◉週刊T&Amaster 商品概要 https://www.sn-hoki.co.jp/shop/product/book/detail_2531.html ☎0120-6021-86 見本誌請求 http://www.lotus21.co.jp/mihonsi.html 立ち読みコーナー http://www.lotus21.co.jp/ta 税務 非上場株の評価損で損金要件を満たさず 東京地裁、回復可能性がない旨の判断を納税者が行ったとは認められず 非上場株式の評価損をめぐり、法 人税法上の損金算入要件を満たし ていないと判示。納税者の請求棄 却(平成 26 年 4 月 25 日判決)。 東京地裁、会計指針に基づき回復 可能性がない旨の判断を行ったな どと主張する納税者の訴えを一蹴。 評価損は損金算入要件 2、4 を満たしてい ないなどと判断し、嘆願には応じられない 旨を告知した。この告知を受け、納税者 は、損金算入要件を満たしているにも関わ らず減額更正に応じなかったとして、国に 対して国家賠償請求訴訟を提起した。 訴訟において納税者は、本件非上場株式 について、1 株当たりの純資産額が取得時 法人税法上、非上場株式の評価損を損金 と比べ 50% 以上下落しているため、損金 計上するためには、損金経理による帳簿価 算入要件 2 を満たしていると主張。また、 額の減額(損金算入要件 1) 、株式発行法人 「金融商品会計に関する実務指針」に準拠 の 1 株当たりの純資産価額が取得時と比べ して、帳簿価額の 50% 程度までの回復が 概ね 50% 以上下落(損金算入要件 2) 、事 見込めないと判断したのであり、損金算入 業年度終了時の価額が帳簿価額の概ね 50% 要件 4 も満たしていると主張した。 以上下落(損金算入要件 3) 、近い将来価額 この主張に対し東京地裁民事第 39 部の の回復の見込みがない(損金算入要件 4) 、 小野洋一裁判長は、会計指針では回復可能 という 4 つの要件をすべて満たす必要があ 性が減損処理の除外事由として例外的な定 る(法法 33 ②、法令 68 ①二号ロなど参照) 。 めがされているため、会計上評価損を計上 東証一部上場企業である納税者は、当初 すべきとの判断がなされたからといって、 の申告で本件非上場株式の評価損を会計上 回復可能性の判断がされたと直ちに認める 特別損失に計上する一方で、法人税確定申 ことはできないと指摘。納税者が会計上の 告では課税所得へ加算 (自己否認) していた。 減損処理をした際に、回復可能性がない旨 その後、納税者は、本件非上場株式の評 の判断を行ったと認定できる証拠もないた 価損は法人税法上の損金算入要件をすべて め、本件非上場株式の評価損につき、損金 満たしていると判断。このとき、更正の請 算入要件 4 を満たしていると認めることは 求の期限が経過していたため、減額更正を できないと判断した。 求める旨の嘆願書を数回に渡り、税務当局 そのうえで、小野裁判長は、減額更正を に対して提出した。 すべき理由があるとは認められないとし しかし、税務当局は、本件非上場株式の て、納税者の国家賠償請求を斥けた。 こちらの記事を含む最新号の見本誌を無料で進呈しております。下記よりご請求下さい。 見本誌お申し込みページへ No.555 2014.7.21 9
© Copyright 2025 ExpyDoc