発表 4-1 学習指導の改善を図るための支援の在り方に関する研究 -授業の基礎・基本に関するブックレットの開発を通して- 教科教育室 丸 尾 秀 樹 中 岡 容 美 横 田 義 広 重 松 聖 二 河 野 美千代 陶 山 紀 宏 佐 藤 栄 治 清 水 幸 一 澤 田 美 和 1 研究の目的 愛媛県学力向上5か年計画(平成25年3月)では、学習指導の改善を行い、目標と指導と評価 が一体となった授業を実施することで、確かな学力を定着向上させ、学校教育の質の保証・向上 を図ることを目標としている。そこで、学習指導の改善を図るための支援の在り方に関する研究 を2年間行うこととし、1年目の本年度は、目標と指導と評価が一体となった授業を実施するた めに、ねらいを明確にした「分かる授業」、子ども主体の「考える授業」、確かな見取りによる 「伸びる授業」のイメージを明確にするための、授業づくりの基礎・基本に関するブックレット を開発し、学習指導の改善を図るための支援を行うことにした。 2 研究の内容 ⑴ 学習指導の現状と課題の把握 学習指導の現状と課題を把握するため、平成26年度の基礎研修受講者(初任者研修、5年経験 者研修、10年経験者研修受講者、合計415名)を対象に、「授業改善のための10 のチェックリス ト(愛媛県教育委員会作成)」に自由記述を加えたアンケート調査を行った。その分析結果を基に ブックレットの内容を検討した。 ⑵ ブックレットの作成 アンケートには、自分ではできていると認識している中にも、具体的な取組が十分でない場合 も見られたので、授業づくりの基礎・基本について、確認が必要だと思われる内容に重点を置い て作成することにした。また、受講者は、特に評価や授業方法について課題意識を持っているこ とが分かったので、その項目に関する基礎・基本を具体的に示し、内容を充実させることにした。 ⑶ ブックレットの構成 ア 分かる授業 「分かる授業」では、ねらいを明確にした分かる授業を行うための、基本的な授業づくりの 流れについて示した。教材研究の在り方、単元構成の考え方、1時間の授業の組み立て方と、 三つの段階による構成にした。 イ 考える授業 「考える授業」では、子ども主体の考える授業づくりについて示した。思考を大切にする発 問や板書等の工夫、子どもの思いを引き出す方法、協同的な学びを成立させるための手立て、 授業での学びをより確かなものにする環境の整備の、四つの内容で構成した。 ウ 伸びる授業 「伸びる授業」では、確かな見取りによる伸びる授業を行うための、学習状況を的確に把握 し学力の定着を図る方法を示した。評価問題の実施、様々な評価方法の活用、家庭学習と保護 者との連携の、三つの内容で構成した。 3 研究のまとめ 本研究は、研究の1年目として、学習指導の改善を図るための支援として、授業づくりの基礎・ 基本に関するブックレットを開発した。来年度は、このブックレットを学校現場に提供し、子ども の確かな学力の定着向上につながるように、活用方法も含めた支援を行っていきたい。また、子ど もの学びを確かなものにするために、学びについてのサポートシートの開発を行い、子どもが主体 的に学習に取り組むことができるような支援の在り方についても研究を進めていきたい。
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