ご参考資料 マーケットフォーカス(アジア市場) 2016年1月号 2016年1月14日 経 済 各国の消費者物価指数(前年同月比)の推移 各国の実質GDP成長率(前年同期比)の推移 (%) (2012年10‐12月期~2015年10‐12月期、四半期) 20 (2012年12月~2015年12月、月次) (%) 12 10 インドネシア マレーシア タイ フィリピン シンガポール 中国 8 10 0 各国の政策金利の推移 (%) 10 8 6 6 4 4 (2012年12月~2015年12月、月次) インドネシア マレーシア タイ 中国 フィリピン 2 ‐10 12/4Q インドネシア タイ 13/2Q 13/4Q マレーシア シンガポール 14/2Q 14/4Q フィリピン 中国 15/2Q 2 0 15/4Q ‐2 12/12 13/6 13/12 14/6 14/12 (年/期) ※インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、中国は15/3Qまでの データを使用 15/6 15/12 (年/月) ※シンガポール、マレーシア、中国は2015年11月までのデータを使用 【前月の市場概況】 中国の11月の経済指標では、鉱工業生産や小売売上高の前年同月比の伸びが加速したほか、固定 資産投資の伸び率の鈍化が一服となりました。一方、12月の製造業PMI(購買担当者指数)は政府発表 分、民間発表分ともに景気判断の分かれ目となる50を下回り、11月の輸出・輸入の金額は依然として前 年水準を下回りました。大都市での住宅販売は持ち直しているものの、地方では住宅在庫が積み上がっ ており、新規の不動産投資は低迷が続きました。生産や消費の回復も、減税措置を受けた自動車販売の 急回復や「独身の日(11月11日)」商戦の効果など一時的な要因が大きいとの見方もあり、全体として景 気は依然として緩やかな減速局面にある模様です。 アセアン主要国では中国の景気減速や商品市況の低迷を背景に輸出の回復が遅れています。イ ンド ネシ ア、タイ 、フィリピンなどの輸出は前年割れが続いており、特にイ ンドネシア は11月の貿易収支が1 年ぶりに赤字となりました。各国とも製造業の景況感は低迷が続いているものの、イ ンドネシ ア やタ イ で は消費者信頼感指数や自動車販売の持ち直しが見られました。インフレ率は各国とも総じて落ち着いた 状況にあり、イ ンドネシ ア は11月、12月のインフレ率がインドネシア中央銀行の目標レンジ内まで鈍化し てきており、先行きの金融緩和への期待が高まりました。 0 12/12 13/6 13/12 14/6 14/12 15/6 15/12 (年/月) ※インドネシア:BI金利、マレーシア:翌日物政策金利、 フィリピン:翌日物借入金利、タイ:翌日物レポ金利、 中国:1年物貸出基準金利を使用 【今後の見通し】 1月初めに発表された中国のPMI(12月、民間発表分)が製造業、サービス業と もに前月比で低下したことで景気減速懸念が再燃しています。しかし中国政府は 12月の中央経済工作会議においてイ ンフラ整備などの財政出動や企業向け減 税を拡大する方針を決定しており、今後はある程度の財政赤字拡大を容認しつ つ景気のてこ入れを強めていく模様です。今後も外需の減速や製造業の過剰設 備、銀行の不良債権の増加などが景気回復の重石となりそうですが、財政・金融 両面での政策対応によって経済は徐々に安定化に向かうと見込まれます。 アセアン主要国の景気は当面は個人消費や政府支出、公共投資など内需主 導による緩やかな回復にとどまりそうです。12月31日には域内の貿易自由化や 市場統合を通じて更なる成長を目指すアセアン経済共同体(AEC)が発足し、先 行きは総人口6億人を超える巨大市場の一体化が進むものと期待されます。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 1/5 ご参考資料 株 式 REIT 各国の株価指数の推移 各国のREIT指数の推移 (2012年12月末~2015年12月末、日次) 260 (2012年12月末~2015年12月末、月次) インドネシア マレーシア 220 韓国 台湾 180 中国 インド 140 フィリピン タイ 100 シンガポール 香港 60 12/12 13/12 14/12 200 香港 シンガポール マレーシア 日本 180 160 140 120 100 80 12/12 13/6 13/12 14/6 14/12 ※グラフ開始日を100として指数化。使用している指数については4ページをご覧ください。 