OE08 運用ナレッジの活用・整備 要旨 ナレッジほいほい~誘引剤はあなたのイイね!~ 1.はじめに 昨今、システムと同様に運用ナレッジは多様化、巨大化し続けており、システム運用の 効率化と品質向上の為に「運用ナレッジの活用・整備」の活動が重要となっている。 活動の継続には適切な「ナレッジマネジメント」の実施が必要で、そのベースとなるナ レッジ共有活動は特に重要な役割を担っている。 ナレッジ共有活動は、今や企業の必須プロセスで重要性は非常に高く、活性化の為に多 くの労力が注がれている。 しかし、ほとんどの企業で課題を抱えているのが現状である。 OE08グループでは、ナレッジ共有活動が抱える課題について調査し、その解決策に ついて検証と考察を行った。 2.ナレッジ共有活動が抱える課題 ナレッジ共有活動は、ほとんどの企業で実施されており、その支援を目的とした様々な ツールやフレームワークが存在する。これらは、システム運用の効率化と品質向上の為に 何回も改良を重ねているので、完成度は高く成熟されたものである。 それ故、我々はツール等の仕組みではなく、共有活動を行う人間側の意識に課題の要因 があると想定し、所属メンバー各社で実施されている活動での課題・原因の調査を実施し た。 結果、ナレッジの提供者と参照者の2つの立場に分かれたものとなった。 <表 1.ナレッジ共有活動の課題と原因> 立場 提供者 参照者 内容 課題 積極的にナレッジの共有はできていない。 原因 共有するメリットがない。時間がない。面倒くさい。 課題 有用なナレッジであるか判断ができない。 原因 ナレッジ自体の有用性を示す情報が無い。 この結果から、参照者側の課題は提供者側の課題に起因するものであり、提供者側の課 題を解決することで双方の課題が解決し、ナレッジ共有活動の活性化へとつながるという 関係が浮き彫りとなった。 OE08グループは、 「ナレッジの共有行動に対する評価付け」が課題解決の鍵となると 考え、研究テーマとして設定し、検証と考察をすすめていくことにした。 2014 Beacon Users' Group OE08 運用ナレッジの活用・整備 要旨 3.検証、分析 ① ナレッジ評価方法の検討 ナレッジ共有活動の活性化にはナレッジの評価をすることが鍵となるという仮説のも と、どのような評価方法が効果的であるかを検討した結果、自由に評価できる仕組みが 有効であると考えた。また、評価方法は行動毎に異なるポイントを設定した定量評価と し、重要な行動を高いポイントとすることで、共有活動で最も活発になるべき行動の促 進を図った。 ② 第 1 回検証 検証用環境を作成し、その環境で実際に共有活動をする検証を開始した。 ナレッジ活動を評価しないフェーズと評価するフェーズで検証を行い、行動のアクティ ビティーやアンケート調査でのデータを集計、比較、分析し効果を確認したが、予想と 異なる結果となってしまった。 ③ 第 2 回検証 第 1 回検証の結果を再度、深掘りすることで、ある条件が不足しているという仮説のも と再度検証を実施し、第 1 回検証と同様にデータの分析および効果の確認を行った。 4.成果 この研究を進めることで以下の成果が見込まれる。 ① ナレッジ提供者、参照者の双方へのメリット 提供者、参照者のモチベーションの向上。 ナレッジの提供が活発になり、参照者が有益なナレッジを取得可能となる。 ② ナレッジの品質向上 ナレッジへの質問・指摘の活性化によるナレッジ自体の品質向上。 ③ コミュニケーション活性化 提供者、参照者同士のコミュニケーションの活性化。 以上 2014 Beacon Users' Group
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