ご参考資料 マーケットフォーカス(アジア市場) 2015年2月号 2015年2月12日 経 済 各国の消費者物価指数上昇率(前年同月比)の推移 各国の実質GDP成長率(前年同期比)の推移 (%) (2011年10‐12月期~2014年10‐12月期、四半期) 20 (2012年1月~2015年1月、月次) (%) 12 10 インドネシア マレーシア タイ フィリピン シンガポール 中国 8 10 0 ‐10 11/4Q インドネシア フィリピン シンガポール 12/2Q 12/4Q 13/2Q 13/4Q マレーシア タイ 中国 14/2Q 14/4Q (%) 10 8 6 6 4 4 (2012年1月~2015年1月、月次) インドネシア マレーシア タイ 中国 フィリピン 2 2 0 ‐2 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 (年/期) ※マレーシア、タイは14/3Qまでのデータを使用 各国の政策金利の推移 14/7 15/1 (年/月) ※シンガポール、マレーシア、中国は2014年12月までのデータを 使用 【前月の市場概況】 1月は中国、シンガポール、フィリピンなどで2014年10-12月期の実質GDP(国内総生産)成長率が発表 されました。中国は前年同期比の成長率(以下、同じ)が+7.3%と前期から横ばいとなり、2014年通年の 成長率は+7.4%と前年の+7.7%を下回りました。シ ンガ ポー ルは中国の景気減速などを背景に製造業 が落ち込み、10-12月期は+1.5%と7四半期ぶりの低成長となりました。一方、フ ィ リピ ンの10-12月期は +6.9%と5四半期ぶりの高い伸びとなり、通年でも+6.1%と高成長となりました。個人消費の伸びは前期並 みとなったものの、政府支出・公共投資・民間建設投資の伸びが成長を牽引しました。 一方、原油価格の大幅下落など商品市況の低迷を背景に、各国ともイ ンフレ率は総じて伸びが鈍化し ました。こうしたなか、イ ンドはインド準備銀行が緊急会合を開催し、2013年5月以来となる利下げに踏み 切りました。シ ンガポールもシンガポール金融通貨庁が2015年の物価見通しを下方修正し、金融政策を 緩和する方向へ修正することを決定しました。タイ では政策金利が据え置かれたものの、インフレ率鈍化 に加えて足もとの景気指標も低調な推移が続いており、金融市場では先行きの利下げ観測が残存しまし た。 0 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 (年/月) ※インドネシア:BI金利、マレーシア:翌日物政策金利、 フィリピン:翌日物借入金利、タイ:翌日物レポ金利、 中国:1年物貸出基準金利を使用 【今後の見通し】 中国は12月の鉱工業生産や小売売上高の伸び率がやや持ち直したものの、1 月の製造業PMI(購買担当者指数)は政府発表分、民間金融機関発表分ともに 景気判断の分かれ目となる50を下回っており、成長率の緩やかな減速が続きそ うです。またインフレ率、特に卸売物価の下落が長期化しており、企業収益の圧 迫要因となっている点も懸念されます。中国人民銀行は2月4日に金融機関の預 金準備率引き下げに踏み切りましたが、金融市場などでは更なる緩和への期待 がくすぶり続ける見通しです。中国の需要鈍化は、引き続き韓 国・ 台湾 ・シ ンガ ポール・タイ など相対的にGDPに占める輸出のウェイトが大きい国では景気回 復の重石となりそうです。 一方、イ ンドでは原油輸入の減少で12月の貿易赤字が10ヵ月ぶりの低水準と なるなど、原油安のメリットが顕在化しつつあります。イ ン ドネ シア も原油安によ るインフレ率の鈍化を背景に、自動車販売など内需の回復が期待されます。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 1/5 ご参考資料 株 式 REIT 各国の株価指数の推移 各国のREIT指数の推移 (2012年1月末~2015年1月末、日次) 200 (2012年1月末~2015年1月末、月次) インドネシア 150 100 マレーシア 220 韓国 200 台湾 180 中国 160 インド 140 フィリピン 120 タイ 100 シンガポール 香港 50 12/1 240 香港 80 12/1 12/7 シンガポール 13/1 マレーシア 13/7 日本 14/1 14/7 15/1 (年/月) 13/1 14/1 15/1 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。