マーケットフォーカス(アジア市場) - 三井住友トラスト・アセットマネジメント

ご参考資料
マーケットフォーカス(アジア市場) 2016年10月号
2016年10月13日
経 済
各国の消費者物価指数(前年同月比)の推移
各国の実質GDP成長率(前年同期比)の推移
(%)
(2013年4‐6月期~2016年4‐6月期、四半期)
10
(2013年9月~2016年9月、月次)
(%)
12
10
各国の政策金利の推移
インドネシア
タイ
マレーシア
シンガポール
フィリピン
中国
8
8
5
0
(%)
10
6
6
4
4
(2013年9月末~2016年9月末、月次)
インドネシア
マレーシア
タイ
中国
フィリピン
2
インドネシア
タイ
‐5
13/2Q
13/4Q
14/2Q
マレーシア
シンガポール
14/4Q
15/2Q
フィリピン
中国
15/4Q
16/2Q
2
0
‐2
13/9
14/3
14/9
15/3
15/9
(年/期)
16/3
16/9
(年/月)
※マレーシア、シンガポール、中国は2016年8月までのデータを使用
【前月の市場概況】
中国の8月分の経済指標では輸入が前年同月の水準を上回ったほか、生産や小売売上高の伸びは前
月から加速し、民間投資の鈍化も一服しました。こうした改善は減税措置の打ち切りを前に自動車の駆
け込み需要が膨らんだことや、7月の洪水被害によって生産が後ずれしたことなど一時的要因の影響が
あると見られ、景気底入れとは言えないとの見方が根強かった模様です。一方、政府による住宅価格抑
制策にもかかわらず主要都市で高騰が続き、住宅市場のバブル化への懸念が高まりました。
アセアン主要国の景気動向はまちまちでした。フィリピンでは7月の海外労働者からの送金額が前年割
れとなったものの、自動車販売台数など消費が底堅く推移しました。タイ でも8月の自動車販売台数や消
費者信頼感指数が持ち直し、消費の底入れ感が強まりました。一方、マ レ ーシ ア は製造業PMI(購買担
当者指数)の低迷が続き、7月は輸出が前年割れし鉱工業生産は前月比で減少しました。イ ン ドネ シ ア
は8月の製造業PMIが持ち直した一方、貿易黒字は伸び悩みました。
アジア新興国のインフレ率は総じて落ち着いた状況が続きました。イ ンドネシ ア では8月の消費者物価
上昇率が中央銀行の目標レンジ下限を下回り、9月22日には通年で5回目となる政策金利の引き下げが
実施されました。
0
13/9
14/3
14/9
15/3
15/9
16/3
16/9
(年/月)
※インドネシア:2016年7月末までBI金利、同8月末から7日物リバース
レポ金利、マレーシア:翌日物政策金利、フィリピン:翌日物借入
金利、 タイ:翌日物レポ金利、中国:1年物貸出基準金利を使用
【今後の見通し】
中国では9月の製造業PMIが政府発表分は前月比横ばい、民間発表分は小幅
上昇となり、共に景気判断の分かれ目となる50を上回りました。足もとの回復は
一時的要因の支えがあること、今後は構造改革の動きが本格化していくことか
ら、中期的な減速基調は変わらないと見られます。また住宅市場のバブル化が
懸念される中、当面は政策金利や預金準備率の引き下げなどの追加金融緩和
も見送られそうです。
アセアン主要国では引き続き緩やかな景気回復が見込まれます。イ ンド ネシ
ア では、7月より国内外の未申告資産を届け出れば過去の課税分の大幅減額を
認める「租税特赦法」が施行されました。当初の金融市場の予想を大幅に上回る
申告があり、税収の増加によってインフラ整備の進捗が期待されるほか、海外か
らの資金還流による通貨の安定で今後も金融緩和を継続しやすくなったと見られ
ます。
当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。
当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。
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ご参考資料
株 式
REIT
各国の株価指数の推移
各国のREIT指数の推移
(2013年9月末~2016年9月末、日次)
260
(2013年9月末~2016年9月末、月次)
160
インドネシア
マレーシア
シンガポール
香港
