ご参考資料 マーケットフォーカス(アジア市場) 2016年9月号 2016年9月12日 経 済 各国の消費者物価指数(前年同月比)の推移 各国の実質GDP成長率(前年同期比)の推移 (2013年4‐6月期~2016年4‐6月期、四半期) (%) 10 (2013年8月~2016年8月、月次) (%) 12 10 各国の政策金利の推移 インドネシア タイ マレーシア フィリピン シンガポール 中国 8 5 0 (%) 10 8 6 6 4 4 (2013年8月末~2016年8月末、月次) インドネシア マレーシア タイ 中国 フィリピン 2 インドネシア タイ ‐5 13/2Q 13/4Q 14/2Q マレーシア シンガポール 14/4Q 15/2Q フィリピン 中国 15/4Q 16/2Q 2 0 ‐2 13/8 14/2 14/8 15/2 15/8 (年/期) 16/2 16/8 (年/月) ※マレーシア、シンガポール、中国は2016年7月までのデータを使用 【前月の市場概況】 中国の7月分の経済指標では、米ドル建の輸出入金額の前年割れが続いたほか、鉱工業生産指数や 小売売上高の伸び率(前年同月比)が6月分と比べて鈍化しました。また固定資産投資は民間投資の落 ち込みを主因に一段と伸び率(前年同期比)が減速しました。自動車販売台数の底堅い推移や卸売物価 指数の持ち直しなど明るい材料もあったものの、全体としては内需・外需とも低調との見方が強まりまし た。 8月はアセアン主要国で2016年4-6月期の実質GDP(国内総生産)成長率が発表されました。フィリピン は個人消費の伸びが加速し前年同期比+7.0%と3年ぶりの高成長となりました。イ ン ドネ シ ア やタ イ は 引き続き輸出が伸び悩んだものの、イ ンドネシ アは政府支出の増加、タ イ では農村部での消費回復や 堅調な観光業が牽引役となり、GDP成長率が加速しました。一方、マ レーシ ア は在庫減少を主因にGDP 成長率の鈍化が続きました。シ ン ガポ ールは前年同期比で+2%程度の低成長が続き、同国政府は 2016年のGDP成長率予想を下方修正しました。 インフレ率は総じて低水準で推移しましたが、8月は各国とも金融政策の変更はありませんでした。 0 13/8 14/2 14/8 15/2 15/8 16/2 16/8 (年/月) ※インドネシア:2016年7月末までBI金利、同8月末から7日物リバース レポ金利、マレーシア:翌日物政策金利、フィリピン:翌日物借入 金利、 タイ:翌日物レポ金利、中国:1年物貸出基準金利を使用 【今後の見通し】 中国の8月の製造業PMI(購買担当者指数)は政府発表分が景気判断の分か れ目となる50超の水準を回復した一方、民間発表分は50ちょうどに低下するな ど、まちまちの結果となりました。先行きは引き続き石炭や鉄鋼など過剰設備の 解消が生産や投資の重石となるほか、解消に伴う一時帰休や人員削減などリス トラの動きが個人消費に悪影響すると見られ、GDP成長率の鈍化が続きそうで す。こうしたなか、一段の金融緩和の是非を巡って中国当局内で意見対立があ るとの報道もあり、足もとでは政策による景気てこ入れへの期待がやや低下して いる模様です。 アセアン主要国では、中国の景気減速を背景に輸出の伸び悩みが見込まれ、 個人消費や官民の投資など各国毎の内需の強さがGDP成長率を左右する状況 が続きそうです。イ ンドネシ ア などインフレ率の鈍化を背景に追加利下げへの期 待が高まりそうです。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 1/5 ご参考資料 株 式 REIT 各国の株価指数の推移 各国のREIT指数の推移 (2013年8月末~2016年8月末、日次) 260 (2013年8月末~2016年8月末、月次) 180 インドネシア マレーシア 220 マレーシア シンガポール 香港 日本 160 フィリピン タイ 180 140 シンガポール 中国 140 120 韓国 台湾 100 香港 60 13/8 インド 14/2 14/8 15/2 15/8 16/2 16/8 100 80 13/8 14/2 14/8 15/2 15/8 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。使用している指数については4ページをご覧ください。 