(アジア市場) 2017年1月号 経 済 2017年1月16日

ご参考資料
マーケットフォーカス(アジア市場) 2017年1月号
2017年1月16日
経 済
各国の消費者物価指数(前年同月比)の推移
各国の実質GDP成長率(前年同期比)の推移
(2013年7‐9月期~2016年7‐9月期、四半期)
(%)
10
(2013年12月~2016年12月、月次)
(%)
12
10
各国の政策金利の推移
インドネシア
タイ
マレーシア
シンガポール
フィリピン
中国
(2013年12月末~2016年12月末、月次)
(%)
10
8
インドネシア
マレーシア
タイ
中国
フィリピン
8
5
0
6
6
4
4
2
インドネシア
タイ
‐5
13/3Q
14/1Q
14/3Q
マレーシア
シンガポール
15/1Q
15/3Q
フィリピン
中国
16/1Q
16/3Q
2
0
‐2
13/12
14/6
14/12
15/6
15/12
16/6
16/12
0
13/12
14/6
14/12
15/6
(年/月)
(年/期)
※マレーシア、シンガポール、中国は2016年11月までのデータを使用
【前月の経済概況】
11月分の経済指標からは、中国景気が全体として引き続き回復方向にあることが確認されました。11
月は減税終了前の自動車の駆け込み需要や「光棍節(こうこんせつ:独身の日)」におけるネット販売の
盛り上がりなどが寄与し、小売売上高が前年同月比で11ヵ月ぶりの高い伸びとなりました。また、米ドル
建の輸入は国内外の需要回復を背景に鉄鉱石、石炭、銅など主要商品が大幅増となり、前年同月比で
2014年9月以来の高い伸びとなりました。鉱工業生産の伸びは小幅ながら前月から加速し、固定資産投
資の伸びは横ばいとなったもののその内訳の民間投資は伸びが持ち直しました。一方、政府による住宅
価格抑制策の効果から不動産投資や不動産販売の伸びは鈍化しました。
アセアン主要国では総じて緩やかな回復が続いている模様です。輸出は先進国の需要回復や資源価
格の持ち直しを受けて概ね前年同月比でプラスに転じつつある一方、内需の動向は国毎でやや分かれ
ました。フ ィリ ピンでは2016年10-12月期の消費者信頼感指数が過去最高となりました。同国内では、
ドゥテルテ政権のもとでの治安の回復や所得の増加に対する期待が根強い模様です。一方、タ イ では国
王死去に伴う自粛ムードが長引いていると見られ、11月の自動車販売台数の伸びや消費者信頼感指数
が悪化しました。
15/12
16/6
16/12
(年/月)
※インドネシア:2016年7月末までBI金利、同8月末から7日物リバース
レポ金利、マレーシア:翌日物政策金利、フィリピン:翌日物借入
金利、 タイ:翌日物レポ金利、中国:1年物貸出基準金利を使用
【今後の見通し】
中国では12月中旬に中央経済工作会議が開催され、2017年の経済運営に関
して、財政政策の方針を「さらに積極的かつ効果的に」とする一方、金融政策の
方針は昨年の「穏健」から「穏健中立」に変更しました。これは①引き続き構造改
革を進捗させる一方、経済や社会を安定させるため一定の減税や財政出動で景
気を下支えする、②金融政策はやや引き締め気味に調整し、資産バブルの抑制
に注力する方針と見られます。中国では景況感指標の改善傾向から過度な 減速
懸念は後退していますが、一方で金融市場では2017年の実質GDP(国内総生
産)成長率が2016年から小幅鈍化するとの見方が多い模様です。
アセアン主要国は引き続き内需が回復の牽引役となりそうです。外需は中国向
け輸出の大幅な伸びが期待しづらい中、米国の景気動向や米次期政権の通商
政策、商品市況の動向に左右されそうです。
当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。
当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。
1/5
株 式
REIT
各国の株価指数の推移
各国のREIT指数の推移
(2013年12月末~2016年12月末、日次)
260
インドネシア
マレーシア
220
フィリピン
(2013年12月末~2016年12月末、月次)
160
140
マレーシア
シンガポール
香港
日本
タイ
180
シンガポール
120
中国
140
韓国
100
台湾
100
香港
60
13/12
14/6
14/12
15/6
15/12
16/6
16/12
インド
80
13/12
14/6
14/12
15/6
15/12
16/6
(年/月)
※グラフ開始日を100として指数化。使用している指数については4ページをご覧ください。
【前月の市場概況】
12月のアジア株式市場はまちまちの動きとなりました。産油国の減産合意、米主要株価指
数の最高値更新、ECB(欧州中央銀行)による量的金融緩和策の延長などを背景に市場心