日本
マレーシア
220
フィリピン
140
タイ
180
シンガポール
120
中国
140
韓国
台湾
100
100
香港
60
13/9
インド
14/3
14/9
15/3
15/9
16/3
16/9
80
13/9
14/3
14/9
15/3
15/9
(年/月)
※グラフ開始日を100として指数化。使用している指数については4ページをご覧ください。
【前月の市場概況】
9月のアジア株式市場はまちまちの動きとなりました。米国の利上げ見送りが好感された一
方、月末にかけてドイツ大手銀行の経営不安への懸念が重石となりました。国別では欧米市
場につれ高した台湾が一時年初来高値を更新、シ ン ガポ ールも原油先物の反発で資源関
連を中心に買いが優勢となり上昇しました。一方、タイ では外国人投資家の利益確定売りの
加速、フィリピンではドゥテルテ大統領の外交姿勢に対する不安から下落しました。上 海総
合指数は官民パートナーシップ方式によるインフラ投資への期待などから一時上昇したもの
の、住宅市場の過熱抑制策への警戒などから月間では下落しました。
【今後の見通し】
アジア株式市場は、もみ合い推移が見込まれます。
アジア各国では景気やインフレ率が総じて安定しており、今後も緩和的な金融政策の継続
が株価を下支えすると見られます。一方、米国では年内の利上げ観測が高まりつつあり、米
国の長期金利上昇をきっかけに米国株式が調整し、アジア市場にも影響をおよぼすといった
場面もありそうです。
16/3
16/9
(年/月)
※グラフ開始日を100として指数化。各国・地域のREIT指数は、S&PグローバルREIT指数(現地
通貨ベース)の各国・地域のインデックスを使用。
【前月の市場概況】
9月のアジアREIT市場はまちまちの動きとなりました。シ ンガ ポー ルは、FRB(米連邦準備
理事会)がFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げを見送ったことなどが好感され、上昇し
ました。一方、香 港は一部のREITで高値警戒感による利益確定売りが見られたことなどか
ら、下落しました。
【今後の見通し】
米国では年内の利上げ観測が高まりつつあり、先行きは世界的に金利上昇圧力が高まる
場面が想定されるものの、アジア各国の景気安定や緩和的な金融政策の継続に加えて、投
資家による高利回り選好の動きがア ジア REIT市場を下支えする見込みです。またア ジア
REIT市場全体では堅調な配当金の伸びが見込まれるほか、配当利回り・長期金利との利回
り格差はともに相対的に高い水準にあります。今後も短期的には長期金利の動向、各国の金
融政策の動きに左右され値動きの荒い展開が見込まれますが、中期的にはアジ アREIT各社
の概ね底堅い業績動向などが評価され上昇する展開を予想します。
当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。
当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。
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ご参考資料
債 券
為 替
各国の国債利回りの推移
各国の為替の推移(対円)
(2013年9月末~2016年9月末、日次)
(%)
12
10
インドネシア
マレーシア
タイ
シンガポール
フィリピン
(2013年9月末~2016年9月末、日次)
140
インドネシア・ルピア
マレーシア・リンギット
フィリピン・ペソ
120
8
タイ・バーツ
6
シンガポール・ドル
100
4
中国・人民元
香港ドル
2
0
13/9
インド・ルピー
80
14/3
14/9
15/3
15/9
16/3
16/9
13/9
14/3
14/9
15/3
(年/月)
※10年国債の利回りを使用。
【前月の市場概況】
9月のアジア債券市場は、タイ 、イ ンド ネシ ア 、 マ レ ーシ ア 、 シ ン ガポ ールで国債利回り
が低下(価格は上昇)した一方、フィリピンでは上昇するなど、まちまちの動きとなりました。
月半ばにはECB(欧州中央銀行)が量的金融緩和の延長を見送ったことから欧米の長期金
利が上昇し、アジア新興国の国債利回りが上昇する場面もありました。下旬はFOMCの結果
