短期予報解説資料1 2016年10月7日03時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①台風第 19 号は、南シナ海を ゆっくり西進している。先島諸 島には、台風の東側の活発な対 流雲がかかり、雷を伴った激し い雨が断続している。 ②北海道付近を 500hPa 5400m 付近の-30℃以下の寒気を伴う トラフが通過中で、5mm/h前後 の降水を観測し、発雷している。 また、北海道日本海側では強い 風が吹いている。 ③奄美地方から日本の南海上 には、シアーラインが東西にのび、 所々で発雷している。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①台風第 19 号は、南シナ海で動きが遅いため、先島諸島を中心とした沖縄地方では、8 日にかけて下 層暖湿気の流入しやすい場が続く。落雷や突風、短時間強雨に注意。 ②7日朝にかけて北海道を通過する 1 項②のトラフに伴い、北海道の上空には平年よりおよそ 10℃低 い 850hPa -6℃の寒気が流入し、地上では、高気圧が日本海に進む。上空寒気の影響で、北海道地方の 標高の高い峠や山間部では、7 日朝にかけて積雪状態となるおそれがあるので、雪による交通障害に留 意。また、北日本では日本海側を中心に気圧の傾きが大きくなり、局地的に非常に強い風が吹き、海 はしけるので、7 日朝にかけて強風・暴風や高波に注意・警戒。 ③1 項③のシアーラインは、7 日は次第に不明瞭となる。7 日に高気圧が日本付近を通過し、7 日夜から西日 本太平洋側中心に次第に南から暖湿気が流入する見込み。 ④8日には、500hPa 5820m 付近のトラフが華中に進み、その前面で強風帯が強化され、華中から日本 海に前線が発生し、8 日夜には西日本から北日本に移動する。また、500hPa5520m 付近のトラフに対応 した大陸の低気圧は、8 日夜には前線が不明瞭となって日本海北部に進む見込み。低気圧や前線近傍の 西日本~北日本では、8 日は強風・高波・大雨・落雷や突風に注意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新 GSM を基本とする。風や雨については、MSM を参考とする。 4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(06 時からの 24 時間):東海 100mm、2 項の短時間強雨に注意。 ②波浪(明日まで):北海道・東北 4、北陸・四国・伊豆諸島 3m。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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