【前月の市場概況】 アジア株式市場は、月前半は米国株式が堅調に推移するなか、市場心理の好転を受けて 総じて上昇したものの、下旬には米国の早期利上げ観測の高まりを受けてやや弱含みまし た。月間では、香港・深セン市場の株式相互取引開始の決定が好感された上 海総 合指 数、 2016年4-6月期の実質GDP成長率が市場予想を上回ったイ ンド ネシ ア 、国民投票による新 憲法草案の承認で政情安定への期待が高まったタ イ などの上げ幅が大きくなりました。一 方、フ ィリ ピンは企業決算やGDP成長率などの発表で買い材料の出尽くし感が強まったこ と、シ ンガポールは景気減速や大手銀行の不良債権への懸念が高まったことから、下落し ました。 【今後の見通し】 アジア株式市場は、もみ合い推移が見込まれます。 アジア各国では景気やインフレ率が総じて安定しており、今後も緩和的な金融政策の継続 が株価を下支えするものの、多くの市場が年初来の高値圏で推移しており、一段の株価上昇 には新規材料が乏しいと見られます。先行きの米利上げの行方や米国株式の動向によって は、利益確定目的の売りが重石となる場面もありそうです。 16/2 16/8 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。各国・地域のREIT指数は、S&PグローバルREIT指数(現地 通貨ベース)の各国・地域のインデックスを使用。 【前月の市場概況】 8月のアジアREIT市場はまちまちの動きとなりました。国別では、シ ンガポールは国内金利 が低位で安定的に推移したことなどが好感され、小幅上昇となりました。一方、香 港は一部 REITの2016年1-6月期決算が概ね良好な内容となったものの、大手商業施設REITで利益確 定目的の売りが見られた影響などから下落しました。 【今後の見通し】 アジア各国の景気安定や緩和的な金融政策の継続に加えて、世界的な低金利環境を背 景とした高利回り選好の動きがアジア REIT市場を下支えする見込みです。今後も短期的に はグローバルな株式市場や長期金利の動向、各国の金融政策の動きに左右されやすい展 開が見込まれますが、中期的にはアジアREIT各社の概ね底堅い業績動向などが評価され上 昇する展開を予想します。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 2/5 ご参考資料 債 券 為 替 各国の国債利回りの推移 各国の為替の推移(対円) (2013年8月末~2016年8月末、日次) (%) 12 10 インドネシア マレーシア タイ シンガポール (2013年8月末~2016年8月末、日次) 140 インドネシア・ルピア フィリピン マレーシア・リンギット フィリピン・ペソ 120 8 タイ・バーツ 6 シンガポール・ドル 100 4 中国・人民元 香港ドル 2 0 13/8 インド・ルピー 80 14/2 14/8 15/2 15/8 16/2 16/8 13/8 14/2 14/8 15/2 (年/月) ※10年国債の利回りを使用。 【前月の市場概況】 8月のアジア債券市場は、イ ンドネシア 、タイ では国債利回りが上昇(価格は下落)した一 方、マレーシ ア やシ ンガポールは月間で概ね横ばい圏の動きとなりました。 上旬はオーストラリアの追加利下げや英国が大規模な金融緩和策を打ち出したことで、多 くの先進国では先行きも緩和的な金融政策が長引くとの見方が強まり、相対的に金利水準 の高いアジア国債への買いが加速する場面が見られました。一方、下旬には米国の早期利 上げ観測が高まったことから一時米国10年国債利回りが急上昇し、アジア国債にも売りが波 及しました。 【今後の見通し】 アジア債券市場は、もみ合い推移が見込まれます。 アジア各国では景気やインフレ率が総じて安定しており、緩和的な金融政策が継続される ことに加えて、世界的な低金利環境を背景とした高利回り選好の動きなどがアジア 債券を下 支えする見込みです。一方、米国での追加利上げが意識される場面では利益確定目的の売 りで利回りが上昇する場面もありそうです。 15/8 16/2 16/8 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。 【前月の市場概況】 8月のアジア通貨は対円で概ね下落しました。 日銀の7月末の追加金融緩和の内容が市場の期待を下回ったこと、日銀の金融政策の「総 括的再検証」を巡って先行きの政策の不透明感が高まったことから、円買いの動きが強まり ました。