私道の相続税評価額、 ゼロ評価となる分岐点

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固定資産税評価額がゼロ円のケースは?
私道の相続税評価額、
ゼロ評価となる分岐点
今年 1 月からの相続税の課税強化(基礎控除縮小)に伴い、全体の相続財産の 40%強を占
める土地の評価の重要性がますます高まっている。この土地の評価に関連し、「私道」の相続
税評価額を規定した評価通達 24 の合理性が問題となった裁判で判決が下された(東京地裁平
成 26 年 10 月 15 日判決)。裁判所は、評価通達 24 の合理性を認めたうえで、不特定多数の
者の通行の用に供されていない本件私道は同通達により 30%相当額で評価すべきと判断。ゼ
ロ評価すべき旨などを主張した納税者の訴えを斥ける判断を示した(敗訴した納税者は控訴)。
本特集では、通達の合理性をめぐる裁判所の判断内容に加え、本件裁判のなかで課税当局が
挙げたゼロ評価できる「私道」の具体例などを紹介する。
評価通達 24 が規定する「30%評価」の合理性が争点に
「私道」とは、国や地方公共団体が築造・
囲参照)。
管理する道路以外の道路で、一般公衆の通行
今回紹介する裁判事例で問題となったの
の用に供されている “私有地” である道路の
は、評価通達 24 の評価方法が合理的なもの
ことだ。
であると認められるか否かという点に加え、
この私道の相続税評価額を規定した財産評
本件私道(詳しい形状および位置は右頁図を
価 基 本 通 達 24( 以 下、「 評 価 通 達 24」) で
参照)の相続税評価額は幾らかという点だ。
は、私道は路線価などにより計算した価額の
納税者、通達の 30%評価は不合理と主張
30%相当額で評価する旨を前段において規
この本件私道の評価に関し課税当局は、本
定する一方で、その私道が不特定多数の者の
件私道の相続税評価は評価通達 24 の前段の
通行の用に供されているときはその私道は評
規 定 に 基 づ き 30 % 相 当 額 で 評 価 し た 約
価しない旨を後段において規定している(下
1,600 万円であると主張していた。
財産評価基本通達 24(私道の用に供されている宅地の評価)
私道の用に供されている宅地の価額は、評価通達 11(評価の方式)から 21 - 2(倍率方式による評
価)までの定めにより計算した価額の 100 分の 30 に相当する価額によって評価する。
この場合において、その私道が不特定多数の者の通行の用に供されているときは、その私道の価額は評
価しない。
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No.582 2015.2.9
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【図】 本件私道の位置、形状、周辺土地との関係など
相続開始日現在の所有状況
私道
私道
《土地》
被相続人所有土地
被相続人の姉所有土地
本件私道
本件隣接私道
《建物》
D 建物
C建物
A建物
被相続人の姉所有建物
G建物
E 建物
H建物
区
道
B建物
被相続人所有建物
F 建物
第三者所有建物
本件私道※
本件隣接私道
J 建物
I 建物
※1 本件私道は、その東側で区道に約7m接続し、その区道からの奥行きが約42m、幅員が約4mの道であり、その全体の面積は
約177㎡である。
※2 本件私道のうち、区道から約35mまでの部分は「位置指定道路」である。
一方の納税者は、評価通達 24 による評価
相当額で評価することは不合理であると主
方法が不合理であるという主張を訴訟のなか
張。また、納税者は、固定資産税評価額がゼ
で展開した。
ロ円である本件私道と固定資産税評価額がゼ
具体的にみると、本件私道が建築基準法な
ロ円でない私道とを一律に評価する点が不合
どの規定によりその廃止などが厳しく制限さ
理であると主張した。さらに、納税者は、位
れている「位置指定道路」(建築基準法が規
置指定道路は不特定多数の通行の用に供され
定する道路の 1 つで地方公共団体等が道路の
ることを法的に義務付けられた道路であるた
位置を指定したもの)である点などを踏まえ
め、本件私道は評価通達 24 の後段の規定に
れば、本件私道を評価通達 24 に基づき 30%
より、ゼロ評価すべき旨を主張していた。
裁判所、固定資産税が非課税でもゼロ評価と認められず
多数の者の通行の用に供されている」といえ
新24
制 の趣旨・内容(次頁表参照)を確認
度
通達
るか否かにより評価割合を異にする評価方式
上乗せ措置
納税者の主張に対し裁判所は、まず、評価
<控除上限>
したうえで、評価通達
24 は位置指定による【高水準型】
を定めたものであって、合理性を有するもの
【増加型】
売上高比10%超の試験研究費
ものを含めた種々の規制の有無等を踏まえつ
というべきであると判断した(通達の合理性
法人税額の10%
選択
試験研究費の増加額
×増加割合(5∼30%)
×控除率
つも私道の用に供されている宅地が「不特定 ((試験研究費割合−10%)
に関する判断内容は今号
。
×0.2) 7 頁の参考参照)
+
<控除上限>
本体︵恒
【総額型】
試験研究費の総額×8∼10%
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中小企業は、一律12%
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※ 1年間の繰越控除制度を廃止
法人税額の25%
No.582 2015.2.9
控除上限は
5