ご参考資料 マーケットフォーカス(アジア市場) 2016年12月号 2016年12月12日 経 済 各国の消費者物価指数(前年同月比)の推移 各国の実質GDP成長率(前年同期比)の推移 (2013年7‐9月期~2016年7‐9月期、四半期) (%) 10 (2013年11月~2016年11月、月次) (%) 12 10 各国の政策金利の推移 インドネシア タイ マレーシア シンガポール フィリピン 中国 (2013年11月末~2016年11月末、月次) (%) 10 8 インドネシア マレーシア タイ 中国 フィリピン 8 5 0 6 6 4 4 2 インドネシア タイ ‐5 13/3Q 14/1Q 14/3Q マレーシア シンガポール 15/1Q 15/3Q フィリピン 中国 16/1Q 16/3Q 2 0 ‐2 13/11 14/5 14/11 15/5 15/11 16/5 16/11 0 13/11 14/5 14/11 15/5 (年/月) (年/期) ※マレーシア、シンガポール、中国は2016年10月までのデータを使用 【前月の経済概況】 中国の10月分の経済指標では、鉱工業生産の伸びが前年同月比で前月から横ばい、固定資産投資 の伸びは2ヵ月連続で加速しました。また小売売上高は減速したものの二桁の伸びを維持するなど、引き 続きインフラ投資や自動車販売にかかる減税措置といった政策の効果を背景に、内需が底堅く推移しま した。一方、米ドル建の輸出は7ヵ月連続で前年水準を下回るなど低迷が続きました。また10月は高騰が 続いてきた新築住宅価格が、一部の都市で前月比で下落に転じるなど、地方政府が相次いで打ち出し た価格抑制策の効果が徐々に顕在化してきました。 アセアン主要国では、2016年7-9月期の実質GDP(国内総生産)成長率が発表されました。フ ィリ ピン は個人消費や官民の投資が底堅く推移し、2四半期連続で前年同期比+7%超の高成長となりました。マ レーシ ア では個人消費の伸びや純輸出の改善を受けて、GDP成長率が前期から加速しました。一方、 イ ンドネシ ア 、タイ は共に政府支出が減少したことなどを主因として、GDP成長率は小幅鈍化しました。 シ ン ガ ポ ー ルのGDP成長率は、確報値が同+1.1%と速報値の同+0.6%から上方修正されたものの、 2009年7-9月期以降で最低の伸びにとどまりました。 消費者物価指数は、各国とも総じて落ち着いた推移が続きました。 15/11 16/5 16/11 (年/月) ※インドネシア:2016年7月末までBI金利、同8月末から7日物リバース レポ金利、マレーシア:翌日物政策金利、フィリピン:翌日物借入 金利、 タイ:翌日物レポ金利、中国:1年物貸出基準金利を使用 【今後の見通し】 中国では11月の政府発表分の製造業PMI(購買担当者指数)が2ヵ月連続で上 昇し、内訳である輸出受注指数は2ヵ月ぶりに景気判断の分かれ目となる50を上 回りました。一方、先行きの内需については減税による自動車需要の先食いの 反動や住宅価格抑制策を受けた不動産販売の減少などへの懸念が強まってい ます。中国経済は当面は安定したペースでの成長が続くものの、先行きの減速リ スクは残存している模様です。 アセアン主要国の景気は緩やかな回復が続くものの、当面は加速感に乏しい 状況となりそうです。フィリピンでは米次期政権の政策が、同国の米国への出稼 ぎ労働やアウトソーシング事業の逆風となるとの見方も出ています。イ ンド ネシ ア 、マレーシ アでは対米ドルでの通貨安傾向が追加利下げの障害となるほか、 タイ では足もとの外国人観光客の減少が懸念されます。先行きの景気は各国で のインフラ整備計画の進捗状況などが左右しそうです。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 1/5 ご参考資料 株 式 REIT 各国の株価指数の推移 各国のREIT指数の推移 (2013年11月末~2016年11月末、日次) 260 インドネシア (2013年11月末~2016年11月末、月次) 160 マレーシア 220 フィリピン 140 マレーシア シンガポール 香港 日本 タイ 180 シンガポール 120 中国 140 韓国 100 台湾 100 香港 60 13/11 14/5 14/11 15/5 15/11 16/5 16/11 インド 80 13/11 14/5 14/11 15/5 15/11 16/5 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。使用している指数については4ページをご覧ください。 