ちっきー式テキストマイニング ~安心してください

IE09 企業内データの活用
要旨
ちっきー式テキストマイニング
~安心してください!専門家は不要ですから!~
■背景・動機
現在、企業が保有する顧客に関する情報は大量に存在している。顧客の年齢や性別、家
族構成など、それらの情報は商品開発や顧客獲得などに活用され、企業にとって非常に大
きな財産となっている。
しかし、その大量の情報の中には、企業がまだまだ活用しきれていない眠った情報が存
在する。その一つが【テキストデータ】である。商品に対する口コミやレビューなど、顧
客が自由に表現できる半面、我々企業が分析するにはあまりにも定量化されておらず、"手
軽に上手く"活用できている企業はまだまだ多くない。その背景には、それらの定量化され
ていない【テキストデータ】の分析手法(以下、テキストマイニング)が、構造化された
データの分析に比べ、難しいと捉えられていることがある。
事実、今回の研究を行うにあたって、研究会関係者にテキストマイニングに関する意識
調査を行ったところ、結果は以下の通りであった。
上記結果からも、まだまだテキストマイニングに対する認知度・理解度は低く、その可
能性すらも不透明な状態であることがわかる。
■目的
我々の研究の目的は、難解な統計学や、難しいプログラムを使用することなく、手軽に
行えるテキストマイニングで、業務改善、製品改善を実現することが可能かを証明するこ
とである。
現状【テキストデータ】を活用したいと思っているが取り組めていない企業だけではな
く、テキストマイニングというワード自体を知らない企業も対象に含めて、新たなデータ
活用の道を切り開く第一歩を提案することが、我々の研究の最大目標である。
2015 Beacon Users' Group
IE09 企業内データの活用
要旨
■研究方法
インターネット上に存在する商品に対するレビューや口コミを収集し、テキストマイニ
ングツールによって分析を行う。それによって得られた結果を考察し、テキストマイニン
グによって得られる有益な情報を導き出す。今回の研究では、身近な口コミデータを分析
対象として、一つの製品に対するレビューデータの分析を進めた。
収集した情報を、販売元のメーカーや価格帯、製品に対する評価など様々な視点(カテ
ゴライズ)から分析を行い、企業としてどの様に次の製品に繋げていくべきかを導き出す
ことを、主な研究とした。
■結果・考察
我々の分析では、製品レビューや口コミデータに含まれる言葉やセンテンスの傾向をも
とに、自社製品に対する顧客の要望や、感じていることを可視化することができた。それ
らは、必ずしも肯定的なものだけではなく否定的な表現も含まれており、膨大なテキスト
データに隠された顧客の"想い"を見ることができた。
「評価が高い」
「低価格」といった情報は必ずしも売り上げに繋がるとは限らないといっ
たことも、その"想い"から汲み取ることができた。製品レビューや口コミのような、フリ
ーフォーマットな情報には、定量的な評価指数等とは違い、それを書いた人間の"想い"が
多く反映されている。
その"想い"を最大限汲み取ることができるのがテキストマイニングであり、テキストデ
ータを分析することの最大の意味であると結論付けた。必ずしもすべての顧客の"想い"を
汲み取ることができるとは言えないかもしれないが、分析を行うことで今後の傾向や動向
を先読みすることは十分に可能であることが分かった。
それは業務改善、製品改善に必要な有益な情報であることは間違いない。
眠るテキストデータ
分析
業績 UP!?
今回、企業内で眠ったデータを呼び覚ますことができたものは、限られた範囲のごく一
部に過ぎない。これらの分析手法・ノウハウをもとに、さらなる眠ったデータの活用が今
後期待される。
我々の研究成果は、そんな可能性に対する大きな第一歩となる。
2015 Beacon Users' Group