ご参考資料 マーケットフォーカス(アジア市場) 2016年6月号 2016年6月10日 経 済 各国の消費者物価指数(前年同月比)の推移 各国の実質GDP成長率(前年同期比)の推移 (2013年1‐3月期~2016年1‐3月期、四半期) (%) 10 (2013年5月~2016年5月、月次) (%) 12 10 各国の政策金利の推移 インドネシア タイ マレーシア フィリピン シンガポール 中国 8 5 0 (%) 10 8 6 6 4 4 (2013年5月末~2016年5月末、月次) インドネシア マレーシア タイ 中国 フィリピン 2 インドネシア タイ ‐5 13/1Q 13/3Q 14/1Q マレーシア シンガポール 14/3Q 15/1Q フィリピン 中国 15/3Q 16/1Q 2 0 ‐2 13/5 13/11 14/5 14/11 15/5 (年/期) 15/11 16/5 (年/月) ※マレーシア、シンガポール、中国は2016年4月までのデータを使用 【前月の市場概況】 中国では新築住宅価格の上昇傾向が続き、不動産開発投資の伸びが加速しました。一方、輸出入、鉱 工業生産、小売売上高など4月分の景気指標は市場予想を下回るものが目立ち、また、中国当局から先 行きの景気刺激策の実施に消極的な見解が示されたことから、景気減速のペースが和らぐとの期待が 後退したほか、不動産投資への依存の高まりに対する懸念が強まりました。 他のアジア新興国では2016年1-3月期の実質GDP(国内総生産)成長率が発表されました。フ ィリ ピン は個人消費が堅調に伸びたほか大統領選挙を前に官民の支出が拡大し、前年同期比で+6.9%と2年半 ぶりの高成長となりました。タイ は個人消費が伸び悩んだものの、観光業や公共投資が牽引、成長率は 1年ぶりに同+3%台を回復しました。一方、イ ンドネシ ア は政府支出や民間投資が伸び悩み、成長率は わずかに前期から減速、2四半期ぶりに同+5%水準を下回りました。マ レー シア は同+4.2%と6年半ぶり の低成長となりました。原油などの資源安を背景に官民の投資が落ち込んだほか、個人消費も低調とな りました。インフレ率は各国とも総じて落ち着いた推移が続きました。 0 13/5 13/11 14/5 14/11 15/5 15/11 16/5 (年/月) ※インドネシア:BI金利、マレーシア:翌日物政策金利、 フィリピン:翌日物借入金利、タイ:翌日物レポ金利、 中国:1年物貸出基準金利を使用 【今後の見通し】 中国では3月分の景気指標の改善で一時景気底入れ期待が高まったものの、 4月分の指標が総じて伸び悩んだこと、人民日報の報道などから習近平政権が 目先の経済成長よりも構造改革の進捗を優先させる方針と見られることなどか ら、当面は緩やかな景気減速が続きそうです。一方、5月の政府発表分の製造業 PMI(購買担当者指数)は50.1と3ヵ月連続で景気判断の分かれ目となる50を上 回っており、景気が急減速する可能性は小さいと見られます。 アセアン主要国では、中国の景気減速で外需の回復が遅れるなか、個人投資 や設備投資、政府によるインフラ整備などの公共投資といった各国毎の内需の 強さが経済成長率を左右しそうです。イ ンドネシ ア ではイ ンフレ率の鈍化、通貨 ルピアの落ち着きを背景に早期の追加利下げ期待が高まっています。フ ィリ ピン ではドゥテルテ新大統領が同国経済を成長軌道に乗せたアキノ政権の路線を継 承していくことができるのか注目されます。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 1/5 ご参考資料 株 式 REIT 各国の株価指数の推移 各国のREIT指数の推移 (2013年5月末~2016年5月末、日次) 260 (2013年5月末~2016年5月末、月次) 160 インドネシア マレーシア 220 マレーシア シンガポール 香港 日本 140 フィリピン タイ 180 120 シンガポール 中国 140 100 韓国 台湾 100 香港 60 13/5 インド 13/11 14/5 14/11 15/5 15/11 16/5 80 60 13/5 13/11 14/5 14/11 15/5 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。使用している指数については4ページをご覧ください。 【前月の市場概況】 5月の株式市場は高安まちまちの動きとなりました。