使用している指数については4ページをご覧ください。 【前月の市場概況】 1月は、概ね上昇しました。 月初はギリシャ政局への懸念や原油安を受けたエネルギ ー関連株の下落で、各市場とも 下げたものの、ECB(欧州中央銀行)の量的金融緩和拡大や原油価格底入れへの期待から 反発に転じました。イ ンドは利下げやIMF(国際通貨基金)が6%台の成長見通しを維持した こと、イ ンドネシ ア は燃料補助金廃止による財政支出余力の拡大や原油安によるインフレ沈 静化への期待から、一時史上最高値を更新しました。フ ィ リピ ンも2014年10-12月期の実質 GDP成長率が高い伸びとなり、史上最高値を更新して引けました。一方、上 海総 合指 数は 中国企業の業績悪化や当局の信用取引検査への警戒感から、月間では9ヵ月ぶりに下落し ました。 【今後の見通し】 アジア株式市場はもみ合い推移が見込まれます。 マレーシアを除き、総じて原油安によるファンダメンタルズ (経済の基礎的条件)の改善が 期待されることから、多くの国では株価指数が高値圏にあるものの、先高観測は維持されそ うです。一方、ギリシャの債務問題やロシア・ウクライナ情勢の再緊迫化などのリスク要因の ほか、米国の利上げ観測などにも影響されやすいと見られ、もみ合い推移が続く見込みで す。 ※グラフ開始日を100として指数化。各国・地域のREIT指数は、S&P REIT指数(現地通貨建て、 配当なしベース)の各国・地域のインデックスを使用。 【前月の市場概況】 1月は香港・シ ンガポールとも上昇しました。 両市場ともに、米国の長期金利低下を受けて国内の長期金利が低下したことを好感し、月 を通じて堅調に推移しました。シ ンガポールでは2014年10-12月期の決算が概ね市場予想 通りとなったものの、一部投資家からの利益確定売りが強まったことから、月末にかけて上げ 幅を縮小する展開となりました。 【今後の見通し】 先行きは米国の利上げが想定されることから各国の長期金利上昇が懸念されますが、米 国の利上げペースは慎重かつ緩やかなものになると見込まれ、大幅な長期金利上昇の可能 性は低いと考えています。また業績面への影響は負債比率が低水準であることなどから、極 めて限定的と考えられます。株価は配当利回り水準や国債金利とのスプレッド水準共に先進 国と比較して引き続き魅力的な水準にあり、短期的には長期金利動向の影響を受けつつも、 その後はREITの良好な業績動向を背景に堅調に推移する展開が見込まれます。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 2/5 ご参考資料 債 券 為 替 各国の国債利回りの推移 各国の為替の推移(対円) (2012年1月末~2015年1月末、日次) (2012年1月末~2015年1月末、日次) (%) 180 12 10 インドネシア マレーシア タイ シンガポール インドネシア・ルピア フィリピン タイ・バーツ 160 シンガポール・ドル 8 140 6 マレーシア・リンギット 中国・人民元 120 4 香港ドル 2 0 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 100 インド・ルピー 80 フィリピン・ペソ 12/1 12/7 13/1 13/7 ※10年国債の利回り。 【前月の市場概況】 1月はアセアン主要国の国債利回りが総じて低下(価格は上昇)しました。 各国とも原油安を背景として総じてイ ンフレ率が鈍化するなか、相対的にファ ンダメンタル ズが健全でかつ利回り水準が高いことが評価され、海外からの資金流入が加速した模様で す。イ ンドネシ ア では1月より燃料補助金が撤廃され、ガソリン価格が変動制に移行しまし た。原油安の結果、ガソリン価格は昨年11月の統制価格引き上げ時よりも下落し、先行きの 物価沈静や金融緩和への期待の高まりから、国債利回りが急低下しました。 【今後の見通し】 アセアン主要国の国債市場は底堅い推移が見込まれます。 ECBによる量的金融緩和拡大の決定を受けて欧米主要国の長期金利は軒並み0~1%台 の低位で推移しています。利回りの絶対水準の高さ、原油安によるイ ンフレ沈静化および追 加金融緩和余地の拡大、新興国内での相対的な為替の安定など背景に、ア ジア 市場への 資金流入が継続する見通しです。 14/1 14/7 15/1 (年/月) (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。 