【前月の市場概況】 12月のアジア株式市場はまちまちの動きとなりました。 米国の利上げ開始観測に加えて原油安や中国・人民元安が続いたことでリスク回避志向 が強まり、月間で上昇した市場においても上値の重さが目立ちました。上 海 総合 指数は政 策期待を背景に3ヵ月連続で上昇したものの、株式需給悪化や人民元安による資金流出へ の警戒感が重石となりました。他市場では、インフレ率の鈍化で先行きの利下げ期待が高 まったイ ンドネシア の上昇率が高くなりました。一方、タ イ は原油安で資源株が軟調に推移 したほかタイの第4世代(4G)携帯サービス向け電波の高値入札への懸念から通信株が急落 し、一時約1年11ヵ月ぶりの安値をつけました。 【今後の見通し】 アジア株式市場は、上値の重い展開が見込まれます。 年明け以降、中国経済や中国株式市場への懸念が再燃しており、リスク回避志向の強まり からアジア市場全般に資金が向かいづらい展開が続きそうです。しかし中国政府は昨夏同 様、市場介入を強めて株価安定をはかる方針と見られ、中国市場は徐々に落ち着きを取り 戻すと見込んでいます。その後は個々の市場のファ ンダメンタルズに応じた動向に回帰して いくと見ています。 15/12 (年/月) 15/12 (年/月) 15/6 ※グラフ開始日を100として指数化。各国・地域のREIT指数は、S&P REIT指数(現地通貨建て、 配当なしベース)の各国・地域のインデックスを使用。 【前月の市場概況】 12月のアジアREIT市場はまちまちとなりました。 シ ンガポールは、前月までの下落により割安感が高まった銘柄を買い戻す動きが広がった ことなどから底堅い動きとなりました。一方で、香港は堅調な業績動向を受けてREIT価格が 上昇していた一部の銘柄を中心に利益確定の動きが強まったことや米国に追随した政策金 利の引き上げが嫌気されたことなどから、軟調な動きとなりました。 【今後の見通し】 アジアREIT市場は、中国の景気鈍化や米国の追加利上げに対する懸念は残るものの、中 国をはじめアジア各国の緩和的な金融政策の維持は市場のサポートになることが期待され ます。また、引き続きREIT配当利回り、長期金利との利回り格差ともに魅力的な水準にありま す。よって、今後もグローバルな株式市場や長期金利の動向、各国の政策の動きに株価が 左右されやすい展開が予想されますが、中期的には堅調な業績動向が好感され上昇すると 見込んでいます。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 2/5 ご参考資料 債 券 為 替 各国の国債利回りの推移 (2012年12月末~2015年12月末、日次) (%) 12 インドネシア タイ 10 各国の為替の推移(対円) マレーシア シンガポール (2012年12月末~2015年12月末、日次) 160 フィリピン インドネシア・ルピア タイ・バーツ 140 8 6 シンガポール・ドル マレーシア・リンギット 120 中国・人民元 4 香港ドル 100 2 インド・ルピー 0 12/12 13/6 13/12 14/6 14/12 15/6 15/12 (年/月) ※10年国債の利回り。 【前月の市場概況】 12月のアジア市場の国債利回りは、まちまちとなりました。 イ ンドネシ ア 、マレーシ アの国債利回りは米利上げ観測の高まりを受けて月半ばにかけ て上昇(価格は下落)したものの、米利上げ開始が決定された以降は買い戻しの動きが強ま りました。タイ の国債利回りは同国の消費者物価指数が依然として前年同月比でマイナス圏 で推移するなか、緩やかな低下が続きました。シ ンガ ポー ルの国債利回りは方向感無く上 下する展開が続きましたが、月間では上昇しました。マレーシ ア 、フィリピンは月間で概ね横 ばい圏の推移となりました。 【今後の見通し】 アジア国債利回りは、方向感の定まりづらい展開が続きそうです。 原油価格の一段安などを背景に各国ともインフレ率は総じて落ち着いており、一部の国で は先行きの金融緩和が見込まれています。一方、年明け以降、金融市場全般にリスク回避 志向が強まっており、アジア国債に対して資金流入が早急に加速するとは見込みづらい状況 です。当面は欧米金利の動向やアジア通貨の動向に振らされる展開となりそうです。 80 12/12 フィリピン・ペソ 13/6 13/12 14/6 14/12 15/6 15/12 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。 【前月の市場概況】 12月のアジア通貨は、対円で総じて下落しました。 