「雇用の質」の改善は進まず(2015/3/9作成)

*グローバル投資環境
米国2月雇用統計~
No.919*
ご参考資料
髙木証券投資情報部
雇用は順調に伸びるが、「雇用の質」の改
善は進まず
2015年3月9日作成
*米国労働省が6日に発表した2月の雇用統計によると、
事業所調査に基づく非農業部門雇用者数は前月比29.5
万人の増加となり、市場予想(23.5万人増)を上回った。
業種別では、教育・ヘルスケアが5.4万人増と引き続き高
い伸びを示したほか、レジャー・娯楽が6.6万人増、小売が
3.2万人増など内需関連業種が雇用増を牽引した。雇用
者数変化の過去分については、12月が32.9万人増で修
正なし、1月分は25.7万人増から23.9万人増に引き下げ
られた。また、家計調査に基づく失業率は1月の5.7%から
2008年5月以来の低水準となる5.5%に低下した。
*良好な雇用統計は、FRBによる金融政策の正常化を促
すものと受けとめられ、6日の米国市場では債券利回りが
上昇、それに伴って為替市場では米ドル高が進む一方、
株式市場は大幅安となった。FRBのイエレンは先月24日と
25日に行った議会証言で、利上げの前にフォワードガイダ
ンスを変更する、つまり「忍耐強く(can be patient)」を削
除することを示唆したが、「フォワードガイダンスの変更は、
今後数回の会合で必ず利上げを行うと解釈されるべきで
はない」と述べたことを受けて、利上げ時期が読みにくくな
ったとの見方から投資家が経済指標を注視する姿勢を強
めつつある中で、FRBが政策判断の上で最も重視する指
標の一つである雇用統計でのポジティブサプライズに敏感
に反応した格好だ。
*ところで、イエレン議長は先に述べた議会証言で雇用情
勢について、「広汎な改善をみせた」と前向きに評価する
一方、「労働参加率は多くの人が考えるトレンドよりも低く、
賃金の伸びも緩慢だ」として、「雇用の質」の改善は十分
でないとの認識を示している。今回の雇用統計でも、雇用者数が力強い伸びを続ける一方、労働
参加率は前月比0.1ポイント低下の62.8%となり、昨年12月に記録した1978年以来の最低水準
に再び近づいたほか、平均時給も24.78ドルと前月比僅かに3セントの増加にとどまるなど、議長が
指摘した点には大きな変化はみられない。2月18日に公表された前回(1月27~28日)FOMC議
事録は「ハト派」色が強いものだったが、雇用統計を受けてFRBの姿勢に変化がみられるのか?今
月17~18日に開かれるFOMCの声明文と議長の会見が注目される。
(文責:勇崎 聡)
(出所:米国労働省及びFRBより髙木証券作成)
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