【前月の市場概況】 1月のアジア通貨は対円ではインド・ルピーを除いて下落しました。 ギリシャ政局への懸念や原油価格の大幅下落でリスク回避志向が強まり、低リスク通貨と される円買いの動きからアジア通貨は下落しました。下旬以降はECBによる量的金融緩和拡 大の決定で市場心理が改善し、総じて下げ幅を縮小しました。原油安を背景に、原油の純輸 出国通貨であるマレーシ ア・リンギ ットの下げ幅は最大となりました。 一方、イ ンド・ルピーはインド準備銀行が金融緩和に踏み切ったことで先行きの景気が加 速するとの期待が高まり、上昇しました。 【今後の見通し】 アジア通貨は対円でもみ合い推移が見込まれます。 ECBによる量的金融緩和拡大の決定がアジア通貨の下支え要因となるものの、ギ リシ ャの 債務問題やロシア・ウクライナ情勢の再緊迫化などのリスク要因に加えて、先行きの米国の 利上げも意識されやすいことから、対円では方向観が定まりづらい状況が続きそうです。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 3/5 ご参考資料 アジア市場の主な指標(2014年12月末~2015年1月末、月次) 【株式・REIT】 【国債利回り】 国 1 2 月末 前月末比 指数名 中国 上海総合指数 ▲0.75% インドネシア 7.168% 7.796% ▲0.628 香港 ハンセンH株指数 ▲2.21% マレーシア 3.831% 4.147% ▲0.316 台湾 加権指数 0.59% フィリピン 4.034% 4.371% ▲0.336 韓国 韓国総合株価指数 1.76% タイ 2.616% 2.729% ▲0.113 インド ムンバイSENSEX指数 6.12% シンガポール 1.880% 2.280% ▲0.400 シンガポール ストレートタイムズ指数 0.77% マレーシア FTSEブルサマレーシア KLCI指数 1.14% インドネシア ジャカルタ総合指数 1.19% タイ SET指数 5.58% 通貨( 単位: 円) フィリピン フィリピン総合指数 6.35% 中国・人民元 18.93 19.37 ▲2.27% 香港 S&P香港REIT指数 7.98% 香港ドル 15.25 15.54 ▲1.87% シンガポール S&PシンガポールREIT指数 2.19% インド・ルピー 1.93 1.91 1.05% マレーシア S&PマレーシアREIT指数 2.15% インドネシア・ルピア 0.95 0.97 ▲2.06% シンガポール・ドル 87.45 91.15 ▲4.06% マレーシア・リンギット 32.59 34.43 ▲5.34% タイ・バーツ 3.61 3.65 ▲1.10% フィリピン・ペソ 2.68 2.70 ▲0.74% ※S&P REIT指数は現地通貨建て、配当なしベースを使用 月間騰落率 1 月末 国 ※10年国債の利回りを使用 【為替】 1 月末 1 2 月末 月間騰落率 ※インドネシア・ルピアは100ルピア当たりのデータ 【当資料の掲載内容について】 ※当資料に掲載している表やグラフは、信頼できると判断したデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成しています。 ※当資料に掲載している見通しは、レポート作成時点における三井住友トラスト・アセットマネジメントの見通しであり、将来の運用成果を保証するものではありません。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 4/5 ご参考資料 【ご留意事項】 ●当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるもの ではありません。ファンドの運用による損益は全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではありません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保 護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示唆あるいは保証するものではありません。 ●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発元もしくは公表元に帰属します。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 5/5
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