2016年1-3月期の企業業績が改善し市 場心理が好転したイ ンド、6年ぶりの大統領選挙が終了し今後も高成長が続くとの期待が高 まったフィリピンが底堅く推移しました。1-3月期のGDP成長率が持ち直したタ イ や政権交代 による対中国関係の急速な悪化への懸念が一服した台 湾も月間で上昇しました。一方、足 もとで景気低迷が続くマ レーシ ア 、シンガポールは下落しました。上 海 総合 指数は国内の 商品先物市場の下落や景気指標の悪化を受けて売りが先行した後、閑散な取引が続きまし たが、月末には中国A株が市場指数に採用されるとの観測から資金流入期待が高まり急上 昇し、下げ幅を縮小しました。 【今後の見通し】 アジア株式市場は、もみ合い推移が見込まれます。 引き続き米国や中国の景気動向、原油先物の動向など外部要因に左右され、一時的に株 価の変動性が高まる場面もありそうです。6月後半にはFOMC(米連邦公開市場委員会)、英 国でのEU(欧州連合)離脱を問う国民投票を控えており、それまでは方向感の出にくい展開 となりそうです。中長期的にはアジア企業の業績の底打ちおよび各国の緩和的な金融政策 の効果から底堅い推移を見込みます。 15/11 16/5 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。各国・地域のREIT指数は、S&PグローバルREIT指数(現地 通貨ベース、配当なし)の各国・地域のインデックスを使用。 【前月の市場概況】 5月のアジアREIT市場は香港は小幅上昇となった一方、シ ンガポー ルは下落しました。前 月までのREIT価格上昇を受けて投資家による利益確定売りが見られたことや、4月開催の FOMC議事要旨の内容から米国の早期利上げ観測が高まったことが重石となりました。 【今後の見通し】 引き続き中国をはじめとするアジア各国の緩和的な金融政策や、景気の安定化が市場の 下支え要因になると期待されます。シ ンガポールREITの2016年1-3月期決算では配当金の 成長率に減速感が見られたものの、主要なREIT各社の業績は概ね底堅い内容となっていま す。またアジアREITの配当利回り、長期金利との利回り格差はともに魅力的な水準にありま す。短期的にはグローバルな株式市場や長期金利の動向、各国の政策の動きに左右され、 価格変動の高い展開が見込まれるものの、中期的には底堅い業績動向などが評価され、上 昇する展開を予想します。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 2/5 ご参考資料 債 券 為 替 各国の国債利回りの推移 (2013年5月末~2016年5月末、日次) (%) 12 10 各国の為替の推移(対円) インドネシア マレーシア タイ シンガポール (2013年5月末~2016年5月末、日次) 130 フィリピン インドネシア・ルピア マレーシア・リンギット 115 8 フィリピン・ペソ タイ・バーツ 6 100 シンガポール・ドル 4 中国・人民元 85 香港ドル 2 0 13/5 インド・ルピー 70 13/11 14/5 14/11 15/5 15/11 16/5 13/5 13/11 14/5 14/11 (年/月) ※10年国債の利回りを使用。 【前月の市場概況】 5月のアジア債券市場は、タイ 、シ ン ガ ポー ル、イ ン ドネ シ ア などを中心に利回りが上昇 (価格は下落)しました。 月前半は米国の低金利政策が長期化するとの見方を背景に米長期金利が低下したことか ら、ア ジア 国債の利回りも横ばい、またはやや低下方向で推移しました。月後半は4月の FOMC議事要旨の内容から米国の早期利上げ観測が高まり、アジア 国債の利回りは概ね上 昇しました。 【今後の見通し】 アジア債券市場は、底堅い推移が見込まれます。 短期的には先行きの米国の利上げ観測や米長期金利の動向の影響を受ける場面もありそ うです。一方、日本や欧州を中心に先進国の国債市場でマイナス金利が進む中、相対的に 利回り水準が高くかつ新興国の中で相対的にファンダメンタルズ (経済の基礎的条件)が安 定しているアジア国債市場に対しては、今後も海外からの一定の資金流入が続くと見込まれ ます。 15/5 15/11 16/5 (年/月) ※グラフ開始日を100として指数化。 【前月の市場概況】 5月のアジア通貨は多くが対円で下落しました。 4月28日に日銀が追加金融緩和を見送ったことで円買いの動きが強まった流れが続き、月 初に円高・アジア通貨安が進行しました。