7 「学習環境」の整備ってどういうこと ?;pdf

考える授業
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「学習環境」の整備ってどういうこと ?
い つ も 整 理 整 頓 に 気 を 配 っ て い ま す 。( 初 任 者 の 声 )
整 った教 室 では、子 どもも教 師 も気 持 ちよく一 日 を過 ごすことができます。
学 校 生 活 の大 半 を過 ごす教 室 は、こうした子 どもの精 神 面 だけでなく、学 習 面 にも
大 きな影 響 を与 えます。
「学 習 環 境 」の整 備 とは、教 室 環 境 を整 理 整 頓 するだけではなく、学 習 の
ねらいを意 識 し、子 どもが自 分 から興 味 をもって学 習 に取 り組 むことができ
るように環 境 を整 えることです。
学習意欲を高める工夫
1
安全で落ち着いた環境の整備
【安全で快適に過ごせる環境】
・机、椅子、ロッカー等の整理整頓、清掃等を確実に行う。
・画びょう、フックなど危険な物がないか、こまめに確認する。
【落ち着いた環境】
・教室前面は掲示物を特に厳選し、視覚的な刺激を減らす。
・掲示物をこまめに確認し、剥がれかけていれば直す。
2 計画的な環境の整備
○ 単 元 に 応 じ て 、関 連 す る 図 書 を 整 備 す る 、生 き 物 を 飼 育 す る 、関 連 す る 写
真や物品を展示するなど興味・関心をもたせる工夫を行う。
○ 子どもが制作した成果物や調べ学習の結果などをポスターにまとめて展
示し、子どもたちに身に付けてほしいこと、話題にしてほしいことを示す。
3 学習展開に応じた環境の整備
子 ど も の 学 習 状 況 に 応 じ て 、問 題 解 決 の 手 掛 か り と な る 資 料 コ ー ナ ー を 増 設
したり、前時までの学習過程を提示したりして、環境を再構成する。
教 室 掲 示 のコーナー例
授業改善のためのICT活用
考える授業
I C T 活 用 は 、子 ど も の 興 味 を 引 き 出 し 、学 力 の 定 着 に 有 効 な こ と は 、既 に 実
証されています。ICTの効果的な活用で、次のようなことが期待できます。
1
指示・説明が明確になる
】【 教 科 書 や ワ ー ク シ ー ト な ど を 大 き く 映 し て 説 明 】
実物投影機を用いて大きく提示した教材と、子どもの手元にあるものが同
じなので、注目させる場所や書き込む場所、線を引く場所などを確実に指示
できます。
【手元を大きく見せて説明】
算数で分度器の目盛の合わせ方や読み方を指導する、縫い物の手元の動き
を見せる、書写で手本や筆の動きを見せるなどの使い方ができます。
2
興味・関心を喚起することができる
【優れたコンテンツの利用】
実際に行くことができない場所や時代をイメージさせることができます。
【フラッシュ教材の利用】
課題を次々に提示していくことで、授業に変化をつけることができます。
3
理解を深めることができる
【実技・技能の振り返り】
体育の実技や英語のスピーチなどのパフォーマンスを録画してすぐに見せ、
説明しながら改善点を探ることができます。
【シミュレーションソフトを活用】
理 科 で 惑 星 の 運 動 と 太 陽 の 位 置 関 係 を 理 解 さ せ る な ど 、時 間 的・空 間 的 に 実
験が難しいものでも、再現して考察することができます。
I C T を 活 用 す る と 、子 ど も の 意 識 が 集 中 し や す く 、教 師 の 指 示 や 説 明 に 要
す る 時 間 が 短 縮 さ れ ま す 。そ こ で 生 ま れ た 時 間 的 余 裕 を 、子 ど も の 話 合 い や 活
動 の 時 間 に 充 て る こ と が で き ま す 。I C T が 日 常 的 に 活 用 で き る よ う に 環 境 を
整えましょう。
I C T 活 用 は 授 業 改 善 の た め の 有 効 な 手 段 で す が 、活 用 す る こ と 自 体 が 目 的
で は あ り ま せ ん 。授 業 の ね ら い を 達 成 す る た め の ツ ー ル と し て 活 用 し ま し ょ う 。
※
文 部 科 学 省「 学 びのイノベー ション事 業 実 証 研 究 報 告 書 」が参 考 になります。
環 境 に教 育 的 価 値 を含 ませることで、主 体 的 な子 どもの学 習 を促 しまし
ょう。そのためには、子 どもの身 の回 りの環 境 のもつ特 性 や特 質 について、
日 頃 から意 識 しておくことが大 切 です。