九州のがんばる農山漁村の女性たち Vol.14 取材日:H26.11.13 ゆす村農園有限会社 取締役 ひがし あいり 東 愛理 さん 〔プロフィール〕 就農のきっかけ 大学在学中にトロピカルフルーツの栽培を手 がける 営農地・農産物 鹿児島県日置市でアボカド・トロピカルフ ルーツの苗木を生産・販売 活用支援策 農の雇用事業(農業法人等就業実践研修支援 事業) 鹿児島から全国へ国産のアボカド・マンゴーなどトロピカルフルーツを広めていき たいと思い、苗木を作り販売している東愛理さんの取組をご紹介します。 鹿児島から全国へ国産のトロピカルフルーツを発信したい! 小学生の頃、祖父母の家庭菜園やニワトリを飼っていたことに影響され、 「将来は農業をやりたい!」という思いを抱きました。しかしながら周りか ら「厳しいよ」と論され、密かに心の中にあたためていました。短大で農業 経済を学ぶ中で「鹿児島の経済には農業が大切」と思い至り、2年生の時に 農業大学校でも熱帯果樹の授業を受け、ダブルスクール生活で経営と技術を 学びました。特に農大の熱帯果樹の先生に感銘を受け、「トロピカルフルー ツを鹿児島から全国に発信したい!」と決心し、在学中に祖父母の庭に手づ くりのビニールハウスを作り、開園の準備を始めました。 近隣の方々の協力のもと規模拡大し「ゆす村農園」を設立しましたが、栽 培は学んだようにうまくいかず、農大との設備の違いを痛感しました。試行 錯誤しながらも育てることは楽しく、熱帯果樹の苗木の需要もあったことか ら設立9年目の現在は、道の駅やインターネットで苗木を販売し、果樹生産の 拡大に向けて国産アボカドの試食会を開催するなど、周知活動に励んでいま す。また、果実の自社生産と農園の規模拡大に向けて新しい農地を開墾中で す。 ※アボカドは品種ごとに味が 違うため、学生と食べ比べを 行ったり、フランス料理の シェフに自慢の国産アボカド を用いたコース料理を作って もらったりして、普及活動し ています! ∼母校の学術講演会に講師として出席しました!∼ 平成24年、出身大学で「トロピカルフルーツの風を鹿児島から」と 題し、講演会を行いました。就農に至るまでのきっかけや取組内容、栽 培の様子などを紹介し、農業を身近に感じてもらえたのではないかと 思っています。 ∼国産アボカドは普及啓発活動中!∼ 現在、市場のアボカドのほとんどは輸入品です。 国産アボカドを多くの消費者に食べてもらいたいので、 苗木の販売先には栽培方法を伝授して生産者を増やし、 生産した果実はイベントの時に種類ごとの食べ方など 紹介しています。現在12種類のアボカドを作っており、 品種ごとにリレーすると半年間収穫が可能です。ハウス 栽培が主ですが、暖かい地域では露地栽培も可能で、 アボカドの中でも、日本でよく出 回っている品種「ハス」は、一つ 管理も比較的簡単なので、「国産」という付加価値の の木で食べ比べできます。木の上 付いたアボカドは、将来性のあるフルーツだと期待して の方はあっさり、下のほうは油分 が多く濃厚なんですよ! います! 就農できたのは「人との繋がり」のお陰です! 在学中のビニールハウス作りでは、家族や友人に手伝って もらい、農園設立時には祖父母の知り合いから土地を貸して いただきました。祖父母とは現在も一緒に農業をしています。 また、農業大学校では素晴らし先生方との出会いもあり、就 農することができたと感謝しています。先生方とは現在も交 流させていただき、日本熱帯果樹協会で情報交換や講習会を 開催しています。これからも人と人との繋がりを大切にして いきたいと思います。 「現代農業」でアボカドやライチの記事を掲載しました! 月刊「現代農業」で、平成25年に「国産アボカドを広めたい!」と題し、アボカ ドの栄養価の高さや栽培方法、美味しさの秘密について寄稿し、26年には「国産ラ イチの魅力を、この感動を、もっともっと広めたい!」題し、みずみずしく身体に良 いライチの品種紹介やライチを好んだ歴史人物の紹介など寄稿しました。トロピカル フルーツの素晴らしさをこれからもドンドン伝えていきたいです。 これからがんばる農山漁村の女性たちへのメッセージ ∼植物に触れることで毎日が楽しく、 充実した日々を過ごしています!∼ 就農してから現在に至るまで、ただがむしゃら に励んできました。植物に触れることで毎日が楽 しく、充実した日々を過ごしています。思うよう に実らなかったり、価格に反映されないこともあ りますが、「大変でも続けていれば何とかな る!」と前向きに取り組んでいます。国産トロピ カルフルーツを鹿児島から全国へ発信できるよう、 これからも頑張ります!
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