胃X線検査腹臥用遠隔圧迫メカニズム

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胃X線検査腹臥用遠隔圧迫メカニズム
岡山大学 大学院自然科学研究科(工) 産業創成工学専攻
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脇元 修一
【概 要】
腹臥位の胃X線検査において遠隔で腹部を圧迫可能な装置の開発を行っている.装置は胃X線検査
装置の寝台と被験者の腹部の間に挿入する必要があるため,X線透過性と安全を保証する柔軟性が求
められる.遠隔圧迫装置はラバー材料からなるバルーンとそれを覆う布製カバーから構成されてお
り,これらの性能を有している.
ルーチン検査用の圧迫量可変装置と精密検査用の圧迫位置可変装置をそれぞれ開発している.図 1
に圧迫量可変装置を示す. 2 段バルーン構造となっており,空気圧によって各々のバルーンを膨張
させることで圧迫量の調整を遠隔で即座に行うことが可能となっている.図 2 は圧迫位置可変装置で
あり,5 つのバルーンが 2 層に構成されており,駆動するバルーンを選択することで任意箇所の圧迫
が可能となっている.
図 1 圧迫量可変装置
図 2 圧迫位置可変装置
集団検診の胃X線検査において,従来のタオルを用いた手
法と圧迫量可変装置を用いた場合の比較を行った(図 3).実
施条件を統一し画像を取得した結果,約 70%の被験者の画像
において従来手法と比較し描出範囲が拡大されていることが
確認された.
タオル
圧迫量可変装置
圧迫位置可変装置を用いたボランティア試験では駆動
するバルーンを変更することで胃部内でのバリウムが流
図 3 圧迫量可変装置による撮影例
動し描出状態が変化することが確認された(図 4).
【新規性・独自性】
現在,腹臥位の胃X線検査において圧迫状態を可変にする
装置は実用されていない.本装置は検査室から透視映像を
確認しながら遠隔で圧迫状態を可変にすることが可能で
図 4 圧迫位置可変装置による撮影例
ある.
【事業化・用途】
胃X線検査の効率・検出精度の向上が見込まれ,X線検査装置の付属装置としての実用化が期待で
きる.
研究進度
共同研究等
の 意 向
□アイディア段階 □基礎研究段階 ■応用実用化研究段階 □試作・実証試験段階
X線検査装置の付属体としてのシステム構築など実用化に向けた取り組みを行いたい.
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