短期予報解説資料[pdf]

短期予報解説資料1 2017年1月26日03時40分発表
気象庁 予報部
1.実況上の着目点
①日本付近は移動性高気圧に覆われ、晴れ
て、北日本から九州南部の広い範囲で氷点
下まで気温が低下している所が多い。北日
本日本海側から北陸地方では降雪の所もあ
るが、範囲も縮小している。
②南西諸島には、高気圧の縁を回る湿った
空気が入り、降水域が点在している。気圧
の傾きが大きく、風が強く、波が高い。
③中国東北区から華北にかけては 500hPa
のスケールの大きいリッジがあって、その
北西側に、5100~5400m にかけてのトラフ
がある。
2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
① 1 項③の 500hPa リッジが、26 日夜にかけて日本付近に進み、地上は高気圧に広く覆われる。西日
本から東日本を中心に広い範囲で晴れ、北日本日本海側や北陸地方の降水も、次第に止む。
②沖縄では、1 項②の状態が 26 日にかけて続き、500hPa5520~5760m 付近のトラフ通過のタイミング
で大気の状態が不安定となる可能性がある。風が強く波も高く、強風や高波に注意。
③ 26 日夜には、1 項③のトラフは深まりながら東進し、対応する低気圧は 26 日夜には前線を伴い中
国東北区に進む。低気圧の東進に伴い、2 項①の高気圧との間で次第に気圧の傾きが大きくなるため、
26 日夜には日本海で 35kt [GW]級の風が吹く見込み。
④北海道の北を発達しながら進む低気圧の影響で、北日本から西日本にかけて気圧の傾きが大きくな
るため、広い範囲で強風や高波に注意。27 日の寒冷前線通過までは暖気が入り気温が上昇するが、寒
冷前線通過後は下層寒気移流が強まる。雨も降るため雪解けが進み、なだれや融雪に注意すると共に、
山地では着雪害にも注意。北日本から西日本の日本海側を中心に大気の状態は不安定となるため、落
雷や突風に注意。寒気移流が強まる夜には、北日本では猛吹雪や大しけとなる所があり、28 日にかけ
て暴風雪や高波に警戒。
3.数値予報資料解釈上の留意点
① 総観場は最新 GSM を基本とする。風や降水の予想は MSM も参考にする。
4.防災関連事項 [量的予報と根拠]
① 大雨・大雪ポテンシャル(06 時からの 24 時間):高い所はない。
② 波浪(明日まで):北日本 6m、北陸 5m、中国・近畿・沖縄 4m、関東・東海・九州北部 3m。
5.全般気象情報発表の有無
暴風雪と高波に関する全般気象情報」を 5 時頃に発表予定です。
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量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。