中小法人の損金処理を めぐる最近の税務紛争 中小法人の損金処理を

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商品券購入と交際費、計上漏れ経費の前期損益修正が問題に
中小法人の損金処理を
めぐる最近の税務紛争
法人税をめぐる税務訴訟はヤフーや IBM などの大法人に限られない。中小法人が行う損金処
理をめぐり、中小法人と税務署との間で生じた見解の対立が税務訴訟にまで発展するケースも
数多くみられる。本特集では、中小法人の損金処理が問題となった最近の税務訴訟のうち、
「商
品券購入費用の損金算入(交際費計上)が否認された事例」と「過年度の経費計上漏れに関し
当期に計上した前期損益修正損が否認された事例」について、裁判所の判断内容のポイントな
どを図表を交え紹介するとともに、2 つの裁判事例から実務上の留意点を探る。
商品券を関係者に配布も、使途不明のために損金算入できず
企業がその取引先や関係者に対し、接待交
業が提示した商品券使用リスト(表 1 参照)
際費として商品券を配布するケースは少なく
に具体的な配布先、配布日および金額が明記
ないだろう。最初に紹介する事案は、原告企
されていないことなどから、本件商品券の購
業(バイクの販売などを行う中小法人であ
入費用を使途不明金と判断し、損金算入を否
る)が取引先などに配布するために購入した
認する課税処分を行った。
本件商品券の購入費用を交際費として損金に
この処分を不服とする原告企業は、裁判の
算入することができるか否かが問題となった
なかで、関与税理士の申述(税務調査の際に
ものだ(事案の概要は図 1 参照)。
本件商品券をもらった旨を申述)および商品
具体的にみると、原告企業は、本件商品券
券使用リスト記載のとおり、本件商品券はイ
を工事関係者、バイク販売促進に関するイベ
ベントなどの業務に関連して配布したもので
ントの関係者、原告企業の関与税理士に配布
あると主張し、課税処分の取消しを求めた。
し、本件商品券の購入費用を交際費として損
地裁、配布先ごとの配布枚数等の記載なし
金に算入した法人税確定申告を税務署に提出
裁判所は、まず、法人税法 22 条 1 項およ
していた。この申告に対し税務署は、原告企
び 3 項の規定に照らせば、損金に算入できる
【表 1】 商品券使用リスト(イメージ)
4
年月
相手先
備 考
19.05
× ××××××
( 法人名など )
工事関係者
19.05
× ××××××
( イベント名など )
イベント
支出は法人の業務遂行上必要と認められるも
のでなければならないため、支出のうち使途
の確認ができず、業務との関連性の有無が明
らかでないものは使途不明金として損金に算
入することはできないという判断を示した。
そして、商品券使用リストについて裁判所
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No.630 2016.2.15
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