【前月の市場概況】 11月のアジア株式市場はまちまちの動きとなりました。中国・上海 総合 指数は、米国大統 領選挙で勝利したトランプ氏が掲げるインフラ投資の拡大やTPP(環太平洋経済連携協定) への反対姿勢が中国に有利に働くとの思惑から反発に転じ、その後も市場心理の改善から 一時今年1月6日以来の高値を付けました。シンガポールも月末にかけて続伸し、約4ヵ月ぶ り高値を回復しました。一方、トランプ氏の勝利をきっかけに米長期金利が大幅上昇したこと で資金流出懸念が高まり、多くの市場が下落しました。フ ィ リピ ンは、同国大統領の外交姿 勢から対米関係の悪化を懸念した海外投資家の売りが続きました。また経常赤字で資金流 出の動きに対して脆弱と見られるイ ンドネシ ア、既存高額紙幣の廃止による消費減速が懸 念されたイ ンドの下げ幅が大きくなりました。 【今後の見通し】 アジア株式市場は、方向観の出づらい展開が続きそうです。 金融市場の注目は米次期政権の政策方針に集中していると見られ、アジ ア株式もトランプ 次期米大統領や主要閣僚候補などの発言、また発言を受けての米国株式や米国国債の動 きをにらみつつ、上下する展開が見込まれます。 16/11 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。各国・地域のREIT指数は、S&PグローバルREIT指数(現地 通貨ベース)の各国・地域のインデックスを使用。 【前月の市場概況】 11月のアジアREIT市場は下落しました。米国大統領選挙で勝利したトランプ氏が掲げる大 規模な減税やインフラ投資の拡大といった政策が、先行きの米国のインフレ加速や財政赤字 の拡大を招くとの見方を背景に、世界的に長期金利が上昇したことなどが嫌気され、シ ンガ ポール、香港ともに下落しました。 【今後の見通し】 足もとの世界的な金利上昇圧力の高まりがアジア REIT市場に影響を及ぼす懸念があるも のの、アジア各国における緩和的な金融政策や景気の安定、投資家による高利回り選好の 動きが市場を下支えすると期待されます。またアジアREIT市場全体では、堅調な配当金成長 が見込まれるほか、REITの配当利回り、長期金利との利回り差はともに相対的に高い水準に あります。今後も、短期的には長期金利の動向や各国の金融政策の動きなどに左右される 展開が見込まれますが、中期的にはREIT各社の概ね底堅い業績動向などが評価され上昇 する展開を予想します。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 2/5 ご参考資料 債 券 為 替 各国の国債利回りの推移 各国の為替の推移(対円) (2013年11月末~2016年11月末、日次) (%) 12 10 インドネシア マレーシア タイ シンガポール (2013年11月末~2016年11月末、日次) 130 フィリピン インドネシア・ルピア 120 マレーシア・リンギット 8 110 フィリピン・ペソ 6 100 4 90 2 80 香港ドル 0 13/11 70 13/11 インド・ルピー タイ・バーツ シンガポール・ドル 14/5 14/11 15/5 15/11 16/5 16/11 (年/月) ※10年国債の利回りを使用。 【前月の市場概況】 11月のアジア債券市場は、総じて利回りが上昇(価格は下落)しました。 米国大統領選挙で勝利したトランプ氏が掲げる大規模な減税やインフラ投資の拡大といっ た政策から米国のインフレ加速や財政赤字拡大が意識され、米長期金利が大幅上昇しまし た。米金利上昇や先行きの米利上げ観測を背景にア ジア 市場からの資金流出懸念が高ま り、海外投資家によるアジア国債売りが加速しました。相対的な海外投資家の国債保有比率 の高さに加えて、経常赤字で資金流出の動きに対して脆弱と見られるイ ンドネシ ア、慢性的 な財政赤字や足もとの政情不安が懸念されるマ レ ーシ ア の利回り上昇幅が大きくなりまし た。 【今後の見通し】 アジア債券市場は、もみ合い推移が見込まれます。 アセアン主要国では緩やかな景気回復が続く一方、総じてインフレ率は落ち着いており、米 長期金利上昇が一服すれば国債を買い戻す動きが強まる場面がありそうです。当面はトラン プ次期米大統領や主要閣僚候補の発言、また米金融当局者の景気・インフレ・政策金利など の見通しを受けた米長期金利の動向に左右される展開となりそうです。 中国・人民元 14/5 14/11 15/5 15/11 16/5 16/11 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。 【前月の市場概況】 11月のアジア通貨は対円で総じて上昇しました。 