また4月のFOMC議事要旨公表を受けて米国の早 期利上げ観測が高まり、アジア内で相対的に財政や経済の基盤が弱いと見られるイ ン ドネ シア ・ルピア やマ レーシ ア ・リンギ ットの下げ幅が大きくなりました。イ ンド ・ル ピーは、イン ド株式の上昇で資金流出懸念が後退し、横ばいとなりました。一方、フ ィリ ピン ・ペ ソは大統 領選挙前に売り圧力が高まっていた反動から買い戻しが強まり、月間では対円で上昇しまし た。 【今後の見通し】 アジア通貨は、対円でもみ合い推移が見込まれます。 米国の利上げ観測はアジア通貨の重石となるものの、先行きの米利上げペースや米景気 の見通し次第ではリスク選好の動きが強まることから、一方的な円高・ア ジア 通貨安が進行 する展開は想定しづらいと見られます。また日銀が6、7月の金融政策決定会合で追加金融 緩和に踏み切るとの見方も根強く、引き続き変動要因となりそうです。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 3/5 ご参考資料 アジア市場の主な指標(2016年4月末~2016年5月末、月次) 【株式・REIT】 【国債利回り】 国 指数名 中国 上海総合指数 ▲0.74% インドネシア 7.874% 7.740% 0.134 香港 ハンセンH株指数 ▲2.62% マレーシア 3.928% 3.901% 0.027 台湾 加権指数 1.88% フィリピン 4.473% 4.582% ▲0.109 韓国 韓国総合株価指数 タイ 2.301% 1.795% 0.506 インド ムンバイSENSEX指数 4.14% シンガポール 2.238% 1.998% 0.240 シンガポール ストレートタイムズ指数 ▲1.67% マレーシア FTSEブルサマレーシア KLCI指数 ▲2.79% インドネシア ジャカルタ総合指数 ▲0.86% タイ SET指数 1.40% 通貨( 単位: 円) フィリピン フィリピン総合指数 3.38% 中国・人民元 16.85 16.89 ▲0.24% 香港 S&P香港REIT指数 0.63% 香港ドル 14.28 14.15 0.92% シンガポール S&PシンガポールREIT指数 インド・ルピー 1.66 1.66 0.00% マレーシア S&PマレーシアREIT指数 インドネシア・ルピア 0.81 0.83 ▲2.41% シンガポール・ドル 80.45 81.48 ▲1.26% マレーシア・リンギット 26.98 28.18 ▲4.26% タイ・バーツ 3.11 3.12 ▲0.32% フィリピン・ペソ 2.37 2.35 0.85% ※S&PグローバルREIT指数は現地通貨ベース、配当なしを使用 月間騰落率 国 ▲0.54% ▲2.50% 2.50% 5 月末 4 月末 前月末比 ※10年国債の利回りを使用 【為替】 4 月末 5 月末 月間騰落率 ※為替は本邦営業日ベース、インドネシア・ルピアは100ルピア当たりのデータ 【当資料の掲載内容について】 ※当資料に掲載している表やグラフは、信頼できると判断したデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成しています。 ※当資料に掲載している見通しは、レポート作成時点における三井住友トラスト・アセットマネジメントの見通しであり、将来の運用成果を保証するものではありません。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 4/5 ご参考資料 【ご留意事項】 ●当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるもの ではありません。ファンドの運用による損益は全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではありません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保 護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示唆あるいは保証するものではありません。 ●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発元もしくは公表元に帰属します。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 5/5
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