PowerPoint プレゼンテーション

*グローバル投資環境 No.605*
ご参考資料
髙木証券投資情報部
ニュージーランド準銀総裁講演~為替レートの水準に言及
2014年5月8日作成
ニュージーランド準備銀行のウィーラー総裁は7日、「ニュー
ジーランド経済にとっての乳製品の重要性(The significance
of dairy to the New Zealand economy)」と題する講演を
行った。総裁は、「乳製品の輸出は過去20年の間に劇的に
増加し、同国の年間の輸出の約3割を占めている」とした上で、
基本的には「同産業は明るい未来を有している」との認識を示
したが、この講演において為替レートの水準について以下のよ
うにコメントした。
乳製品の輸出額の推移
*ニュージーランドドルの高い水準は、貿易(輸出)の強さと、他の
先進国と比較して相対的に強い同国の経済を反映したものである。
*NZ準銀は現在の為替レートが持続可能なものだとは考えておら
ず、以下に述べる要因のうちの一つまたはいくつかが現実のものと
なった場合には、NZドルは下落するだろう。
・米国経済の成長持続
・最近の高値からの乳製品の国際価格の下落の継続
・中国の成長鈍化
・金融市場のボラティリティーの上昇
・グローバル株式市場の調整など、「リスクオフイベント」生起
*NZドルが強さを持続すれば、それは輸入物価の低下として反映
されるだろう。こうした環境は、我々が政策金利引き上げの程度や
そのペースを決める際に考慮される要因となろう。
*仮に輸出価格の下落などファンダメンタルズが悪化する局面にお
いても通貨が高い水準を保った場合には、準銀が為替市場におい
てNZドル売りの介入を実施することがより適切になるだろう。
NZ準銀は、インフレ圧力の高まりが予想されることに対して、
直近の2回の理事会において25ベーシスずつの利上げを実
施したが、総裁は先に述べた通り、高い為替レートが輸入物
価を押し下げ、インフレ圧力を和らげることが、利上げのピッチ
を鈍らせる可能性に言及しており、講演後のNZドルは2011年
8月以来の高値水準から反落した。
しかし、総裁も指摘した通り、NZドル高は基本的には強固なファンダメンタルズに裏付けられたもの
であり(ニュージーランドの成長率は昨年後半には前期比3%を超える伸びを示しており、同国は英
国と並んで、主な先進国の中では最も成長率の高い国である)、こうしたファンダメンタルズを背景に、
先進国では最も早く「良い利上げ」を実施した国であることに変わりはない。 (文責:勇崎 聡)
(出所:ニュージーランド準備銀行及びBloombergのデータより髙木証券作成)
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