中国・人民元が対米ドルで軟調に推移したことがアジア通貨全般に対する重石となりまし た。また欧米株式や原油先物が下落した場面で、リスク回避目的での円買いの動きが強まっ たことも影響しました。米国ではFOMC(米連邦公開市場委員会)で約9年半ぶりの利上げ開 始が決定されたものの、先行きの米利上げペースは緩やかとの見方からアジ ア通貨が買い 戻される場面もありました。 【今後の見通し】 アジア通貨は、対円で上値の重い展開が見込まれます。 年明け以降、中国経済や中国株式市場への懸念が再燃している上、サウジア ラビアとイラ ンの断交や北朝鮮による核実験の強行など地政学リスクが高まっており、円買い・アジ ア通 貨売りの動きが出やすい状況が続きそうです。また中国・人民元の動向も引き続きアジ ア通 貨に大きく影響する見込みです。対米ドルでの人民元安が一服する場面では、アジア通貨が 買い戻される展開も見込まれます。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 3/5 ご参考資料 アジア市場の主な指標(2015年11月末~2015年12月末、月次) 【株式・REIT】 【国債利回り】 国 指数名 中国 上海総合指数 香港 ハンセンH株指数 台湾 加権指数 韓国 韓国総合株価指数 インド 月間騰落率 2.72% 国 1 2 月末 1 1 月末 前月末比 インドネシア 8.745% 8.611% 0.134 ▲1.32% マレーシア 4.186% 4.199% ▲0.013 0.21% フィリピン 4.100% 4.070% 0.030 ▲1.54% タイ 2.500% 2.727% ▲0.227 ムンバイSENSEX指数 ▲0.11% シンガポール 2.598% 2.512% 0.086 シンガポール ストレートタイムズ指数 0.94% マレーシア FTSEブルサマレーシア KLCI指数 1.22% インドネシア ジャカルタ総合指数 3.30% タイ SET指数 フィリピン フィリピン総合指数 0.36% 香港 S&P香港REIT指数 ▲1.18% シンガポール S&PシンガポールREIT指数 マレーシア S&PマレーシアREIT指数 ※S&P REIT指数は現地通貨建て、配当なしベースを使用 ▲5.27% ※10年国債の利回りを使用 【為替】 通貨( 単位: 円) 1 1 月末 1 2 月末 月間騰落率 中国・人民元 18.59 19.21 ▲3.23% 香港ドル 15.56 15.85 ▲1.83% 0.29% インド・ルピー 1.82 1.84 ▲1.09% 0.80% インドネシア・ルピア 0.88 0.89 ▲1.12% シンガポール・ドル 85.39 86.86 ▲1.69% マレーシア・リンギット 28.13 28.70 ▲1.99% タイ・バーツ 3.34 3.42 ▲2.34% フィリピン・ペソ 2.56 2.61 ▲1.92% ※インドネシア・ルピアは100ルピア当たりのデータ 【当資料の掲載内容について】 ※当資料に掲載している表やグラフは、信頼できると判断したデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成しています。 ※当資料に掲載している見通しは、レポート作成時点における三井住友トラスト・アセットマネジメントの見通しであり、将来の運用成果を保証するものではありません。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 4/5 ご参考資料 【ご留意事項】 ●当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるもの ではありません。ファンドの運用による損益は全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではありません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保 護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示唆あるいは保証するものではありません。 ●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発元もしくは公表元に帰属します。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 5/5
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