63 岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 病態制御科学専攻 病態機構

ブース
番 号
テーマ
の開発
問合せ先
【概
オゾン水を応用した歯科用ユニット内における微生物汚染制御システム
岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 病態制御科学専攻 病態機構学講座
歯周病態学分野 担当:高柴 正悟,伊東 孝,大久保 圭祐
TEL:086-235-6677,E-Mail:[email protected](伊東)
要】
歯科用ユニットの給水管路(DUWL)の微生物汚染は,易感染性宿主においては日和見感
染症の惹起が危惧される。安心・安全な歯科治療を行うために,DUWL における微生物(特
に従属栄養水生細菌)の汚染抑制システムの開発が急務である。
近年,様々な化学薬品を用いた微生物
汚染の除去システムが考案されてきた
が,コストや安全性の観点から普及まで
に至っていない。また,日本では DUWL
の水質の保証は義務化されていない背
景もある。そのため,歯科医療機関に広
く普及するには,取り扱いが容易で安価
なシステムであることが望まれる。
そこで,安全性が高くランニングコス
トを低減させた DUWL の微生物汚染制
御システムの開発を目的として,残留性
のないオゾン水を用いることに着目し
た。
桜川ポンプ製オゾン水発生装置
「OZS-PTDX」は大気中の酸素を利用しオゾ
ン水を精製する装置である。そして小型化,
ならびに簡略化に成功した機種であり,歯科
用ユニットへ組み込むことも可能である。さ
らに,殺菌効果の高いオゾンを効率よく水に
溶解することが可能なため,オゾン発生量が
少なく,使用機器への負担や周囲環境への影
響が少ない。in vitro での有効性試験によって,
DUWL 内の従属栄養水生細菌に対する殺菌効
果を確認できた。また安全性試験では DUWL
構成部品に対して明らかな為害作用は観察さ
れなかった。
(平成 25 年度岡山大学産学官融
合センタープレ共同研究支援事業の成果)
現在,上記成果からオゾン水発生装置を実装した DUWL 試作機を作製し,有効性・安全性
評価を実施中である(平成 26 年度橋渡し研究加速ネットワークプログラムの成果)
。
本研究の成果は DUWL に限らず,多くの医療機器の給水経路システムに応用できる可能性
がある。今後,歯科だけでなく他分野での用途開発も目指して行きたい。
研究進度
共同研究等
の 意 向
□アイディア段階 □基礎研究段階 ■応用実用化研究段階
医療機器全般,食品分野,ペット分野,農業分野など
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□試作・実証試験段階