6 「考える力」ってどうすれば育つの?

考える授業
6
「考える力」ってどうすれば育つの?
話合い活動やペアでの活動を取り入れて、考えが深められ
る よ う に し て い ま す 。( 初 任 者 の 声 )
話 合 いの前 提 として、個 人 の考 えがしっかりとあること、他 の人 の考 えを聞 きたくなっ
ていることを意 識 しましょう。
学 習 内 容 に合 わせて、効 果 的 な学 習 形 態 (個 人 ・小 集 団 ・学 級 全 体 等 )を
選 択 したり、話 合 いの中 で「考 え」を視 覚 化 したりすることで、思 考 の 深 まり
や広 がりが期 待 できます。
聞いて考える力の育成
子どもは、
「 聞 く こ と 」、つ ま り 他 者 と 関 わ る こ と で 考 え を 深 め た り 広 め た り し
ま す 。ま た 、話 合 い に は 、自 分 の 考 え を も つ こ と も 必 要 で す 。指 導 内 容 や 学 習 活
動 、子 ど も の 実 態 に 応 じ て 、1 時 間 の 授 業 の 中 で も 複 数 の 学 習 形 態 を 選 択 し ま し
ょう。一般的に、次のような形態があります。
一斉学習
○
特長
△
留意点
○
全体に共通の課題を投げ掛け、多くの考えを知り、集団で思考すること
ができる。教師が子どもの反応を把握しやすい。
△ 子どもが受け身になることもある。興味・関心を高める工夫をし、全員
が考えることのできる課題を設定する必要がある。
小 集 団 学 習 (グループ、ペア)
○
一人一人が話合いに参加しやすく、互いの考えを深められる。それぞれ
の役割が明確になり、主体的な活動が期待できる。
△ 学習への参加の姿に偏りが見られる場合もある。同質か異質か、少人数
か多人数か等、意図をもってグループ編成を行う。目的に応じた明確な指
示をするとともに、必然性のある小集団学習となるように授業展開を工夫
する。
個別学習
○
一人一人の能力や適性に応じて指導でき、自分のペースで考えることが
できる。
△ 思考が広がったり、深まったりしにくい一面があるため、必要に応じて
教師が新しい視点を投げ掛ける。個別学習後は、それぞれの考えが生かさ
れるように授業を展開する。
考える授業
書いて考える力の育成
子 ど も は 、書 く こ と に よ っ て 思 い や 考 え を 整 理 し 、よ り は っ き り と 自 分 の 考 え
を自覚します。また、個々が頭に浮かんだことを書いて視覚化することにより、
集団として思いや考えを共有し、更に思考を深めることもできます。
学 習 活 動 に 応 じ て 、ワ ー ク シ ー ト 、ホ ワ イ ト ボ ー ド 、付 箋 紙 、模 造 紙 、電 子 黒
板などの準備をしましょう。
思考ツールの活用
思 考 ツ ー ル (グ ラ フ ィ ッ ク・オ ー ガ ナ イ ザ ー と も 言 い ま す 。)を 活 用 す る こ と で 、
話合いや学び合いの過程が目に見える形で残り、子どもが学びを実感できます。
思 考 場 面 を設 定 する
漠 然 と 「 考 え ま し ょ う 。」 と 指 示 す る の で は な く 、「 考 え の 共 通 点 や
相 違 点 を 見 付 け ま し ょ う 。」「 い ろ い ろ な 立 場 か ら 見 る と 、 ど の よ う に
感 じ る か 考 え ま し ょ う 。」 な ど 、 子 ど も に 考 え る 視 点 を 与 え ま し ょ う 。
そして、それぞれの思考場面で有効な思考ツールを用意しましょう。
情 報 や考 えを視 覚 化 させる
自分の考えを整理・分析するだけでなく、互いの考えを聞いたり操
作したりしながら、新たな視点を得ることができます。
事前に、個々がどのような考えや情報を、どの程度もっているのか
把握しておきましょう。
【ベン図】
【ウェビングマップ】
「 比 較 す る 」「 分 類 す る 」
「 多 面 的 に み る 」「 関 連 付 け る 」
共通点と相違点を整理する
多様なアイデアを生み出す
○○橋
小学校
まちの人
の考え
共
通
点
私たちの
考え
私 た ち
のまち
病院
△△寺
港
祭
り
参 考 : 文 部 科 学 省 『 今 、 求 められる力 を高 める総 合 的 な学 習 の時 間 の展 開 』
自 分 の意 見 を再 度 整 理 させる
友達と話し合った後、新たに生まれた気付きや意見を自分の中で再構成 させま
しょう。
思 考 ツールは数 多 くあります。各 学 校 で、必 要 なものを選 び、様 々な教 科
や内 容 の指 導 で活 用 しながら、考 えを深 める方 法 を検 討 しましょう。