CT透視下針穿刺用ロボットの開発-術者被ばくのない手技へ

ブース
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テーマ CT 透視下針穿刺用ロボットの開発―術者被ばくのない手技へー
番 号
問 合 せ 先 岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科(医) 平木 隆夫
E-mail [email protected]
岡山大学 大学院自然科学研究科(工) 松野 隆幸
E-mail [email protected]
岡山大学 大学院自然科学研究科(工) 亀川 哲志
E-mail [email protected]
Tel 086-251-8023 Fax 086-251-8023
【概 要】
CT 透視をガイドとして針を刺入して行うインターベンションには,生検,ドレナージ,ラジオ波治療,凍結療
法など多岐に渡っている.CT は視認性,客観性に優れており,CT 画像をリアルタイムに表示できる CT 透視
システムは,インターベンションのガイディングツールでとして極めて有用である.しかし,術者は CT ガントリ
ーの近くで手技を行うため,CT 透視を用いている間に被ばくする.特に針を把持する手が最もガントリーに
近く,被ばく量は最大である.
そこで我々は,術者が CT ガントリーから離れてロボットを遠隔操作することで穿刺を行うことにより,被ば
くを防ぐシステムを開発している.下図に開発中のロボットを示す.ロボットは5つの駆動部があり,術者は
家庭用ゲームのコントローラーを使って簡単にロボットを動かすことができる.今後ロボットの精度を高める
ことで実用化が大いに期待される.
【新規性・独自性】
本システムは,既存の IVR-CT 設備において遠隔で針穿刺を実現するロボットシステムであり,これまで
に類をみない.ロボティック IVR 特有の設計上の主な課題として,CT ガントリーの中の狭い空間で針をマニ
ピュレートして精度の高い針穿刺作業を達成しなくてはならないことと,アーチファクト(CT 画像上のノイズ)
を発生させないようなロボットの材料と形状の設計が必要である.試作機においては,これらの課題を解決
するために,平行リンク機構により構成されたロボット手先部を設計した.また,ファントム実験によりロボット
を遠隔操作してターゲットに針を穿刺する間に従者の被ばく量をゼロにできることを確認している.
【事業化・用途】
平成26年度に,厚生労働省 医療機器開発推進研究事業 人材育成と連動した国産医療機器の実用化
を目指す非臨床・臨床研究において,「CT 透視下針穿刺用医療ロボットの開発 ロボティック IVR の時代へ」
として我々の研究課題が採択された.3年後の臨床実験実施を目指して,臨床用の次期ロボットを開発中で
ある.
研 究 進 度 □アイディア段階 ■基礎研究段階 □応用実用化研究段階 □試作・実証試験段階
共同研究等 試作機開発において,すでにコアテック(株)と共同研究中であるが,製造・販売まで
の 意 向 見据えたパートナーを募集中
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