3月の 税情報 - 平川会計パートナーズ

2010・3 月号 税理士法人平川会計パートナーズ月報
3 月の
税情報
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今月の税情報〔平成 22 年 3 月号〕
〔グループ法人課税制度の検証〕
「内国法人間における完全支配関係にある法人の間の寄附金及び受贈益の取扱い」
1.寄附金課税の現行の取扱い
(1)単体法人税の現行の取扱い
:寄附金の支出法人では寄附金の損金算入制限があり、損金算入限度額の範囲内で損
金算入される(法法 37①)
:寄附金の受取法人では受増益として益金に算入される(法法 22②)
(2)連結納税制度の現行の取扱い
:連結法人が各連結事業年度において他の連結法人に支出した寄附金は全額損金不算
入とされる(法法 37②)
:連結法人から受入れた寄附金は受贈益として全額益金に算入される(法法 22②)
2.改正法人税法(案)の寄附金課税の「寄附金・受贈益の取扱い」
(1)
『法人』をグループ支配の頂点とする 100% グループ関係の規定
① 寄附金の支出法人に関する規定(改正案、法法 37)
:
完全支配関係にある内国法人間における寄附金支出法人は支出した寄附金は全額
損金不算入とされる
② 寄附金の受取法人に関する規定(改正案新設、法法 25 の2)
:
完全支配関係にある内国法人間における寄附金受取法人の受領した寄附金(受贈
益)は全額益金不算入とされる
(2)『個人』をグループ支配の頂点とする 100% グループ関係の規定
①
寄附金の支出法人に関する規定(改正案、法法 37②<かっこ書>)
:
完全支配関係にある内国法人間における寄附金支出法人は支出した寄附金は損金
算入制限があり、損金算入限度額の範囲内で損金算入される(改正案、法法 37②
<かっこ書>)
②
寄附金の受取法人に関する規定(改正案新設、法法 25 の2<かっこ書>)
:
完全支配関係にある内国法人間における寄附金受取法人の受領した寄附金(受贈
益)は全額益金算入とされる
(3)
『連結納税適用』のグループ関係の規定
①
寄附金の支出法人に関する規定(改正案、法法 37)
:連結納税適用関係にある内国法人間における寄附金支出法人は支出した寄附金は全
額損金不算入とされる
②
寄附金の受取法人に関する規定(改正案新設、法法 25 の2)
: 連結納税適用関係にある内国法人間における寄附金受取法人の受領した寄附金(受
贈益)は全額益金不算入とされる
(4)
『外国法人』がグループ支配の頂点とする 100%グループ関係の内国法人の規定
①
寄附金の支出法人に関する規定(改正案、法法 37)
:
完全支配関係にある内国法人間における寄附金支出法人は支出した寄附金は全額
損金不算入とされる
②
寄附金の受取法人に関する規定(改正案新設、法法 25 の2)
:
完全支配関係にある内国法人間における寄附金受取法人の受領した寄附金(受贈
益)は全額益金不算入とされる
<改正法による支配の頂点とする 100%
グループ関係の寄附金課税の規定>
グループ法人・寄附金
寄附金支出法人
寄附金受領法人
(1)内国法人(頂点)
全額損金不算入
全額益金不算入
(2)個人
損金算入限度額
全額
損金算入
益金算入
(3)連結納税法人間
全額損金不算入
全額益金不算入
(4)外国法人(頂点)
内国法人
内国法人
全額損金不算入
全額益金不算入
(頂点)
〔参考〕
平成 22 年度法人税法の改正案におけるグループ法人単体課税が適用になる 100%グルー
プの完全支配関係は「株式保有状態 100%グループ」とされ「その頂点にたつ株式保有者が
会社である場合」と「個人である場合」とされているため、対象範囲が拡大されている
<わが国企業のカテゴリー>
①上場企業
約 3.900 社
国際会計基準
日本基準
(連結ベース)
② 金 商 法 開 示 約 3.900 社
日本基準
務あり
日本基準
企業
③会社法大会社 約 10.000 社
会計士の監査義
務あり
作成義務なし
日本基準
(注)
③上記以外の株 約 250 万社
会計士の監査義
会計士の監査義
務あり
作成義務なし
式会社=中小
任意(税務基準 監査義務なし
使用)
企業
④上記③以外の ③のうちの一部 作成義務なし
会計参与設置 中小企業
中小企業会計指 監査義務なし
針
の株式会社
(注)有価証券報告書提出会社(①~②)以外の会社法上の大会社(資本金 5 億円以上、
又は負債総額 200 億円以上)
3.グループ法人課税制度の対象法人
3.グループ法人課税制度の対象法人
1.グループ税制の対象・支配関係
(1)100%資本(完全支配)関係