米国大統領選挙で勝利したトランプ氏が掲げる政策への期待や思惑から米長期金利が大 幅上昇となり、円安・米ドル高が進行しました。アジア通貨は資金流出懸念の高まりから対米 ドルでは下落したものの、対円では上昇となりました。通貨別では対米ドルとの連動性の高 い香港ドルが最も上昇しました。一方、政情不安などが懸念されたマ レー シ ア ・リ ンギ ット は中央銀行が為替介入に踏み切ったものの対米ドルで大幅安となり、対円でも伸び悩みまし た。 【今後の見通し】 アジア通貨は、対円でもみ合い推移が見込まれます。 日銀の長短金利操作による国内の長期金利の低位安定や、米国株式高、産油国の減産 合意を受けたリスク選好の高まりは、円安・アジア通貨高要因となりそうです。一方、トランプ 次期米大統領はその保護主義的な発言から過度な米ドル高を望んでいないとの見方が根 強く、円高・米ドル安方向のポジ ション調整の動きが強まる場面では、ア ジア 通貨は対円で 弱含みそうです。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 3/5 ご参考資料 アジア市場の主な指標(2016年10月末~2016年11月末、月次) 【株式・REIT】 【国債利回り】 国 指数名 中国 上海総合指数 4.82% インドネシア 8.137% 7.244% 0.893 香港 ハンセンH株指数 2.92% マレーシア 4.405% 3.614% 0.791 台湾 加権指数 ▲0.53% フィリピン 4.520% 3.934% 0.586 韓国 韓国総合株価指数 ▲1.23% タイ 2.688% 2.131% 0.557 インド ムンバイSENSEX指数 ▲4.57% シンガポール 2.298% 1.887% 0.411 シンガポール ストレートタイムズ指数 3.24% マレーシア FTSEブルサマレーシア KLCI指数 ▲3.19% インドネシア ジャカルタ総合指数 ▲5.05% タイ SET指数 フィリピン フィリピン総合指数 ▲8.42% 中国・人民元 16.28 15.47 5.24% 香港 S&P香港REIT指数 ▲3.06% 香港ドル 14.50 13.52 7.25% シンガポール S&PシンガポールREIT指数 ▲3.39% インド・ルピー 1.64 1.57 4.46% マレーシア S&PマレーシアREIT指数 ▲3.32% インドネシア・ルピア 0.83 0.80 3.75% シンガポール・ドル 78.97 75.31 4.86% マレーシア・リンギット 25.18 24.92 1.04% タイ・バーツ 3.16 2.99 5.69% フィリピン・ペソ 2.26 2.16 4.63% ※各REIT指数は現地通貨ベース、配当なしを使用 国 月間騰落率 0.97% 1 1 月末 1 0 月末 前月末比 ※10年国債の利回りを使用 【為替】 通貨( 単位: 円) 1 1 月末 1 0 月末 月間騰落率 ※為替は本邦営業日ベース、インドネシア・ルピアは100ルピア当たりのデータ 【当資料の掲載内容について】 ※当資料に掲載している表やグラフは、信頼できると判断したデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成しています。 ※当資料に掲載している見通しは、レポート作成時点における三井住友トラスト・アセットマネジメントの見通しであり、将来の運用成果を保証するものではありません。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 4/5 ご参考資料 【ご留意事項】 ●当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるもの ではありません。ファンドの運用による損益は全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではありません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保 護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示唆あるいは保証するものではありません。 ●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発元もしくは公表元に帰属します。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 5/5
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