ブース てんかん・不整脈の創薬スクリーニングに向けた平面パッチクランプ装置 14 テーマ の開発 番 号 問 合 せ 先 岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 システム生理学 高橋 賢 Tel: 086-235-7119 Fax: 086-235-7430 E-mail: [email protected] 【概 要】 てんかんや不整脈などの治療薬開発に必要なイオンチャネル電流測定が行える平面パッチクランプ装置 を開発しました。既存のパッチクランプ装置は高価で、操作に熟練技術が必要です。当研究室はシリコーン 樹脂を用いて平面電極を作成する方法(特許番号:4899051)により、低価格、ハイスループットで熟練技術 が不要な装置を開発しました。 【新規性・独自性】 現在利用されているパッチクランプシステムは、従来型のガラス電極法(図・左)と比較的新しい平面電 極法(図・右)の 2 つに大別されます。従来型は、顕微鏡、3 軸マニピュレータ、アンプ、除震台、シールドケ ージなど様々な装置から構成されています。市販のパッチクランプ装置セットは主に海外メーカーが主流 です。単一電極仕様のもので約 2,000 万円、自動化システムは 3~4,000 万円と高価ですが、依然として 圧倒的なシェアを占めています。平面電極法装置も海外メーカーが販売していますが、単一電極仕様の 装置で 1,300 万円となお高価であり、普及には至っていません。 当研究室が開発した新規平面パッチクランプシステムは、大幅な価格低下を実現できるだけではあり ません。本装置の性能は、HEK293 細胞における強制発現系だけでなく、心筋培養細胞に自然に発現し ているイオンチャネルの電流記録が既存の装置と同等の精度を示したことにより実証されています。 【事業化・用途】 本装置の応用として、学術研究用・教育用への利用、創薬ハイスループットスクリーニング等が考えら れます。想定される販売先には、大学・研究機関(公的、企業)の医学・生物学研究者に加え、創薬研究 を行っている研究機関があります。開発予定の 96 電極パッチクランプ装置は医薬品のスクリーニングを 目的としており、製薬・バイオ企業の研究者・開発者を利用者として想定しています。また製品の操作が 簡単であることから、これまで操作の煩雑さのため導入を断念していた研究者、教育への利用等が新た な市場として期待されます。低コストの本装置は、新興国への販売も期待されます。 図. 左:ガラス管電極を使用する従来のパッチクランプ法、右:平面電極パッチクランプ法 研究進度 共同研究等 の 意 向 □アイディア段階 □基礎研究段階 ■応用実用化研究段階 41 □試作・実証試験段階
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