相続税をめぐる最近の 課税処分取消し裁決事例 相続税をめぐる最近の

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老人ホームに入居した被相続人の住所地が問題になった事例も
相続税をめぐる最近の
課税処分取消し裁決事例
課税ベース拡大による課税対象者の増加により、相続税申告実務の重要性が高まっているな
か、相続税に関する課税処分を取り消す裁決が相次いで下されたことが明らかとなった。そこ
で本特集では、相続税をめぐるここ最近の取消し裁決事例を 3 つ紹介する。1 つめの事例は、
老人ホームに入居した被相続人の住所地が家屋と老人ホームのいずれであるのかが問題となっ
たもの。2 つめの事例は、生命保険金の一部を申告していなかった相続人の行為が仮装隠ぺい
に当たるか否かが問題となったもの。3 つめの事例は、被相続人を売主とする同人名義の米国
不動産の売買契約書をめぐり、その譲渡代金債権が存在するか否かが問題となったものだ。
被相続人の住所地は老人ホームと判断、家屋とした原処分庁の主張を斥ける
被相続人の住所が日本国内にある場合、相
た住所は家屋の住所地であった(その後、被
続税の納税地は被相続人の住所地とされてい
相続人は老人ホームで死亡している)。
る(相続税法附則 3 条)。また、重加算税の
家屋の住所地を所轄する A 税務署は、税理
賦課決定は、納税地を所轄する税務署長が行
士である請求人(相続人)が期限内に申告書
うこととされている(通則法 33 ①)。最初に
を提出していなかったため、
「相続について
紹介する裁決事例で争点の 1 つになったの
のお尋ね」を送付。請求人は、遺産総額が基
は、被相続人の住所地が「家屋」と「老人
礎控除額に満たない旨の回答(有価証券など
ホーム」のいずれであるかという点である。
一部の遺産を記載せず)をしたものの、税務
被相続人(精神上の障害に関する成年被後
調査を受け期限後申告書を提出。これに対し
見人である)は、平成 20 年 6 月頃まで被相
A 税務署は、重加算税を賦課した。
続人が所有する家屋に居住していたものの、
これを不服とした請求人は、被相続人の死
成年後見人が同年 6 月 23 日付けで締結した
亡時の住所地は老人ホームの所在地であり、
介護付有料老人ホーム(以下「老人ホーム」)
その所轄庁は B 税務署であると指摘し、A 税
の入居契約により、同年 7 月 1 日に老人ホー
務署には重加算税賦課決定の権限はないと主
ムに入居した(入居一時金及び月額利用料は
張。これに対し原処分庁(A 税務署)は、被
被相続人の預金等により負担)。被相続人は
相続人は家屋の近隣地域の関係者と血縁者以
老人ホーム入居後、死亡時まで家屋に赴いた
上の貴重な関係を築いたこと、税理士である
ことは一度もなかったものの、住民票上の住
請求人自身がお尋ね回答書や期限後申告書に
所や被相続人の所得税確定申告書に記載され
家屋の所在地を被相続人の住所地としていた
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No.660 2016.9.26
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