:「一の者」が発行済株式の全部を保有する関係(法法2十二の七の六)
:個人株主が頂点の会社、海外の親法人の会社を含む
:発行済株式から従業員持株会など5%未満株式を除外する
2.グループ支配関係の判定上も個人の範囲は「同族関係者の範囲(法令4)」
支配の頂点とする 100% グループ関係の図解
内国法人 or
外国法人
P
100%
内国法人
S1
内国法人 or
外国法人
P
100%
100%
寄附
内国法人
S1
内国法人
S2
100%
寄附
内国法人
S2
親 族
個人
P
100%
内国法人
S1
個人
P
100%
100%
寄附
内国法人
S2
内国法人
S1
100%
寄附
内国法人
S2
4.法人税法改正法案
:改正法人税法 37 条(寄附金の損金不算入)
2
内国法人が各事業年度において当該内国法人との間に法人に完全支配関係(1)がある
他の内国法人に対して支出する寄附金の額(2①②③)は当該内国法人の各事業年度の
所得の金額の計算上、損金の額に算入しない
(1) (法人による完全支配関係に限る)
(2) (第 25 の2(①)又は第 81 条の3第 1 項(②③)の規定を適用しないとした
場合に当該他の内国法人の各事業年度の所得の金額又は各事業年度の連結所得
の金額の計算上益金の額に算入される第 25 条の2に規定する受贈益の額に対
応するものに限る)
①(受贈益の益金不算入)
②(第 25 条の2に係る部分に限る)
③(個別益金額又は個別損金額の益金算入又は損金算入)
:新設法人税法 25 条の2〔第三目受増益〕
1
内国法人が各事業年度において当該内国法人との間に完全支配関係(1)がある他の内
国から受けた受贈益の額(2①②③)は当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計
算上、益金の額に算入しない
(1) (法人による完全支配関係に限る)
(2) (第 37 条(①)又は第 81 条の 6(②)に規定を適用しないとした場合に当該
他の内国法人の各事業年度の所得の金額又は各事業年度の連結所得の金額の計
算上損金の額に算入される第 37 条第 7 項(③)の規定する寄附金の額に対応
するものに限る)
①(寄附金の損金不算入)
②(連結事業年度における寄附金の損金不算入)
③(第 81 条の6第 1 項において準用する場合を含む)
2(略)
3(略)
以上
3
月
①21 年分所得税の確定申告
の
税
務
申告期間・・・2 月 16 日から 3 月 15 日まで
納期限・・・3 月 15 日
②所得税確定損失申告書の提出期限
提出期限・・・3 月 15 日
③21 年分所得税の総収入金額報告書の提出
提出期限・・・3 月 15 日
④確定申告税額の延納の届出書の提出
申請期限・・・3 月 15 日
延納期限・・・5 月 31 日
⑤個人の青色申告の承認申請
申請期限・・・3 月 15 日(1 月 16 日以降新規業務開
始の場合は、その業務開始日から 2 か月以内)
⑥20 年分所得税の更正の請求
請求期限・・・3 月 15 日
⑦贈与税の申告
申告期間・・・2 月 1 日から 3 月 15 日まで
⑧個人の道府県民税、市町村民税、事業税(事業 申告期限・・・3 月 15 日
所税)の申告
⑨2 月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納 納期限・・・3 月 10 日
付
⑩個人事業者の 21 年分の消費税・地方消費税の確
申告期限・・・3 月 31 日
定申告
⑪1 月決算法人の確定申告〈法人税・消費税・地 申告期限・・・3 月 31 日
方消費税・法人事業税・(法人事業所税)
・法人住
民税〉
⑫1 月、4 月、7 月、10 月決算法人及び個人事業者
申告期限・・・3 月 31 日
(21 年 12 月分)の 3 月ごとの期間短縮に係る確定
申告〈消費税・地方消費税〉
⑬法人・個人事業者(21 年 12 月分及び 22 年 1 月 申告期限・・・3 月 31 日
分)の 1 月ごとの期間短縮に係る確定申告〈消費
税・地方消費税〉
⑭7 月決算法人の中間申告〈法人税・消費税・地 申告期限・・・3 月 31 日
方消費税・法人事業税・法人住民税〉・・・半期分
⑮消費税の年税額が 400 万円超の 4 月、7 月、10 申告期限・・・3 月 31 日
月決算法人の 3 月ごとの中間申告〈消費税・地方
消費税〉
⑯消費税の年税額が 4,800 万円超の 12 月、1 月決 申告期限・・・3 月 31 日
算法人を除く法人の 1 月ごとの中間申告(11 月決
算法人は 2 ヶ月分)〈消費税・地方消費税〉