あっちの話こっちの話(848KB)

三日に一回のミカンの皮汁でチョウが寄らない
加藤 友
また、ミカンの皮汁をかけると﹁野菜が軟ら
かくておいしくなるの﹂と、直売所ですぐ売れ
らにアップするとのこと。
るにつれてどんどん増えるモンシロチョウの対
てしまう野菜づくりの秘密を教えてくれました。
どに卵を産みつけなくなるそうです。たまに木
チョウはキャベツ、ハクサイ、ブロッコリーな
ます。ミカンのにおいを嫌うからか、モンシロ
安田さんは、湯呑み二杯分のミカンの皮汁を
一斗の水で薄めて、ジョウロで野菜にかけてい
以上持ちます。
ら、ペットボトルに移せば完成。冷暗所で一年
三 〇 分 間 煮 出 し ま す。 こ れ を 布 巾 で 濾 し な が
鍋に三升の水を張り、天日干ししたミカンの
皮を水面が見えなくなるくらいたっぷり入れ、
た。
策に使うのはミカンの皮汁。作り方を聞きまし
雲南市の直売農家、安田ヨシ子さんは、無農
薬の野菜づくりにこだわっています。暖かくな
うん なん
から
酢も湯呑み一杯分混ぜてやると、防虫効果はさ
( 39 )
現代農業 2016.5
島根
イネの余り苗でブルーベリーのマルチ、追肥の効果も
石垣棚田ハウス、ミニトマトを二年半の超長期どり
ーがとれているそうです。
近所の農家から教えてもらったこの方法、元
肥も追肥もなしで、七年間鈴なりのブルーベリ
もラクです。
か つ て は、 ア ゼ の 刈 り 草 を 敷 い て い ま し た
が、運搬が大変でした。余り苗なら、もち運び
いうのです。
マット状の苗がマルチの代わりになって草を
抑えるうえ、苗箱内の残肥が追肥として効くと
元に、樹を囲むように置いています。
誠さんは、余り苗を自家用のブルーベリーの株
田植え後に余ってしまった苗、捨てるのはも
ったいないですよね。黒石市の稲作農家、工藤
から
から
樋口維史
落合 澄
現代農業 2016.5
( 40 )
青森
長崎
南向きのハウスで、なんと二年半ものあいだ、
長崎市の中でも寒暖の差が激しい山あいの集
落に住む平尾和夫さん。石垣の棚田を利用した
ドネットをよじ登り、冬までには天井に張った
栽培︵無整枝栽培︶でつくるミニトマト。サイ
し、三本仕立てにします。その後はソバージュ
間 七 〇 ㎝ で 寝 か せ 植 え。 二 本 の わ き 芽 を 誘 引
ミニトマト︵品種はアイコ︶をとり続けたそう
ネットに届きます。
春、図のようなハウスに、二〇〇本の苗を株
冬は、日差しで石垣が蓄熱するからか、外気
温がマイナス二度でもハウスの中は暖かく、一
です。
月初旬まで直売所に出荷できたそうです。
その後、いったん生育は止まりますが、三月
中旬には樹が動き出します。
二年目の夏には、天井ネットからはみ出た生
長点がぶら下がり、地面に着くぐらい伸びたの
ですべて摘心。すると、わき芽から一斉に花が
咲き、収穫のピークを迎えたそうです。
﹁石垣の保温効果のおかげで越冬できた﹂と平
尾さん。三年前に植えたトマトは、二冬を越え
て去年の秋に株が老化して枯れてしまったそう
ですが、とても楽しかったと嬉しそうに話して
くれました。
( 41 )
現代農業 2016.5
四反のリンゴの受粉、動散使えば二〇分
来、二〇年間実践してますが、まったく問題な
ま す。 そ こ で た ど り 着 い た の が こ の 方 法。 以
の交配は難しく、梵天での作業は時間がかかり
ネットを掛けています。そのため、ミツバチで
北條さんの住む地区では、春から雹がふるこ
とが多いため、すべての畑に棚を設置し、防雹
畑が二〇∼三〇分で終わります。
かるように各列を歩きますが、それでも四反の
で、受粉作業はおしまいです。すべての花にか
へ。 噴 口 を 左 右 に 振 り な が ら 早 歩 き す る だ け
やり方は、花粉三〇〇g、片栗粉五㎏、石松
子三〇〇gを混ぜ、一〇ℓ容量の動散のタンク
じ︶の受粉作業をしています。
白河市で果樹を多品目栽培する北條雄三さん
は、 背 負 い 式 動 力 散 布 機 で リ ン ゴ︵ 品 種 は ふ
から
く着果しているそうです。
佐藤嗣高
現代農業 2016.5
( 42 )
福島
自家製土着菌入りのエサで、糞も牛舎もにおわない
遠川千聡
分のおにぎり︵底板どうしの間に二∼三㎜の隙
間が空いた杉の木箱の中に並べ、上に乾燥防止
き
壱岐市で繁殖牛を一五頭飼う白川厚司さんの
牛舎はニオイが少ない。その秘密は、自家製の
土着菌のタネ菌は、竹林の落ち葉の中に一升
二 ∼ 三 週 間 後、 白 い 菌 糸 が 回 っ た お に ぎ り
を、米ヌカ一五㎏、糖蜜一・五㎏、水一〇ℓと
の布を被せる︶を埋めて採ります。
い
から
土着菌です。
混ぜ合わせます。途中、何度か切り返しながら
二∼三週間発酵させ、水分が飛んでパラパラに
なったら完成です。次に作るときは、これをタ
ネ菌にして殖やせます。
白川さんはこの土着菌を、三日に一度、エサ
に一握り分混ぜたり、敷料にパラパラまいたり
し ま す。 曰 く、
﹁エサの食いつきもよくなる
し、お腹の調子もいいみたい。なにより、糞が
ぜんぜんにおわないんだよ﹂
。
その糞で作った堆肥は、おいしい野菜ができ
ると評判だそうです。
( 43 )
現代農業 2016.5
長崎