理が好転し、買い先行の展開となりました。その後13-14日のFOMC(米連邦公開市場委員
会)を受けて先行きの米利上げペースの加速が意識されると、資金流出懸念の再燃から多く
の市場が一時下落に転じました。
月間ではフィリピンが5ヵ月ぶり、韓国が3ヵ月ぶりに上昇しました。中国・上海総合指数は
保険会社に対する株式投資規制の強化や、短期金融市場での資金逼迫への懸念を背景に
3ヵ月ぶりに下落しました。
【今後の見通し】
アジア株式市場は、もみ合い推移が見込まれます。
アジアのファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が新興国内では相対的に安定しているこ
とに加え、主要国の景況感指標改善を受けたリスク選好の高まりや商品市況の持ち直しは、
アジア株式の下支え要因となりそうです。一方、1月20日に就任するトランプ米次期大統領が
保護主義的な発言を継続したり、対中国での強硬姿勢を強めたりするケースでは一時的に
株価が調整する場面も想定されます。
16/12
(年/月)
※グラフ開始日を100として指数化。各国・地域のREIT指数は、S&PグローバルREIT指数(現地
通貨ベース)の各国・地域のインデックスを使用。
【前月の市場概況】
12月のアジアREIT市場はまちまちとなりました。FOMCを受けて先行きの米利上げペースの
加速が意識されたことや、米国の追加利上げなどの影響による自国金利の上昇が嫌気さ
れ、シ ンガポール、香港はともに下落しました。国別では、米国に追随して利上げが実施さ
れた香港の下落幅が相対的に大きくなりました。
【今後の見通し】
欧米主要国では金利上昇への警戒感がくすぶり続けており、アジア REIT市場への影響が
懸念されるものの、アジア各国における緩和的な金融政策の維持と景気の安定化、投資家
による高利回り選好の動きが市場の下支えとなることが期待されます。また、ア ジアREIT市
場全体では堅調な配当成長が見込まれるほか、配当利回りや長期金利との利回り差はとも
に魅力的な水準にあります。今後も短期的には長期金利の動向や各国の金融政策の動きな
どに左右される展開が見込まれますが、中期的にはアジアREIT各社の概ね底堅い業績動向
などが評価され上昇する展開を予想します。
当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。
当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。
2/5
債 券
為 替
各国の国債利回りの推移
(2013年12月末~2016年12月末、日次)
(2013年12月末~2016年12月末、日次)
(%)
12
各国の為替の推移(対円)
130
インドネシア・ルピア
120
マレーシア・リンギット
8
110
フィリピン・ペソ
6
100
4
90
2
80
香港ドル
0
13/12
70
13/12
インド・ルピー
10
インドネシア
マレーシア
タイ
シンガポール
フィリピン
タイ・バーツ
シンガポール・ドル
14/6
14/12
15/6
15/12
16/6
16/12
(年/月)
※10年国債の利回りを使用。
【前月の市場概況】
12月のアジア債券市場はまちまちの動きとなりました。
月前半は11月の利回り上昇幅が大きかったことから外国人投資家による買い戻しの動きが
強まり、イ ンド ネシ ア 、マ レ ーシ ア などでは国債利回りが大幅に低下(価格は上昇)しまし
た。その後FOMCを受けて先行きの米利上げペースの加速が意識されると、利回りは上昇に
転じました。
月間ではイ ンドネシ ア 、マレーシア 、タイ の国債利回りが低下しました。一方、シ ンガポー
ルの国債利回りは概ね米国国債の利回りに連動して上下する展開が続き、月間で上昇しま
した。
【今後の見通し】
アジア債券市場は、引き続き米長期金利動向に左右される展開が見込まれます。
アセアン主要国のイ ンフレ率は原油価格の底入れを背景にやや強含みとなっているもの
の、依然として多くの国では各中央銀行や政府が目標とする水準を下回っています。米長期
金利の先高観測が和らげば、相対的に金利水準の高いアジア国債を買い戻す動きが強まり
そうです。当面は1月20日に就任となるトランプ米次期大統領の発言や、米国の景気・イ ンフ
レ指標などに振らされる展開を予想します。
中国・人民元
14/6
14/12
15/6
15/12
16/6
16/12
(年/月)
※グラフ開始日を100として指数化。
【前月の市場概況】
12月のアジア通貨は対円で総じて上昇しました。
FOMCを受けて先行きの米利上げペースの加速が意識されたこと、米国株式や原油先物
の上昇によって投資家のリスク選好の動きが強まったことから、円安・米ドル高が進行しまし
た。
