開が見込まれますが、中期的には堅調な業績動向が評価され上昇す る展開を予想します。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 2/5 ご参考資料 債 券 為 替 各国の国債利回りの推移 各国の為替の推移(対円) (2013年4月末~2016年4月末、日次) (%) 12 10 インドネシア マレーシア タイ シンガポール (2013年4月末~2016年4月末、日次) 130 フィリピン インドネシア・ルピア マレーシア・リンギット 115 フィリピン・ペソ 8 タイ・バーツ 6 100 シンガポール・ドル 4 中国・人民元 85 香港ドル 2 0 13/4 インド・ルピー 70 13/10 14/4 ※10年国債の利回りを使用。 14/10 15/4 15/10 16/4 (年/月) 【前月の市場概況】 4月の国債利回りは多くの市場で上昇(価格は下落)しました。先進国の国債市場で利回り のマイナス化が進む中、比較的に利回り水準の高いアジア国債に対する投資ニーズは根強 く、月央にかけてもみ合い推移が続きました。下旬には原油先物が40米ドル台へ回復するな ど水準を切り上げたことや、ECB(欧州中央銀行)が追加金融緩和を見送ったことなどを背景 に利回りが上昇へ転じました。 【今後の見通し】 アジア国債の利回りは、引き続き概ね安定した推移が見込まれます。 日本やユーロ圏ではマイナス金利政策の長期化が見込まれることや、FRB(米連邦準備理 事会)による年内の追加利上げ観測が後退していることなどを背景に、先進国の国債利回り は低位での推移が続く見通しです。こうしたなか、相対的に利回り水準が高くかつ新興国の 中で相対的にファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が安定しているア ジア国債市場への 海外からの資金流入が続く見込みです。 13/4 13/10 14/4 14/10 ※グラフ開始日を100として指数化。 15/4 15/10 16/4 (年/月) 【前月の市場概況】 4月のアジア通貨は対円で総じて下落しました。 米国の利上げ観測の後退を背景に円買いの動きが続いたほか、月末には日銀が追加金 融緩和を見送ったことで円高・アジア通貨安が進行しました。フィリピン・ペソは5月の大統領 選挙を巡る不透明感の高まりで株式市場から海外資金の流出が続き、下落幅が大きくなりま した。産油国通貨であるマ レーシ ア ・リンギ ットは、原油先物の反発が下支えとなり下落幅 が小さかったものの、下旬にかけてはマレーシアの政府系投資ファンドが発行した債券の一 部が債務不履行に陥ったとの報道から、リンギット売りが強まる場面もありました。 【今後の見通し】 アジア通貨は、上値の重い展開が見込まれます。 アジア各国のファンダメンタルズは総じて安定している一方、米国の早期利上げ観測の後 退を背景とした円買いの動きに加えて、6月の英国国民投票などを控えてリスク回避志向が 強まる場面も想定されることから、短期的には対円でア ジア 通貨の上値は限定的となりそう です。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 3/5 ご参考資料 アジア市場の主な指標(2016年3月末~2016年4月末、月次) 【株式・REIT】 【国債利回り】 国 3 月末 前月末比 指数名 中国 上海総合指数 ▲2.18% インドネシア 7.740% 7.668% 0.072 香港 ハンセンH株指数 ▲0.71% マレーシア 3.901% 3.802% 0.099 台湾 加権指数 ▲4.20% フィリピン 4.582% 4.690% ▲0.108 韓国 韓国総合株価指数 ▲0.09% タイ 1.795% 1.687% 0.108 インド ムンバイSENSEX指数 1.04% シンガポール 1.998% 1.838% 0.160 シンガポール ストレートタイムズ指数 ▲0.08% マレーシア FTSEブルサマレーシア KLCI指数 ▲2.61% インドネシア ジャカルタ総合指数 ▲0.14% タイ SET指数 ▲0.22% 通貨( 単位: 円) フィリピン フィリピン総合指数 ▲1.42% 中国・人民元 16.89 17.42 ▲3.04% 香港 S&P香港REIT指数 2.63% 香港ドル 14.15 14.53 ▲2.62% シンガポール S&PシンガポールREIT指数 1.73% インド・ルピー 1.66 1.70 ▲2.35% マレーシア S&PマレーシアREIT指数 0.23% インドネシア・ルピア 0.83 0.85 ▲2.35% シンガポール・ドル 81.48 83.31 ▲2.20% マレーシア・リンギット 28.18 28.66 ▲1.67% タイ・バーツ 3.12 3.20 ▲2.50% フィリピン・ペソ 2.35 2.45 ▲4.08% 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 4/5 ※S&PグローバルREIT指数は現地通貨ベース、配当なしを使用 月間騰落率 4 月末 国 ※10年国債の利回りを使用 【為替】 3 月末 4 月末 月間騰落率 ※インドネシア・ルピアは100ルピア当たりのデータ 【当資料の掲載内容について】 ※当資料に掲載している表やグラフは、信頼できると判断したデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成しています。 ※当資料に掲載している見通しは、レポート作成時点における三井住友トラスト・アセットマネジメントの見通しであり、将来の運用成果を保証するものではありません。 ご参考資料 【ご留意事項】 ●当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるもの ではありません。ファンドの運用による損益は全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではありません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保 護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示唆あるいは保証するものではありません。 ●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発元もしくは公表元に帰属します。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 5/5
© Copyright 2024 ExpyDoc