航空機リース事業、TH税制がネックに

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税務
航空機リース事業、TH 税制がネックに
内国法人を被統括会社に含めるとの要望とともに、27 年改正の論点に浮上
成長性高い航空機リース事業で、
買収した海外の航空機リース子会
社がタックスヘイブン対策税制の
適用対象に。27 年度改正で議論へ。
買収は外国法人を核とする企業グ
ループに所属する子法人の 1 つが
内国法人であるケース出現で、「内
れている趣旨は、航空機リースなどの事業
は国外で行う経済合理性が希薄というもの
だが、国内では一般的でない航空機リース
事業をグローバルに展開するにあたり、海
外の会社を買収することは十分にあり得る
ところ。こうした中、8 月 29 日に公表され
た金融庁や経済産業省の平成 27 年度税制
国法人」を被統括会社の範囲に含
要望では、一定の条件を満たす船舶・航空
めるよう求める税制改正要望も。
機リース事業については、事業基準を満た
すこととするよう求める要望が上がってい
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LCC(ローコストキャリア = 格安航空会
る。本事例を念頭に置いたものとみられる。
社)が急増する中、高い成長性が見込まれ
このほかタックスヘイブン対策税制関係
る航空機リース事業だが、同事業の展開
では、統括会社の判定上、外国法人のみな
上、ボトルネックになりかねないのがタッ
らず「内国法人」も被統括会社の範囲に含
クスヘイブン対策税制だ。
めるよう求める要望が経済産業省から出さ
先般、大手銀行グループと商社が、共同
れているが、これは本誌 536 号 4 ページで
で買収したアイルランドの航空機リース会
お伝えしたとおり、外国法人を核とする企
社を通じ、航空機を 200 機、総額 2 兆円分
業グループを買収した場合、その子法人の
購入するとの報道があったが、特定外国子
1 つが内国法人であるケースを想定したも
会社等に該当する海外子会社の実効税率が
の。株式の簿価が高い内国法人が被統括会
20% 以下となる場合、「適用除外基準」を
社に該当しないこととなった場合、タック
満たさない限り、当該子会社はタックスヘ
スヘイブン対策税制の適用除外を受けるた
イブン対策税制の適用対象になる。ただ、
めの「被統括会社の株式の簿価 > 統括会社
航空機リース事業は、同税制の適用除外基
が有する株式の簿価× 50%」との要件(措
準(事業基準、実体基準、管理支配基準、
令 39 条 の 17 ④ ) に 抵 触 し、 統 括 会 社 が
非関連者基準又は所在地国基準)のうち、
「株式保有会社」とみなされ、タックスヘ
事業基準を満たさないことが租税特別措置
イブン対策税制の対象となってしまう恐れ
法上明記されている(措法 66 条の 6 ③)。
があるだけに、こちらも 27 年度税制改正
航空機リース事業が事業基準から除外さ
における注目論点と言えよう。
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No.561 2014.9.8
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