を受けて先行きも米国の利上げペースが緩やかになるとの見方が強まり、ア ジア 新興国の
国債利回りも総じて低下しました。
【今後の見通し】
アジア債券市場は、もみ合い推移が見込まれます。
アジア各国では景気やインフレ率が総じて安定しており、緩和的な金融政策が継続される
見込みです。一方、米国では年内の追加利上げ観測が高まりつつあり、米国の長期金利上
昇の影響を受けてアジア市場でも売り圧力が高まる場面がありそうです。
15/9
16/3
16/9
(年/月)
※グラフ開始日を100として指数化。
【前月の市場概況】
9月のアジア通貨は総じて対円で続落となりました。
日銀が金融政策の枠組みを変更した一方、金融緩和を強化する具体策を打ち出さなかっ
たことから、円買いの動きが強まりました。国別では、ドゥテルテ大統領の外交姿勢に対して
投資家の不安が高まったフィリピン・ペソの下げ幅が大きくなりました。産油国通貨とされる
マ レーシ ア ・リンギ ットは、OPEC(石油輸出国機構)の減産合意があったものの、先行きの
石油・天然ガス収入減少への根強い懸念から下落しました。一方、イ ン ドネ シ ア ・ル ピア
は、租税特赦法による海外からの資金還流が高水準となったことから横ばいとなりました。
【今後の見通し】
アジア通貨は対円でもみ合い推移が見込まれます。
日銀の金融政策は、9月の大幅な見直しを受けて当面は現状維持が見込まれること、米国
の年内追加利上げは概ね為替市場では織り込み済みと見られることから、円、アジ ア通貨と
も一方向には動きづらい状況が続くと予想します。
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アジア市場の主な指標(2016年8月末~2016年9月末、月次)
【株式・REIT】
【国債利回り】
国
指数名
中国
上海総合指数
香港
ハンセンH株指数
台湾
国
月間騰落率
9 月末
8 月末
前月末比
インドネシア
7.061%
7.114%
▲0.053
0.42%
マレーシア
3.551%
3.589%
▲0.038
加権指数
1.08%
フィリピン
3.646%
3.419%
0.227
韓国
韓国総合株価指数
0.44%
タイ
2.100%
2.255%
▲0.155
インド
ムンバイSENSEX指数
▲2.06%
シンガポール
1.776%
1.804%
▲0.028
シンガポール
ストレートタイムズ指数
1.73%
マレーシア
FTSEブルサマレーシア KLCI指数
▲1.52%
インドネシア
ジャカルタ総合指数
▲0.40%
タイ
SET指数
▲4.21%
通貨( 単位: 円)
フィリピン
フィリピン総合指数
▲2.02%
中国・人民元
15.17
15.44
▲1.75%
香港
S&P香港REIT指数
▲0.11%
香港ドル
13.04
13.30
▲1.95%
シンガポール
S&PシンガポールREIT指数
インド・ルピー
1.52
1.54
▲1.30%
マレーシア
S&PマレーシアREIT指数
インドネシア・ルピア
0.78
0.78
0.00%
シンガポール・ドル
74.01
75.65
▲2.17%
マレーシア・リンギット
24.41
25.34
▲3.67%
タイ・バーツ
2.91
2.98
▲2.35%
フィリピン・ペソ
2.09
2.22
▲5.86%
※S&PグローバルREIT指数は現地通貨ベース、配当なしを使用
▲2.62%
1.57%
▲1.57%
※10年国債の利回りを使用
【為替】
9 月末
8 月末
月間騰落率
※為替は本邦営業日ベース、インドネシア・ルピアは100ルピア当たりのデータ
【当資料の掲載内容について】
※当資料に掲載している表やグラフは、信頼できると判断したデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成しています。
※当資料に掲載している見通しは、レポート作成時点における三井住友トラスト・アセットマネジメントの見通しであり、将来の運用成果を保証するものではありません。
当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。
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