月間では、米国の早期利上げ観測が高まるなかで財政・経常赤字があらためて懸念 されたイ ンドネシ ア ・ルピア 、政府による2016年のGDP成長率見通しの下方修正が嫌気さ れたシ ンガポール・ドルの下げ幅が大きくなりました。一方、2016年4-6月期の実質GDP成 長率が市場予想を上回ったフィリピン・ペソは上昇、タイ ・バーツは小幅の下落にとどまりま した。 【今後の見通し】 9月20-21日に日銀金融政策決定会合、FOMC(米連邦公開市場委員会)を控えて、日米の 先行きの金融政策に注目が集まっており、アジア通貨は対円で方向観の出づらい展開が続 く見込みです。また9月下旬にはOPEC(石油輸出国機構)の臨時総会が予定されており、資 源国通貨であるマ レーシ ア ・リンギ ットなどは振れ幅が大きくなる場面もありそうです。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 3/5 ご参考資料 アジア市場の主な指標(2016年7月末~2016年8末、月次) 【株式・REIT】 【国債利回り】 国 7 月末 前月末比 指数名 中国 上海総合指数 3.56% インドネシア 7.114% 6.935% 0.179 香港 ハンセンH株指数 6.51% マレーシア 3.589% 3.586% 0.003 台湾 加権指数 0.94% フィリピン 3.419% 3.340% 0.079 韓国 韓国総合株価指数 0.92% タイ 2.255% 2.057% 0.198 インド ムンバイSENSEX指数 1.43% シンガポール 1.804% 1.806% ▲0.003 シンガポール ストレートタイムズ指数 ▲1.68% マレーシア FTSEブルサマレーシア KLCI指数 1.50% インドネシア ジャカルタ総合指数 3.26% タイ SET指数 1.60% フィリピン フィリピン総合指数 ▲2.21% 中国・人民元 15.44 15.67 ▲1.47% 香港 S&P香港REIT指数 ▲0.93% 香港ドル 13.30 13.46 ▲1.19% シンガポール S&PシンガポールREIT指数 0.24% インド・ルピー 1.54 1.56 ▲1.28% マレーシア S&PマレーシアREIT指数 2.50% インドネシア・ルピア 0.78 0.80 ▲2.50% シンガポール・ドル 75.65 77.33 ▲2.17% マレーシア・リンギット 25.34 25.73 ▲1.52% タイ・バーツ 2.98 2.99 ▲0.33% フィリピン・ペソ 2.22 2.21 0.45% ※S&PグローバルREIT指数は現地通貨ベース、配当なしを使用 月間騰落率 8 月末 国 ※10年国債の利回りを使用 【為替】 通貨( 単位: 円) 7 月末 8 月末 月間騰落率 ※為替は本邦営業日ベース、インドネシア・ルピアは100ルピア当たりのデータ 【当資料の掲載内容について】 ※当資料に掲載している表やグラフは、信頼できると判断したデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成しています。 ※当資料に掲載している見通しは、レポート作成時点における三井住友トラスト・アセットマネジメントの見通しであり、将来の運用成果を保証するものではありません。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 4/5 ご参考資料 【ご留意事項】 ●当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるもの ではありません。ファンドの運用による損益は全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではありません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保 護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示唆あるいは保証するものではありません。 ●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発元もしくは公表元に帰属します。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 5/5
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