(No.1,534)〈マーケットレポートNo.4,079〉 2015年3月13日 「ギリシャ支援」交渉がスタート(欧州) 欧州連合(EU)は、「ギリシャ支援」策の期限を4カ月延長し6月末としました。延長後のスケジュー ルでは、ギリシャは改革具体策をEUなどの債権者側に提出し、4月末を期限にEUが承認、その後6 月末までに、既存プログラムの修正検討をEUが行う予定です。また、欧州中央銀行(ECB)に対す る約67億ユーロの国債償還が7月、8月に控え、その前の6月末に交渉期限が設けられました。 12日に債権者側がギリシャ入り 財政・経済構造改革に関するデータ収集を開始 ■3月9日のユーロ圏財務相会合を受けて、ギリシャとEUの実務協議が開始され、債権者側の専門家 チームが12日からギリシャで、必要データの収集を開始することとなりました。今回の専門家チームの データ収集は、昨年後半に中断された債権者側による定期レビューも兼ねており、既存プログラムの 元での支援を再開する交渉がスタートしたことになります。 ■ギリシャは、支援期限の延長を求める際に「年金制度改革と歳出の聖域なき見直し」や「滞納税の徴 収強化」などの改革を行う方針を示しており、その具体策を詰めるプロセスに入りました。 財政が急速に悪化 ECBの緊急融資増額も期待 ■2月27日の期限延長後、専門家チームの 受け入れまでに2週間近くを要しました。反 緊縮財政を掲げるチプラス政権の歩み寄り が難しかったことが背景です。しかし、税金 の滞納もあり、財政は予想を上回るペース で悪化し、政府の現金が底をつくことが迫り、 受け入れを決めた模様です。 ■専門家チームの受け入れは、欧州中央銀 行(ECB)からの緊急融資などの増額折衝 にも有利に働くとの期待もあると見られます。 EU ECB ギリシャ 財政破たん回避に向けて、双方の歩み寄りに期待 ■ギリシャがまず歩み寄りを ■欧州の金融システムは強化 交渉は難航が予想されます。EUは、ギリシャの ユーロ圏離脱を求める動きがスペインなどの他の 加盟国に広がることは避けたいところです。チプラ ス政権が、全面的な反緊縮財政ではなく、緊縮策 の部分的な緩和などで折り合いをつける姿勢に 傾けば、支援側に妥協の余地が出てくると予想さ れます。しかし、チプラス政権にとっては反緊縮が 政権のよりどころであり、方針転換と受け止めら れる選択は非常に難しい情勢です。 昨年11月に銀行の単一監督メカニズム(SSM)が 始まり、前回のギリシャ危機時と比べ、欧州の金 融システムは強化されています。仮に、ギリシャの 銀行が破たんする事態となっても、ユーロ圏全体 の金融システムに与える影響は限定的と見られま す。とはいえ、ギリシャが財政破たんすれば、同国 の景気が大きく後退するなどの悪影響が懸念され、 解決に向けた双方の歩み寄りが期待されます。 2015年03月06日 ユーロ圏の金融政策(2015年3月) 3月9日から国債などの購入を開始 2015年02月19日 「ギリシャ支援」は新たな展開へ(欧州) ■当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘す るものではありません。■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。■当資料の内容は作成基準日現在のもので あり、将来予告なく変更されることがあります。■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想で あり、今後の市場環境等を保証するものではありません。■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完 全性を保証するものではありません。■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者お よび許諾者に帰属します。■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
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