アジア通貨は資金流出懸念の再燃から対米ドルで弱含む通貨もあったものの、対円では
上昇しました。通貨別では月間で対米ドルで反発に転じたイ ンド・ルピー、イ ン ドネ シア ・ル
ピア の上げ幅が大きくなりました。一方、シ ンガポール・ドルは対円でやや伸び悩みました。
【今後の見通し】
アジア通貨は、対円でもみ合い推移が見込まれます。
日銀の長短金利操作による国内金利の低位安定に加えて、主要国の景況感指標改善を
受けたリスク選好の高まり、商品市況の持ち直しなどは、円安・アジア 通貨高要因となりそう
です。一方、トランプ米次期大統領はその保護主義的な発言から過度な米ドル高を望んでい
ないとの見方が根強く、円高・米ドル安方向へのポジション調整の動きが強まる場合には、ア
ジア通貨が対円で下落する場面もありそうです。
当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。
当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。
3/5
アジア市場の主な指標(2016年11月末~2016年12月末、月次)
【株式・REIT】
【国債利回り】
国
1 1 月末
前月末比
指数名
中国
上海総合指数
▲4.50%
インドネシア
7.973%
8.137%
▲0.164
香港
ハンセンH株指数
▲4.50%
マレーシア
4.228%
4.405%
▲0.177
台湾
加権指数
0.14%
フィリピン
4.628%
4.520%
0.108
韓国
韓国総合株価指数
2.17%
タイ
2.648%
2.688%
▲0.040
インド
ムンバイSENSEX指数
▲0.10%
シンガポール
2.474%
2.298%
0.176
シンガポール
ストレートタイムズ指数
▲0.84%
マレーシア
FTSEブルサマレーシア KLCI指数
1.40%
インドネシア
ジャカルタ総合指数
2.87%
タイ
SET指数
2.17%
通貨( 単位: 円)
フィリピン
フィリピン総合指数
0.88%
中国・人民元
16.76
16.28
2.95%
香港
S&P香港REIT指数
▲5.14%
香港ドル
15.02
14.50
3.59%
シンガポール
S&PシンガポールREIT指数
▲2.10%
インド・ルピー
1.72
1.64
4.88%
マレーシア
S&PマレーシアREIT指数
インドネシア・ルピア
0.87
0.83
4.82%
シンガポール・ドル
80.63
78.97
2.10%
マレーシア・リンギット
25.98
25.18
3.18%
タイ・バーツ
3.25
3.16
2.85%
フィリピン・ペソ
2.34
2.26
3.54%
※各REIT指数は現地通貨ベース、配当なしを使用
月間騰落率
1 2 月末
国
2.49%
※10年国債の利回りを使用
【為替】
1 2 月末
1 1 月末
月間騰落率
※為替は本邦営業日ベース、インドネシア・ルピアは100ルピア当たりのデータ
【当資料の掲載内容について】
※当資料に掲載している表やグラフは、信頼できると判断したデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成しています。
※当資料に掲載している見通しは、レポート作成時点における三井住友トラスト・アセットマネジメントの見通しであり、将来の運用成果を保証するものではありません。
当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。
当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。
4/5
【ご留意事項】
●当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。
●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるもの
ではありません。ファンドの運用による損益は全て投資者の皆様に帰属します。
●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではありません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保
護基金の保護の対象ではありません。
●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また、今後予告なく変更される場合があります。
●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発元もしくは公表元に帰属します。
当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。
5/5